【映画評】24の瞳
この映画名というか書名は有名で、作者の壺井栄の名と共に知られている。かくいう筆者も、たしか小学校時代に学校の催す映画鑑賞(だいたい体育館内などで行われた)で見た記憶はあるが、今はその内容の概ねだけで細部を記憶してはいなかった。
この年末に来て、志賀・琵琶湖周辺を通る国道1号の辺りは、例年にない強雪に見舞われているが、筆者地方では雪こそないが、連日寒い風が吹く毎日が続いてい . . . 本文を読む
【書評】トヨトミの野望
従前、書評として「トヨトミの逆襲」(2019年上梓)を記していたが、今回は「トヨトミの野望(2016年上梓)のことを記したい。つまり本の上梓順としては逆転しており、前作より以前の出来事が記されているのだ。
もっと端的に本の概要となるが、既に記した「逆襲」はトヨトミ家直系の坊ちゃん社長が主題(主人公)。だだ、今回の「野望」は、坊ちゃんが社長になるまでの経緯として、ト . . . 本文を読む
【書評】企業小説「トヨトミの逆襲」 追記
昨日記した「トヨトミの逆襲」の書評については、最終章を未だ読んでいなかった。2019年初版の本書では、最終章の場面は2021年から2022年4月で物語は終わるのだが、完全な作者の未来予測ということになる。
物語では、統一は自分の積極的に評価し助言を与えてくれる者達の欺瞞にやっと気付き、次期社長を技術部門出身の愚直な男に自ら決め、物語の最後にそれが公開 . . . 本文を読む
企業小説「トヨトミの逆襲」
久々に企業小説を読んだ。題名は「トヨトミの逆襲」(梶山三郎著)なのだが、梶山三郎とはペンネームで実態は不詳とのことだ。
そもそも、この40年、小説やドラマで実話を元にした企業小説というのは結構好きなジャンルで、初めて触れあったのは、城山三郎氏か山崎豊子氏かどちからだったろう。それぞれ、「官僚達の夏」とか「白い巨塔」など、大変興味深く読んだし、その後も「粗にして野だ . . . 本文を読む
タテ縦社会の人間関係の「中根千枝」氏亡くなる
昔々、出張の行き帰りの際に、読んだ「タテ社会の人間関係」(中根千枝著)があり、内容として記憶に残る。その中根千枝氏の訃報だ。94才だったという。
この書籍を読んだ上で、過去に職人達の人間会系という一文を記しているが、下記に再掲したい。
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【書評】リニア新幹線が不可能な7つの理由
この本も図書館で見つけ、感心を持って借り出し読み終えた本だ。表紙と奥付は別添の通りだが、著者は樫田秀樹氏でフリージャーナリスト、2017年10月初本の岩波ブックレットの薄い本だ。
この本の中で著者は7つの理由を上げ、リニア新幹線は不可能だと断じているが、ご存じの通り国交省の政府認可は取得し、既に各地で建設工事は始まっている。
いかし、通過する . . . 本文を読む
【書評】なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?書評 なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?
この本だが、図書館で見つけ借り出して読んだところだが、著者の大村大次郎氏は元国税の調査官を10年勤務したという人物で、日本最大の大企業たるトヨタ自動車のいわゆる法律ギリの税務のやり方を指摘している本で、非常に面白く読めた。
国税局の調査官とは、いわゆるマルサの女じゃないが、税逃れをしている企業に . . . 本文を読む
【書評】日本を捨てよ その2
前回に続いてかなり端折って読み進め数時間後に完読した書評の続きとして書き留めたい。
前回記した様に、著者は日本人の特性を儒教と相互監視というべき環境の中で閉塞感を感じ続けているのだが、これを改善するには、日本から逃避せよとは述べていないが、改めて突き放して眺めて見よと意見している。これは、英語なり多国語の理解もし、もっと大きく地球の中のそれぞれの国の出来事の内容 . . . 本文を読む
【書評】日本を捨てよ
著者は「苫米地英人」氏(62才)だが、同氏の本を読むのは2書目なのだが、実は1書目は「イヤな気持ちを消す技術」という本だったのだが、読み始めて、脳の働きがどうだからこうだみたいな自説にちょっと付いて行けなくて、1/3程のところで読むのを諦めていた本だ。その同じ著者で表題の「日本を捨てよ」(初版2012年)を読み始めたところで、未だ1/3程度しか読んでおらず、完読していないな . . . 本文を読む
【書評】自動車絶望工場(およそ人の限界を超えた消耗戦)
著者は鎌田慧(さとし:83才)だが、ルポライターとして紹介されている通り、ルポルタージュ(仏語:問題をその地その場所に立って現地報告する文章なり書き手)を特徴とする作家だ。現在は高齢だが、この「自動車絶望工場」を記したのは、氏が34才の時、つまり49年前、当時のトヨタ自工(未だ工販合併前)本社工場で6か月間を期間工として過ごした中で体験した . . . 本文を読む
【書評】白昼堂々
この「白昼堂々」は,つい先日(9/19)に記した、映画評「白昼堂々」の原作者たる結城昌治氏(1927/2/5-1996/1/24:69才没)のオリジナル小説だ。
私は、本が先か映画が先か、感心を傾ける物語は、いずれにせよ原作に当たることを良しとしている。そして、多くの場合、原作を読んで、映画化されたものを見ると、随分駄作に仕上げたものだと低評価になる場合が多い。これは、小説 . . . 本文を読む
【映画評】白昼堂々(松竹1968年)
この映画は、1970前後に、泥棒として九州筑豊といわれる地のあるが、全国行脚して泥棒で生計を立てていたという実話をモチーフにしたコメディタッチの映画だ。
映画の物語は、渥美清がリーダーのスリ泥棒集団が、東京の大手デパートで、反物など高価な商品を、チームでリーダーのブロックサインとチームワークで白昼堂々盗み取るというもので、全面がシリアスタッチと云 . . . 本文を読む
【書評】差別入門
この本、表紙に「差別入門」と「全国開放協議会」と記してあるが、奥付を見ると、発行人:宮部龍彦、発行所:示現舎合同会社と記してある。この宮部氏=示現舎=神奈川県人権啓発センター=鳥取ループであり、Youtube やブログなどで、多数の投稿を過去から積み上げて来ている。
かくいう私も、Youtube でまず、探訪(全国各地を実蹟し、ますます増えている)を発見した . . . 本文を読む
【書評】靖国史観
【書評】靖国史観
正直云って、悪文だとかで著者を責める意志はないが、引き込まれるものがなく、かなり端折って一応読み終えたというのが読後感だ。
靖国神社は、祖国防衛のために亡くなった戦士を祭る神社だということは誰でも知っているが、その創設は明治政府のなしたことであり、明治維新前で祭られている有名人は吉田松陰くらいのものではなかろうか。勝てば官軍とは云う通り、クーデーターを起こ . . . 本文を読む
【書評】名門水野家の復活
何故この本を読もうと思ったのかは、我が住まい地「沼津」には、現在は城址も微かに残る程度だが、江戸時代の古地図だとか、現在の城がある地に良くある大手町などという地名字名も残り、その殿様が水野で駿河の国沼津藩の藩主だったことを予て知っていたからだ。
まず、書の題名から名門水野家と記されていることだが、水野家の血筋は徳川家康の母となる於大の方(おだいのかた)に繋がるという . . . 本文を読む