山好き ojisan の ひねもすだいありー 

あの山この山、山行の備忘録。♪憧れの山に旅して、登って、食べて、飲んで…♪ 心地よい生き方を探しましょ♪

安達太良山 またもや敗退編(後編)

2013年03月15日 19時14分41秒 | 東北
後編、お待たせしました。
( 私事ですが、仕事が一年を通じて一番忙しい時期を、
花粉症にもめげず何とか切り抜けましたぁ!! やったぁ!!

さてさて、深い新雪の中を、前日 苦労しつつたどり着いた『くろがね小屋』で
隊長、10時間にもわたる爆睡で、今回も日頃の睡眠不足を取り戻したのでしたが…
「いびき番長」でもある隊長、だいぶ昨晩もひんしゅくをかったようです、てへへ


窓ガラスから外をのぞくと、夜半も吹き荒れていた風が、
時折、夜の間に吹き積もった新雪を巻き上げて吹き抜けていきます。

ただ、空は 昨日と打って変わってきれいに晴れ渡っています

う~ん、どうすべぇ…
実は、昨晩の、同宿した人達との山話の中で、今日は山頂は諦めて
潔く下山しようと決めていたのでした…
昨日スキーで登って来た、経験豊富な「青森さん」
(青森県からいらした方なので、勝手に名付けちゃいました、失礼)
が、下り坂の天気を案じて、早々と下りると宣言されていたこともあって、
自分たちの技量不足を痛感していた我が隊も、ここは諦めるのがセオリーと考えたのです。

朝食も終え、皆 黙々と準備をはじめています。
何となく、行くべきか、退くべきか、皆 悩んでいるらしい雰囲気が伝わってきます…
そんな中、おサル隊員だけは 下山を疑わず、のんびりと朝湯を楽しんで戻ってきました、あはは


すると、一番の若手「群馬くん」
(これも勝手に…、  群馬県から来た、まだ山登り始めて1年足らずの男の子)は
「とにかく 行ける所まで行ってみます!!」と、山小屋のおじさんに決意表明。
もう一人の若手「まじめ君」、動じず準備を進めています。あぁ、これは行く気だな、と…

彼は装備もしっかりしているし、かなり経験豊富のようだし、昨日もあの天気の中
山頂経由でここまで来たと行っていたし、風は強いけれど眺望が望めそうな今の天気なら
再度 山頂を目指してもおかしくないなぁ と思っていましたが、やはり…

「青森さん」と我が隊だけが下山組か、と思い、隊長も準備を急ぎだそうすると
「群馬くん」と「青森さん」の話が聞こえてきました。
あらっ? 「青森さん」も行くの?
どうやら考えていたよりも天候がもっているのをみて、山頂を目指すことに変えたようです…

隊長、一瞬、迷ったものの、山頂を踏んだ後、その先のルートの足であるゴンドラが、
この強風で停まってしまっていたら、自分たちの技量で そこから戻って下るにしても
そのまま下るにしても、あまりにもリスキーです。
結局、帰りも我が隊のみで下ることを覚悟した方が良さそうです…

風対策を完璧にし、くろがね小屋を後にします


昨日、通過に苦労した傾斜のきつい東斜面をトラバースします。
今日もやはり深い雪に、体が、足が、谷側にもっていかれそうで、その度に肝を冷やします
でも、ここさえ抜ければ、あとは楽勝!! 温泉にビールが待っている!!
先頭を行く おサル隊員、頑張れ~


写真は、そんな訳で、一番お見せしたい ハードな所ほど、無いんだなぁ…
『勢至平』まで来て、ほっと一息。後ろを振り返ると、『乳首山』の別名どおり、ちょこんと…




先頭を行ってくれたおサル隊員、お疲れ様!! ポーズにも、やっと余裕が…


小屋から稜線へ上がるところが一番斜度があるから大変だったろうけど
今頃 あの三人、あの山頂近くに到達したかなぁ? ピークを目指さなかったことに、
少しだけ未練はあるものの、これで自分たちには正解だったんだと思うことにしよう。
それにしても、風だけは相変わらず強い。
下る方角に対してはフォローの風で、楽チンなこと この上ないけどね。




トレース上は、あまり沈み込まないから楽だけど、こんな木の根元には、用心用心。
樹と、樹のシルエットと、雪の白さのコントラストが、シンプルにきれい!!


強く吹きぬける風による『風紋』、いや『雪紋』か!! こんなのもシンプルに きれい!!


きっと気温はマイナス10度ぐらいなんだろうけど、完全防備だし、寒さは感じない


少し、雲が増えてきた… やっぱり下り坂なんだろうな、天気は…
ぎりぎりのところで、陽射しに恵まれているって 感じ。
この先で、数組、登ってくる人達とすれ違った。
皆、スノーシュー組だったけど、きっとあの東斜面ではてこずるだろうなぁ。気をつけてね


智恵子さん、“ほんとの空”、写っていますか?



こうして何とかスキー場まで戻り、レストハウスで、『岳温泉』への連絡バスを待ちます。
案の定、ゴンドラは強風のため、運行停止中。隊長判断、とりあえず正しかったようです。
バス待ちで そのまま50分ほど休んでいると、
ん? 見たことあるザックにウェア!!
「まじめ君」です!!

なんと、聞いたら 山頂へ行き、再びくろがね小屋経由で下りてきたんだって!!
さすがです。自分たちには、まだ真似出来ないっす( って言うか、永遠に無理かも )
でも、ということは群馬くん、ゴンドラ動いてないし、どうしてるんだろう…

心配しつつも、どうするわけにもいきません
30分後、連絡バスに乗り込もうとする まさにその時、
お疲れ様でーす!! みると、ひょこひょこと、群馬くんです!!
聞くと、結局 ゴンドラの下のスキー場コースに沿って やっとこさ歩いて下りて来たとか!!
よかったぁ…

もうこれで、心配の種はなし!!
いつか、僕たちも再び、チャレンジに、必ず来るよ!!





岳温泉の一番上にある、『光雲閣』。きれいな温泉で、乳白色の泉質も最高でした。

記念にパチリ。


煮込みうどんで暖まって、


最後に、再びバスで二本松駅まで戻り、オープンの時以来となる
仕事でお世話になった大山先生の『大山忠作美術館』を堪能して帰路に着きました。
先生は、ここ二本松の出身なんです。
美術館には不似合いな、不審な二人組。
ザック背負って、山のかっこして、一体どんな関係の人と思われたかな?フフッ…





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安達太良山 またもや敗退編( 前編 )

2013年03月03日 19時46分04秒 | 東北
前回 雪山不完全燃焼に終わった warazaemon隊、満を持して今度は何と東北遠征です!!
場所は あの『安達太良山』。
そう、高村光太郎の妻 智恵子さんが、
“東京には無い、ほんとの空”があると言った
その安達太良山です。

麓にはスキー場が広がり、山頂までの標高のほとんどを ゴンドラで稼げる、
雪山のエントリーコースとして知られていますが、
ところが どっこい、実は厳冬期は日本海側から太平洋側へ吹き付ける季節風の通り道となり
ほぼ常時 強い風の吹きすさぶ、
決して侮れない場所でもあるんです。

自分にとっても ある理由があって、山に登り始めてから、いつか来てみたい場所でした…


この冬はいつも以上に寒さが厳しく、2月も後半というのに、出発の前日には大寒波が
広く東北地方を覆っていました…   一抹の不安が

しかし そんな事は( おサルの手前 ) おくびにも出さず、
2月21日の朝、我が隊は出発口となる郡山駅前に降り立ちました。

郷里の会津への乗換え口である郡山、空はピーカン!!
やっぱり『中通り』は、会津とは天候が全く違います。“表日本”側なんだね、ここまでは…
ここから 『あだたら高原スキー場』まで、連絡シャトルバスが運んでくれます。

1時間少しで、『あだたら高原スキー場』到着、案の定、けっこう風が強く吹いてます。
空は うっすらと明るいものの、山頂方面は、完全に雲に覆われています。
ゴンドラは動いているのかな?



来る途中のルートの検討で、スキー場を起点とした周回コースを目指すものの、
今日は山頂は目指さずに、とりあえず 逆時計回りで、『くろがね小屋』を目指そうと決めてあります。
粛々と、装備をチェックし、トイレを済ませ、ワカン を履き、準備を進めます。


グローブをはめてしまうと、装着に一苦労   
これぐらい、早く朝飯前にしないと、ねっ
登山届けは出しましたか? ん? え、えぇっ、も、もちろん…




若者でにぎわうスキー場を横目に、いざっ、出発!!
あ、そう言えば、やはりゴンドラは 強風のため 運行休止中のようです。
ゴンドラの運行再開を信じて ひたすら待つのでなけりゃ、
否応無く、このコースをとるしかなかった訳だね…




しばらくは、深雪の中を、のんびりと進みます。


こんな、
吹き溜まりにはまり込んだら、やばい やばい
(「北八つ」で懲りました、はぃっ…)


20分程歩いた先から、いよいよ勾配のきつい登りスタート 
( 故に、ほとんど写真ありません、悪しからず )

1時間ほど、トレースは何となくあるものの、今日歩いた人は まだいないルートを
ラッセルしつつ上ります。
はぁはぁ、ぜぇぜぇ…はぁはぁ、ぜぇぜぇ…
( 風邪の治りかけだった隊長、気管支が狭くなっているらしく、苦しかったこと、苦しかったこと… )



尾根に上がりきった辺りで、やっと小屋から下りて来たらしき人と数人すれ違います…
地図によると、もうすぐ『勢至平』という、勾配の緩くなった地帯のはずです…

標高が高くなると同時に風が強くなり、トレースが消えだします
こうなると、ところどころの木の枝にくくられた赤テープを頼りに正しいルートをたどる、
「ルートファインディング」能力を問われるところ…
山登りの経験値が、こういうところで差となって現れるのです…

慎重に、進行先を見極め、間違っても吹き溜まりなんかに落ちないように、と進みます…
息切れ気味の隊長に代わり、おサル隊員が先頭を進んでくれます。
助かります…

『勢至平』を越すと、右から峡谷が迫り、大きく左へとカーブしていきます。
ルートガイドによると、ルート中 唯一の難所です。
なのに、なのに、それなのに、ここで、
赤テープを見失ってしまいました
左斜面をトラバースするルートは、一昨日から降った積雪が深く、
斜度もきつく、踏み固められていないため
油断すると すぐ、ズズズッ と、斜面を落ち込みかかります
峡谷の下の方は、吹き溜まりばかり…
あそこにはまったら、と、恐怖心が湧き上がります。

さすがの おサル隊員も、
「隊長~!! ルート間違ってない!? 平気!? 諦めて ここから引き返さない?」
と弱気の虫が騒ぎ出しています…

隊長、ザックに括りつけた ガーミン(GPS)を、何度も取り出し確認します
「大丈夫!! ルートには乗ってるから~!!」
吹雪きだした雪と風の中で 叫び返します…

GPSも、うっすらと吹雪く雪の中に見える景色からも、
目的地「くろがね小屋」が近いことは間違いないのですが、
さっぱり それらしきシルエットが見えてきません…
1時間近くの奮闘!? ( 実際には30分くらいだったのかも… ) が、
永遠に続くのではないかという恐怖に
心がなえ始めた時、それは見えました!!

「 あったー!! 着いたぞー!! 」
ジャン!!

ジャジャン!!!


実際には、ここからも小屋へたどり着くまで、まだ随分とかかったのですが
小屋が目で見えていることでの安心感たるや、天と地ほどの違いがあるものです。

ほとんど倒れこむようにして、小屋へ到着!!




小屋番のおじさんに迎え入れてもらった時の安堵感、とても文章で表現しきれません。

「 寒かったしょ!? 早く着替えて、温泉入んな!! あったまるし!! 」

はいっ!! ありがとうございます!!


あっ、あっちぃ~~っ!!
下町のご隠居さんでも、思わずタオルかかえて跳び上がる程の熱湯っす!!
でも、裸で湯船の外にいると、さ、寒いっす!!
極端に熱いのと寒いのと、究極の選択っす!!
え~ぃ!! ままよ、『熱湯甲子園』の 井出らっきょ の覚悟で、ざぶ~ん
xxtyy9878453thvh565778uomlpo-zxvv b bxyyyyoiuuyeyw62gwbcjcjsjsjz;z…


源泉が、小屋のすぐ裏の山の中腹にある『くろがね小屋』。もちろん、掛け流し。
究極の贅沢だぁ~  こうして歩いてやってきた人しか味わえないもんねっ!!

入浴後、夕食まで一眠り…
そして、小屋名物の夕食、カレーライスっす!!


ふと窓を見やると、窓に吹きかかって融けかけた雪が、結晶化したまま、凍り付いていました。
明日の朝の気温は、恐らく -20℃くらいだとか… 


これも小屋名物、だるまストーブ。あったまります。


とても 暖かくて、清潔な山小屋でした。小屋番さんも とても気さくな方で、アットホームな感じ。
違う季節に、ぜひ再訪してみたい山小屋でした。


夕食後、我が隊を含め その晩 小屋にたどり着いた一行5人で、しばし山談義。
山で、いかに経験値を上げていくか、経験値を上げることが如何に大切か、を
小屋番のおじさんと、青森から来たと言うベテラン山や さんが話してくれました。
とても為になりました、はぃっ。

( 後半に続く )

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