「あほリズム」(78)~

2010-11-02 03:55:27 | アフォリズム(箴言)ではありません
          「あほリズム」


            (78)


 独居老人の「孤独死」が社会問題になっている。しかし、果たし

て孤独で無い「死」などがあるだろうか?如何なる「死」も孤独で

はないか?縦(よ)しんば、古(いにしえ)の王のように側近たちを

道連れに殉死させたとしても自らの「孤独」から遁れられるわけで

はない。ただ死際だけを他人が看取ったからといってその老人の

孤独が癒されるとは思えない。逆にそのことの方が孤独な人生を

浮かび上がらせはしないだろうか。老人は孤独に死んだのではな

い、自分の孤独を生きてきたのだ。



               (79)


 社会は人の「死」まで穢してはならない。何故なら、「死」こそは

我々に残された唯一の孤独なのだ。



               (80)


 たとえ70億の人々に惜しまれながら命を絶えたとしても、或は、崖から

滑り落ちて独り山中で息絶えたとしても、私自身にとっては同じ「死」であ

る。


               (81)


 「死」 とは我々が生きていて唯一自分に起ると確信できるもの


              

               (82)


 我々は社会からばかり「死」を見ていて自分自身の目で自分の

「死」を見ようとしない。


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