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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『京都市ジュニアオーケストラ・コンサート』-広上淳一指揮でビゼー『アルルの女』とベルリオーズの定番『幻想交響曲』の迫力演奏の後は地元で食事!

2017-02-06 23:23:31 | 音楽

           【 2017年2月5日 】     京都コンサートホール 大ホール



                     
                              【 植物園北門近くの北山通 】

『京都ジュニアオーケストラ』は京都市の10歳から22歳までの若者で構成された交響楽団である。聞きなれた曲を《どんな演奏》をするかと興味深々に聴きに行く。それがなんと、予想以上の素晴らしさだった。広上淳一の全身を使った指揮棒から繰り出される音楽は、音量も技巧も大人顔負けの演奏で、迫力満点の圧倒的スケールで迫ってくる素晴らしいものだった。

 ビゼーの『アルルの女』を、第1組曲、第2組曲を通して全曲聴くのは何十年ぶりだろう。今持っているCDは一部が省略されていて、アダージョやパストラルは収められおらず、8曲とも入った、昔聴いたレコードはもう手元にはない。だから、懐かしさもあったが、それ以上に今日の演奏は素晴らしかった! サクソフォーンとフルートの独奏部分も、ものおじするどころか堂々として立派な演奏だった。
 最後の「ファランドール」が終わると、会場中から鳴りやまぬ拍手。見渡せば、会場内には空席がほとんど見当たらない。演奏者が《ジュニア》だから、その親や家族が多く来ている事もあるかもしれないが、それにしてもすごい。京響の定期演奏会でもこれだけの人が集まることはめったにない。
 
                             


 休憩をはさんで、2曲目は交響詩『幻想』である。この会場でも、何度も聞いた《大好きな曲》である。ベルリオーズが《音の魔術師》のようにオーケストラのそれぞれの楽器の特徴を見事に引き出し、《ハーモニーの調和》と様々な《演奏技巧の妙》が詰まったこの曲を、どう奏でるか、興味津々だったが、見事の一語に尽きる。

 指揮台で踊る広上淳一に一歩もひるむことなく、堂々と演奏し切った。またまた鳴りやまぬ拍手。かつての『幻想』の名手『ピエール・モントゥー』も真っ青に違いない。

                          

 広上淳一が、話のため、遮ることがなかったら拍手は鳴りやむことがないように思われた。
 
 パンフレットの裏表紙に印刷されていた「出演者名簿」を見ると、11歳から22歳までの年齢が並んでいる。同志社女子大や立命館大学、京都産業大学の交響楽団の定期演奏会に出かけた時にも感じることだが、彼ら彼女らは学生(生徒)であり、他の学生と同じように勉強をしながら、その生活の一部として互いに寄り合い、演奏活動をしている。ただ、皆が同じように、所来音楽家になることを目指しているわけではないという。【全員が同じようにプロになれるはずがない】とい諦めからではなく、医者を目指したり、弁護士を目指す人も、会社を経営したい人、サラリーマンになる人、といろいろいるという。また、物心着いた年頃から練習を始めた人もいれば、そんなに小さいころでなく大学に入ってから参加した人もいるという。それが、どうしてあんなに素晴らしい演奏が出来るのか不思議でならない。
 【演奏ができることに驚く】というより【そのことに熱中できる】ことに驚くのだろうか。

 コンサート会場でいつも感じる【驚き】の根底にあるのは、会場の外の電車の中や、テレビで見る《現代の若者》の姿とのギャップにある。コンサートの会場に来ると、日常の周囲にあるそれらとは違った【何か別の希望】を感じるのだ。


       〇          〇          〇

 興奮さめやらない後の夕食は、久しぶりに地元のレストラン『ルルソンキボア』(酔いどれ子熊の意)へ。コンサートホールから歩いて6〜7分の距離の『深泥池』近くの同じ場所に、40年以上前からあるレストランだ。
 以前に来たのは、いつだったろうか。もうだいぶたつ。

 あらかじめコースを注文しておいた。だが、こんないい気分で食事をできるなんて思ってもいなかった。それだけ、さきほどの演奏が最高だった。


       ←【 京野菜をふんだんに使った前菜 】
                   【オードブルのチーズ盛り合わせ】→

 気分がいいので、ワインを奮発してしまった。一番安いものかグラスワインくらいにしておこうと思っていたが、どうせ2人で飲むならとボトルの方がいいと、《ボルドー》の味のしっかりしたフルボディーをたのんでしまった。やはり普段飲んでいる《安物》とは違い、《香り》も《におい》も《味の深み》もまるで違い、顔を見合わせる。
 本来ならデザートの代わりに最後に出るが先に出してもらうはずのチーズの盛り合わせの、ワインのつまみとして先に出してもらった。これがまた絶品!

                          ←【 ボルドーのフルボディー 】
                     【 紫芋のスープ - 絶品 】→

 アツアツの紫芋を使ったスープもおいしかった。グリッシーニが添えられている。

          ←【 ムール貝を添えた魚料理 】

 魚料理は「スズキ」を使ったものだったか。初めてイタリア旅行に行った時の「スズキの料理」を二人して思い出した。

                              ← 【 口直しのシャーベット 】

 肉料理は、【地元、大原産の鹿肉料理】か【米沢産の牛肉】かという選択だったが、結果として「鹿の肉料理」の方を選べばよかった、と思った。料理に堪能しながらグラスを傾けていたら、”セーブ”していたにもかかわらず、この時点でボトルが空いてしまった。仕方がないので1杯だけグラスワインを追加する。

              【 山形牛を使った肉料理 】→ 

 最後は「カプチーノ」で、あっという間に2時間が過ぎる。

                   ←【 カプチーノ 】


 今晩は雪が降るという冷え込みにも拘らず、ほろ酔い気分で寒さも感じず、家まで歩いて帰った。




     『ルルソンキボア』-公式オリジナルサイト





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