【 2015年6月17日 】 京都桂川 「イオンシネマ」
漫画が原作らしいが、それは見ていないので、この映画を見ての感想になるが、人物描写・ストーリー展開とも巧みで長時間にもかかわらず退屈させない。
鎌倉の古い民家に三人の姉妹が住んでいる。そこに、父親の死亡の知らせが。その父親というのが、不倫をしたあげく三人姉妹の母親と別れ家を出て行ってしまった。その二番目の妻との間に四番目の娘をもうけたが、その妻とも別れ、三度目の結婚をして、その逃避先の山形県の温泉街住んでいたが、連れ子の四女を残して亡くなったという。
末期の父親の看病をしたのは3人目の妻ではなく末娘だという。
四女を交えての鎌倉での生活が始まる。
三人三様の性格描写が面白い。それと自身の存在を否定的にとらえるが、姉たちよりも礼儀正しく賢く明るくふるまう末娘。
山形の温泉街のことは知らないが、鎌倉は、横浜の実家に住んでいたころ、夏の週末には自転車に乗ってたびたび出かけた土地である。市内から鎌倉街道を南に進み、大船に出る手前で北鎌倉を通り、坂を超えて鶴岡八幡宮のわきを通り抜け『若宮大路』をまっすぐ走り抜け横須賀線のガードの下を通ると海の匂いが頬をなで、正面に鎌倉の海が広がる。
『由比ヶ浜』を『稲村ヶ崎』にむかって進み、『七里ヶ浜』が目の前に広がると、その向こうに『江の島』が見える。何度も見た光景だ。
『七里ヶ浜』から『稲村ヶ崎』あたりまで海沿いを道路と並行に走っていた『江ノ電』は、そこから海と道路を離れて山側に入っていく。『極楽寺駅』は『稲村ヶ崎』から1つ先の駅である。だから、『極楽寺駅』あたりには行ったことがない。こんな場所が「鎌倉にあったんだ」と思う。
長女の恋と、町工場の中の「信用金庫」の存在など、何気ない気配りが感じられ、物語の奥行きを感じる。
脇役陣が個性豊かで味わい深く、なかなかの作品である。
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