「ボーダー」⑦
途中になりましたがお断りしておきますが、私は、メンタルヘル
スの専門医でもありませんし、心理学を学んだこともないド素人で
すから、どうかこのブログに記してあることを真に受けて深刻に考
え込まないで下さい。もしも、あなたに当て嵌まる症状があれば迷
わずにメンタルヘルスの専門家のカウンセリングを受けるべきです。
その前に予備知識として以下のブログを参考にするのもいいでしょ
う。斉藤学氏はメンタルヘルスの第一人者です。
さて、近代社会がもたらした個人主義は、それまでは共同生活の
中で忘れることができた虚無感も個人で解決しなくてはならなくな
った。当然のことながら、物質文明は精神、つまり宗教からの離脱
を促します。かつて、中世西洋社会では神への信仰が孤独を救って
くれたが、ニーチェが神を殺してからは、思想界には無神論が席巻
して凄まじい勢いでペシミズム(厭世観)の風が吹き荒れました。孤
独とはただ独り在ることではないのです。孤独とはペシミズムとの
戦いなのです。ペシミズムの旗を掲げて「生きることは無意味だ」
と叫びながら襲って来るのは、もう一人のあなたです。いや、あな
たの理性と言ってもいい。あなたは他者の助けを借りずに独りで立
ち向かわなければならない。孤独とはもう一人の自分との戦いなの
です。
その戦いを、生きようとする本能と無意味だと言う理性の戦いと
しましょう。この戦いが本能にとって不利なのは、本能は言葉を操
れないことです。本能は「在るべきか、在らざるべきか」などと思
考しないからです。つまり、思考こそが理性のホームグラウンドな
のです。ただ、本能が理性を駆逐することができるのは、生命その
ものだからです。生命そのものが本能のホームグラウンドなのです。
思考といえども生命に宿っています。そこでは「是非」を問う言葉そ
のものが無意味なのです。つまり、生命に「生きること」の是非を問
うこと自体が無意味なのです。生命に従いませんか?
(つづく)
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