「あほリズム」34~40

2010-08-05 23:17:17 | アフォリズム(箴言)ではありません
            「あほリズム」


             (34)

     「カネカネカネ」 そのひぐらしの 今朝の声


             (35)


 例えば、優れた政治家が現れて、閉塞した今の日本社会を、経済

を建て直し、国際社会での日本の地位を高めて、その手腕によって

日本が見直されるようなことがあったとしても、いずれ大衆と乖離

して理解されず、遂には島流しにされるか、或は彼が大衆を見限り

独裁者になることだろう。

 つまり、何れにしろ大衆を越える政治家は現れない。


             (36)


 子供の頃、昆虫取りに夢中になって、狙っていた昆虫を捕獲した

時の歓びは飛び上がらんばかりだったが、程なくその昆虫が動かな

くなり哀れな屍骸となって転がっているのを見ると、いったいあの

歓びは何だったのかと、歓んだ分だけ心が痛んだ。人の歓びは何時

も一時ですぐに動かなくなり、我々は思い出の屍骸に囲まれて生き

ている。


             (37)

 民主主義は失敗する。確かにその通りでしょう。しかし独裁主義

による失敗よりはましではないか。それを我々は失敗から学んだ。



             (38)

 ものの価値はものにはない。総ての価値は我々の気紛れな欲望か

ら生れる。ところが我々の欲望はものを手に入れた途端に消え失せ

てしまう。だから我々は何時まで経ってもものの価値が解からない

のだ。

 
             (39)

 経済が成長できないのにはそれなりの理由がある。もう欲しいも

のなどないのだ。否、将来不安のため金だけは欲しい。そんな時代

に消費が増えるわけが無い。だから庶民の多くは安売り大歓迎、デ

フレ結構なのだ。すでに我々は山を降り始めているのだ、登った時

に捨てたゴミを回収しながら。


                 (40)


 我々がゴミを拾い集めながら降りていると、中国を始め新興国の

人々が楽しそうに歌を唄いながら、ゴミを撒き散らして登ってくるで

はないか。