「あほリズム」(903)

2022-09-24 15:05:01 | 「第三次世界大戦前夜」

 以下のニュースはこれからの世界がどこへ向かおうとしているのかを

暗示しているように思えてなりません。

 

    *        *       *

[フランクフルト/ミュンヘン 20日 ロイター] - ドイツのデュッセルドルフを拠点にトイレットペーパーを製造するハクレは1928年創業の老舗企業だ。それが今年夏のガス料金高騰で、あっさり倒産してしまった。ロシアが欧州への天然ガス供給を中止したことで、ハクレのようなエネルギー集約型産業は特に大打撃を被っている。

「あっという間の出来事だった。電気とガスの料金が爆発的に上昇し、とてもではないが顧客に転嫁するのが追い付かなかった」とハクレのマーケティング責任者、カレン・ユング氏はロイターに語った。

8月以降、同社のように債務超過に陥る企業が急増し、欧州一の経済大国ドイツを倒産の大波が襲うのではないかとの恐れが広がっている。

ガス料金の高騰、数十年ぶりのインフレ、リセッション(景気後退)の恐れ、冬の燃料不足といったリスクから国民を守ろうと尽力するショルツ政権に、企業倒産という重圧が加わった格好だ。

ドイツの8月のエネルギー価格は前年同月比139%上昇した。

ハーベック副首相兼経済・気候保護相は今月のテレビインタビューで、生活に苦しむ顧客が商品を買わなくなったからといって企業が必ずしも倒産するわけではない、と発言して炎上した。

 

        *        *          *

 

 つまり、世界では地球温暖化をもたらす化石燃料の使用は制限されて高騰

し、ところが、温暖化問題よりも経済を優先するロシアのような国が世界が

自粛して改善した環境へ遠慮することなく温室効果ガスを排出する天然ガス

を売りまくて稼ぐ。こうして、温暖化物質の排出は減ることなく、そして覇

権主義を掲げるロシアは「漁夫の利」を得て、やがて「悪貨が良貨を駆逐す

る」。つまり、地球環境を守るための規制のネットは全ての国を覆わなけれ

ば意味がないのだ。


「人はみんないつか死ぬ」(3)

2022-09-14 22:42:21 | 「第三次世界大戦前夜」

         「人はみんないつか死ぬ」(3)

 

 

ゴダール監督は「自殺ほう助」で死去と仏紙 | 共同通信  

【パリ共同】フランス紙リベラシオンは13日、映画監督ジャンリュック・ゴダールさんは、スイスで認められている「自殺ほう助」により亡くなっと報じた。

Jean-Luc Godard at the Cannes Film Festival in 2004 フランス映画界の「ヌーヴェルヴァーグ(仏語:新しい波)」の旗手として

代表作「勝手にしやがれ」などで知られる映画監督の彼は、自ら「安楽死」

を希望して、スイスでは法的に認められている安楽死を幇助する団体の下で

安楽死した。91歳だった。

 何度も言うが、私は高齢化社会の日本は、もちろん本人に迷いのないこと

が大前提だが、「安楽死」を認めてもいいのではないかと思う。「ピンピン

コロリ」が終末医療の理想であるとすれば、もはや「ピンピン」

を取り戻せることが不可能であれば、苦痛に苛まれた延命治療よりも、自ら

が死を望む「コロリ」を選択することがあっても許されるのではないかと思

う。だって死刑は認めているのだから

 

 


「世界内存在」(2)の続き

2022-09-13 05:34:39 | 「第三次世界大戦前夜」

     「世界内存在」(2)の続き

 

 ハイデガーは、人間が科学技術によって世界を資料・材料にして人間中心

に作り変えることを「存在忘却」、或いは「始原喪失」と言って批判した。

たとえば、今日では録音、録画の技術は科学の進歩によって様々なバーチャ

ル・リアリティ(VR:仮想現実)の世界を再生させることが可能になり、すで

に多くの子どもたちがビデオゲームの中の悪人と闘ったり、怪獣を滅ぼした

りして楽しんでいる。しかし、そこには本来の現実の世界は存在しない。ま

た、アメリカMLBのロサンゼルス・エンゼルスで活躍する大谷翔平選手の

衛星中継で送られてくる映像とは実際は画面上を電気によって動く画素の集

積画像にすぎない。そこには実際の大谷翔平選手も観衆も存在しない。こう

して我々は、実際の存在、つまり事実存在としての大谷翔平には一度も会っ

たこともないのにメディアよって理想(イデア)化された大谷翔平選手の活躍

に感動する。まさしく「存在忘却」である。


「人はみんないつか死ぬ」(2)

2022-09-11 23:22:13 | 「第三次世界大戦前夜」

    「人はみんないつか死ぬ」(2)      

 

 

 同居する要介護4の老人が、

「もう死にたい」と言った。

私はその想いが痛いほどわかった。だから、

「社会秩序や法律なんかよりも、いつでもあんたの意志を優先してやる」と

応えた。そして、

「本当に死にたいと思うのなら、いつでもおれが楽にしてやる」と言うと、

安心したのか静かに眠った。私はそう言いながら、かつてベルナール・

ビュッフェという著名な画家が、パーキンソン病に侵されて絵筆が持てなく

なると、最後はビニール袋を被って自殺したことを思い出したので、部屋中

のゴミ箱に入ってるゴミ袋を取って回った。

 命とは、生か死かの二択ではなく、その間には病という無数の苦しみが横

たわっていた。


「世界内存在」(2)

2022-09-11 15:34:01 | 「第三次世界大戦前夜」

              「世界内存在」(2)

 

哲学者ハイデガーは近代科学に対して否定的であった。彼はドイツ南西部のバ

ーデンヴュルテンベルク州にある西と南をライン渓谷に囲まれたシュヴァルツ

ヴァルト(ドイツ語:黒い森)の標高1000mの高地にあるトートナウベルク

に山荘を建てて暮らし、ラジオ放送でも「我々はなぜ田舎に留まるか」とい

う講演まで行っている。