「パラダイムシフト」(3)

2011-06-03 02:03:52 | 「パラダイムシフト」





            「パラダイムシフト」(3)

 菅政権を巡る一連の政治闘争は、内閣不信任案の否決によって一

様決着したかのように見えるが、もちろん、そうはならない。一度

辞任を口にした内閣は「死に体」となって権力を失う。 ここでは

敢えて震災、原発事故は措いて、政界の権力闘争について思うとこ

ろを記すが、菅総理は、記者会見で若い世代へ引き継ぐ意向を口に

した。それは明らかにアンシャンレジュームのヒエラルキを解体し

ようと思っているのだろう。しかし、考えて見るがいい、例えば三

十代、四十代の総理大臣を。果たして、序列に縛られたこの国の人

々がそんなリーダーを受け入れるだろうか?だが、最早、過去の繁

栄しか頭に浮かばない老いさらばえた老害の保身に汲々とする臆病

な継続から新しい時代が生まれることはないだろう。菅直人が一貫

し志しているのは門閥や序列といったヒエラルキ(序列秩序)の破壊

に他ならない。予期せぬ震災や原発事故に見舞われて、新政権にと

っては経験不足から対応の不手際は否めないが、しかし、敢えて言

えば、果たしてそれらは菅政権の責任なのだろか?とは言っても、

現体制の破壊を志向するリーダーの下に既得権にしがみつく官僚や

政治家が足を引っ張らないまでも揚げ足を取って協力を惜しむのは

明らかだった。菅直人は守旧派との姑息な駆け引きなどせずに、議

員の決断に委ねて正々堂々と不信任案の採決に委ねるべきだった。

そもそも、国民には見えない議場の外での根回しや裏工作などとい

った馴れ合い政治こそを倦厭していたはずではなかったのか。不信

任決議案の否決は、仮に成立した時よりも政治の混迷をもたらすば

かりではなく、それは菅政権だけでなく、鳩山会談の覚書に反して

、かつての村山社会党政権のように、民主党そのものを崩壊へと導

くだろう。そして、我々国民は迷走する政治に翻弄されながら、既

に富を使い果たして、三度目の失われた十年を更新しようとしてい

る。若い世代の人々よ!我々は君たちに引き継ぐべき何もかもを失

ってしまった。しかし、何も無いというのは新しい何かを生むため

の大きな契機ではないだろうか。君たちは、君たちの望む社会や生

き方を、過去に縛られることなく、破廉恥を恐れずに生きてほしい

。そして、五十を越えた怖じけづいた大人たちが語る常識を疑え。

何故なら、譬え失敗を繰り返ししても、その失敗から学んで、君た

ちは君たちの新しい社会を創らなければならないからだ。新しい社

会は、きっと我々の常識の外にある。 私は、君たちに期待する、

是非この国を変えてくれ!

                        (おわり)



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