【 2022年8月18日 ~21日 記 】
いずれもドキュメンタリー映画で、前者は長崎の被爆者を追った英国人による同タイトルの本の映像化であり、後者はテビでも放映された、中村哲さんの劇場版ドキュメンタリーである。
『長崎の郵便配達』は、友人のYAさんから紹介されて見に行った。上演館がいつも行くミニシアター(京都シネマ)ではなかったので気が付かなかった。
小学校の跡地に開発された文化施設『新風館』という中にミニシアター「UPLINK京都」がいつの間にか開設されていたが、若者が行く場所だと思い込んでいて、今まで1度も入ったことがなかった。行ったら、すっかり綺麗になっていてハイカラな店が並びおどろいた。映画館はその建物の地下1階にあって地下鉄のホームから直接いけるようになっている。
一乗寺の『京一会館』がなくなって寂しい時期があったが、これで『京都シネマ』にここ数年で『出町座』ができ『京都みなみ会館』も新調されて、ミニシアターが一気に増えて、映画館をあちこち走り回らなければならず、忙しくなった。(嬉しい悲鳴である。コロナが速く治まって、それぞれの映画館に人が沢山集うようになりますように!
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内容紹介は、それぞれの「公式サイト」の予告ビデオに譲るが、この時期だからこそ感じることの多い内容だった。
この元英国のパイロットだったというタウンゼントという人、すごい人生を歩んだ人なんだなあ。その娘が父の小説を追い、ドキュメンタリーに繋げるなんて感動的。
それに比して、日本政府のだらしのないこと! なぜ簡単なことができないかと思う。
このドキュメンタりーをみて、以前見た写真展の事を思い出した。占領軍従軍カメラマンのジョー・オダネルという人が来日して、個人的の撮影したその写真が後に公開された『トランクの中の日本』という写真展を見に行った。
同じように、戦争の悲惨さが映し出されていたが、その中の1枚がひどく印象に残っていた。原爆はもちろんのこと民間人を巻き込む戦争は絶対に許されないと。
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もう一方の中村哲さんの方は、テレビでも何度も見たが、やはり【百の診療所より1本の用水路を】に至る葛藤と、それを踏み越える迷いない行動と実践が胸に迫る。
そのかけがいのない人を銃撃して殺すなんてどんな社会だと思う。
同じ頃、たまたま『告白-あるPKO隊員の死』と言う本を読んでいた。こちらはアフガンではなくカンボジアへ日本のPKOが初めて派遣されたときの話である。《日本はお金だけ出して人的貢献をしていない》と諸外国から非難されていた頃、充分な論議もしないでにわか作りの体制で自衛隊を海外に初めて派遣したときのことだ。中田さんという国連ボランティが殺害されたこともあって当時のことはよく覚えているが、無防備の警察官がカンボジアに派遣され殺害されていたことは知らなかったし、大ぴらな報道もなかったと思う。
中村哲さんにしろ、中田厚仁さん、高田晴行さんにせよ、高い志しを持った人が殺害されるなんていたたまれないが、それがいい加減な判断の元で起こったとしたら、許されることではない。
憲法9条をもっと大事に運用してもらいたいと考える。
『長崎の郵便配達』-公式サイト
『荒野に希望の灯をともす』-公式サイト
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