山好き ojisan の ひねもすだいありー 

あの山この山、山行の備忘録。♪憧れの山に旅して、登って、食べて、飲んで…♪ 心地よい生き方を探しましょ♪

剱岳への道 (その2 登頂編)

2013年09月17日 13時35分26秒 | 北アルプス
ん? なにやら ガサゴソ、音が…
例によって山小屋の夜だけに ずいぶん寝たような気はするが、今 何時だ?

ゲッ‼ まだ、さ、三時⁉
確か朝食は、5時だったはず…
するって云うと、今 暗い中で ガサゴソ準備始めた人達って…
暗い内にスタートして
朝食前、というか、夜明け前には概ね登頂の目処を付けちまおうって魂胆なんでしょうか…


それが一人や二人でなくて、けっこうな人数なんで チョット焦ったものの、
我隊は浮き足立たずに、予定通り、朝食後 速やかな登頂を目指します。
だって、空腹では動けないっしょ‼ ( ね、おサル⁉ )

それに ただでさえ足元の覚束無い岩稜ルート、登り慣れた道でもなく、
あの人達は難所の岩場での渋滞を避ける目的なんでしょうが、
ここは慎重に行かねば、うむっ


後立山連峰の「鹿島槍ヶ岳」が、その稜線シルエットを見せています。
天気は何とか回復基調なのは間違いなさそうです。
よしっ、慎重にさえ行けば…

慎重と云えば、事前にNHKの『にっぽん百名山』をみて、急遽用意してきた物があります。
ジャ~ン‼


ベルトから下に装着しているのが、そう、秘密兵器、 
『簡易ハーネス』&『カラビナ』です。
山頂直下の岩場の難所、通称
『カニのタテバイ』、『カニのヨコバイ』
( え⁉ カニを何ばい? 確かに甲殻類は好きですが…)
そこの通過の為だけに用意して来ました。
岩場慣れしていない👫二人にとっての、言わば“保険”みたいなもの。

多少曇っていますが、さぁ、いよいよスタートです。

先ずは最初の関門、『 一服剱(いっぷくつるぎ)』を目指します。
30分程登ったか登らない内に、ぱらぱらと雨粒が…
剱岳を目指すにあたり、珍しく少し弱気なおサル隊員に
雨が降り出したら潔く諦める、それが今回のおサル隊員との約束です。
だけど まだ これ位の雨粒で引き返す訳には…

迷いつつも、気付かないフリをして進むうち、空が明るさを増し、ほっ
見渡せば
いつの間にか岩場が登場。トレッキングストックは もうしまわないとだめだな



剣山荘に 不要な荷物はデポしてきているので、身体は嘘みたいにラクチン。





『一服剱』を越して、いったん下ったあと、再びの急登が始まります。
次に目指すのは、『前剱( まえつるぎ )』。剱岳山頂の前衛です。
剱岳の山頂も、いよいよその姿を現しました。





両側が切れ落ちた場所に渡された橋を、おっかなびっくりの “へっぴり”で渡る隊長。
渡った先を、切れ落ちた崖に沿ってトラバースします。




『前剱』まで来ると、いよいよ山頂が、目前に迫ってきます。










さぁ、登りのハイライト!! 『カニのタテバイ』!!
ほぼ垂直に見える50メートル程の岩壁の登りです。見上げると くらくらします。



幸い、渋滞もなく、自分達のペースで登れそうです。
もっとも、ゆっくり登るつもりなど さらさらなかったし、実際 必死でくらいつく感じで
あっという間の“タテバイ”通過でした…
三点支持の基本と、足で登ることだけを意識して…
あ、瞬間的には、こんな 潰れた「カエル」のような不恰好なシーンも あったみたいです…
あくまでも、瞬間の話ですけどね…

ここの鎖場の通過にだけ、カラビナを通すよう、おサル隊員には指示。
自分は、登りきるだけで いっぱいいっぱい、結局使わないまま通過。
まぁ、何はともあれ、ほっ…




そして、ついに、ついに、ついにっ!!


憧れ続けた、剱岳の頂上に今!!
では、恰好つけて、おサル隊員から、はい、がっちりッ!!

おいらも負けじと エッヘン、パチリッ!!


雲が低く垂れ込め、残念ながら山頂からの眺望は わずかに剱の周辺のみ、
それでもやはり感激はひとしお。


同じ時に登頂を果たした人々の、達成感に満ちた笑顔と高揚感がここには満ちていました…
そういえば、そんな中に、77歳のおばちゃまもいましたよ!!
20何年ぶりの剱岳登頂だそうで、もう齢だし、
これが最後の( 剱からの )見納めの眺めだねぇ… って
自分、そんなふうに考えて山に登ってきた事なかったから、ちょっと複雑な気持ち…
でも、考えたら いつだって、山は“一期一会”、
見るものすべてに感動できる気持ちは失くしたくないね!!


ん?  そういえば、山頂にあるはずの 祠 が見当たらないねぇ…
ま、いいかっ…
( あとで聞いたら、つい最近の落雷で壊れてしまったらしい )

近代測量が始まってから難攻不落で長く未踏とされていた剱岳の山頂に、
何百年も前に修験行者が残していった錫杖があったというのもロマンだけど、
その行者が誰にも知られず ひっそりとここに登り詰めた時の事を想像すると、
不思議な感慨があるねっ…



登ったら、やはり下らなくてはなりません… はぁ
名残惜しいけど、そろそろ行きますか。
しかも ここ剱岳、下りのほうが恐らく難路。
剣山荘に無事帰り着くまでは気を緩めてはいけません。
おサル隊員も その事は自覚しているようで、表情には まだ緊張感をにじませています。





おサル隊員、岩場の歩きに関しては、隊長より得意と見えて、
今回、常に先を歩いています。




ん!? ついに渋滞です。ってことは、ついに『カニのヨコバイ』!?

山頂直下の、急峻な岩場のみ、登りと下りと、別のルートとなり、
登りを“タテバイ”、下りを“ヨコバイ”と 呼び分けています。
いずれにせよ、慎重な足運びが求められるところ…


前の人と、一定の間隔をあけて、さぁ、突入!!
おサル隊員に「最初の1歩目が… 」と話し掛けようとしたら
「(恐がらせるような)余計な事 言わないで!!」と叱られてしまいました。

余裕のピースサインを見せてはいますが、
さすがの おサル隊員も、だいぶナーバスになってきているようです。


無事、通過したようです。
いよいよ、隊長も突入です。



いったん5メートルほど垂直に下り、そのあと水平方向に 岩場を左へトラバースするんだけど
その横への1歩目の足場が、確かに直接 目に見えません。

必然的に“手探り”ならぬ“足探り”となるため、めちゃくちゃ不安で恐い…
もちろん、真っ直ぐ下へ切れ落ちた岩壁なので、
踏み外したら恐らく 『The end』 

ただし、今回、ここの為に用意してきたのが、そう、「ハーネス」に「カラビナ」。
鎖に「カラビナ」の輪っかを通し、支柱まで体と一緒にスライドさせ、
支柱のところで今度は隣の鎖に輪っかを引っ掛け直し、という同じ動作を繰り返す。

これのおかげで、万が一の時でもの安心感を持つことが出来たことが、
実に大きかったっす‼
無事、しかもスムーズに「ヨコバイ」を通過。

むしろ、このハシゴに後ろ向きで足を乗せる時のほうが恐かったっす!!



そして最後の鎖場。ここまで来れば、余裕のポーズも…


おサル隊員は しかしまだ浮かれません。
剣山荘に無事 着いて初めて登頂成功、とばかりに…

というのも、前日 剣山荘に、顔中血だらけになった絆創膏を貼った男の人がいて
その人は、山小屋直前で転んで怪我をしたと聞いていたからなんだ…



イェーイッ!!
無事、到着!!   
無事、登頂、イェーイッ!!


満面の笑みの おサル隊員をお見せ出来ないのが残念。



さて、相談です。
1 ここ「剣山荘」でもう一泊して、明日 立山(室堂)へ戻るか、
2 谷を一つ隔てた「剣澤小屋」へ移って一泊し、明日 立山(室堂)へ戻るか、
3 もう一頑張りして、一山越して(別山乗越を越えて)雷鳥坂下りて、室堂近くまで戻って宿を取るか…

自分としては 2 かなぁ、 と思っていたけど、どうもおサル隊員、
3 を選択したい様子ありあり…
しょうがないなぁ、泣き言言わず頑張ったもんなぁ、つきあってやるか…

荷物をまとめ、ピックアップし、再びスタート。
その後の 別山乗越までの剣澤のきつい登り返しの辛いこと辛いこと、
どんだけ辛かったか、写真が一切無い事からも想像に難くないっしょ!!
雷鳥坂は惰性で下ります。


そして雷鳥平キャンプ場から、室堂方面への最後の登りの
それにも増して苦しかったこと、辛かったこと!!
まぁ、それも 今となってしまえば いい思い出っす!!

立山の雄山方面が見えています。

そして、雷鳥平キャンプ場と、その向こうに 越えてきた別山乗越方面も

大日岳方面も…



倒れこむように『雷鳥荘』へたどり着き、やっと一息。

そして至福の お風呂タイム!!

檜の香る、眺めの良い、最高にいいお風呂でした。


で、風呂上りには もちろん、これ!!


ゴキュ ゴキュッ ゴキュッ、プハーッ!!
たまらないっす!!

そのまま、夕食へ突入!

部屋は2段ベッドタイプ!


夕食後は、暮れ行く室堂を、まったりと堪能です。

雲もきれいに取れて、明日の天気に期待が高まります。











きっと 心地よい疲れが、今日も熟睡へと 誘ってくれるでしょう…
おやすみなさい…

( まだ続きます、ごめんなさい… )



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