「〒」―②
この四月で一年半働いていた「〒」を退職しました。そもそも非
正規だったし、その体質に馴染めず半年前から退職願を出していた
のですが、代りが見つからないということでズルズル延ばされてい
ました。それは当然のことで、休日関係なしの一日置きの勤務で月
に15日しか出勤しない上に6時間の勤務時間では暇を持て余して
いる年金受給者くらいしか働く気にならないでしょう。ただ、それ
にも理由があって、詳しくは知りませんが年収100万を超えると
社会保険に加入させなければならなくなって、当然会社もその半分
を支出しなければならないので、実際、高度成長期に約束した年金
の支払いが経営を圧迫しているという話は聞きましたが、そこでそ
のような変則的な勤務を考えたようです。だから給料から天引きさ
れているのは雇用保険のみです。そもそも一日6時間勤務というの
は休憩時間を与えずに働かせることができる限界で、一分一秒でも
超過すれば会社は休憩時間を確保しなければならなくなります。す
ると実におかしなことが起こってきます。当然、宅配便などの配達
は様々な事情によって時間通り終えることができない場合もありま
す。結果、残務処理などをして所定の勤務時間を超えてしまうと、
仕事を終えた後に45分の休憩時間を取らなければならなくなりま
す。しかし、そもそも休憩時間とは勤務の間で取るものではないで
しょうか。まあ、休憩時間なんだからと思って帰ろうとすると休憩
時間を消化するまでは局内に留まるように注意されます。最早それ
は休憩ではありません、拘束そのものです。そもそも労働法で休憩
を与えることが決められているのならそれは労働者の権利であって
、休憩するかしないのか選択は一に労働者自身に委ねられている。
もちろん会社が休憩を与えないというのは論外だが、終業後の有難
くない休憩を放棄する権利さえも労働者にある。会社には休憩を奪
う権利もなければ、終業後に休憩を強制する権利もない。休憩室で
時間を潰しながら、いったい何のために休憩しているのだろうと馬
鹿らしくなった。当然、時間給なので休憩時間は無給扱いです。こ
のような馬鹿らしい本末転倒した考え方が到る所で見受けられる。
これまで親方日の丸の下で労使間で培われてきた悪い意味での公務
員体質から抜け出せず、建前主義が未だ見直されずに当たり前のよ
うに営まれている。以上の様なことはその一端で、誰一人おかしい
とは思わない。万事がそんな調子で、対立する労使の視線に顧客の
姿など見えていない。しかし、そもそも宅配事業はサービス業のは
ずではなかったか。すでにインターネットの普及によって郵便事業
そのものが右肩下がりで減少しているのは各国共通で、それでも一
方ではネット販売による物流は増えているにもかかわらず、顧客満
足、利潤追求、社員待遇の優先順位が転倒してしまって、大手が繰
り出す猫パンチに対応できずに手を拱いている。来年には100%
政府保有の株式が一般公開されるようですが、「絶対潰れる」と言
うと、組合員から顰蹙を買って村八分にされ、より一層その思いを
強くした。何だ、民主党はこんな団体からの支持を当てにしていた
のかと思うとダメになるのも宜なるかなである。たぶん、古くは国
鉄、最近では日航、JR北海道のようになるのは火を見るより明ら
かです。その「便り」をパソコンで目にする日もそう遠くないこと
でしょう。
(おわり)