「アブラの冬」④
アメリカは、恐らく、イスラエル軍によるイラン国内のある核施
設へのピンポイント爆撃を容認するだろう。それには大事なのは季
節で、暖房に使う石油の消費が減り、冷房に使われる電気需要が
増える前のこの時期でなければならない。そして何としても大統領
投票前に決着を付けなくてはならない。アメリカによる北朝鮮への
食糧援助などの働きかけは、その為の布石である。つまり、東アジ
アを音無しくさせておかなければならないからだ。この唐突とも思え
る米朝合意はその時期が迫っていることの証ではないだろうか。と
ころが、北朝鮮はイランとも繋がっていて、アメリカとイランの双方を
天秤に掛けた瀬戸際外交をし始めた。北朝鮮は長距離ミサイル発
射実験とみられる「衛星」の打ち上げを予告した。早速「米国務省の
ヌランド報道官は16日、打ち上げが実施されれば、北朝鮮の核実
験停止などを含む2月29日の米朝合意が無効になると指摘。『北朝
鮮もそれは理解している』と強調した。」[ワシントン16日ロイター]
しかし、北朝鮮がいくら揺さぶったところで、イスラエルによるイラン
攻撃に大した影響は与えることはないだろう。ただ、原油価格は
暴騰するだろう。その結果、世界経済は大きな打撃を受けることに
なり、長引けば、とりわけ日本経済にとって深刻な事態になる。最
悪の場合は、デフレ不況の下でのインフレ―ション、つまり、スタグ
フレーション(不況とインフレが同時に進行する)に襲われる。
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