「24年産米 南相馬作付見合わせ」の大きな見出しで今朝の新聞に記事が載っていました。
昨日10日に開催された南相馬市地域農業再生協議会の臨時総会で、平成24年産米の作付を市内全域(約4,700ヘクタール)で見合わせる方針を決めたということです。国の作付方針がまだ示されていないので、国の方針が決定した後再度協議し正式に決定するそうです。
昨年も作付を見合わせているので2年連続で作付をしないことになります。
23年産米を作付しなかったことで放射性物質の検査ができなかったし、市内の水田の土壌が1.0kg当たり1000ベクレルを超える水田が多いため、食品衛生法の基準が1.0kg当たり100ベクレル以下に厳しくなることも踏まえて決めたそうです。米への放射性物質吸収量はたしか土壌の10%程度とされていますので、100ベクレルを超える米が多くなることが予想されます。高い放射線量を示している水田も上流に位置していますので、作付を行うと放射性物質が低線量地域に流れてくるのも想像できます。
市では25年産米作付までに、土壌調査と徹底した除染を行い、各地に試験圃場を設けてデーター収集をすると言っています。どのような除染を行うのかはまだ決定していない状況ですので、今年中に全地域の除染が終了するのか疑問に思いますが、安全・安心で以前のように「おいしい」と言ってもらえる米が作れるように頑張っていただきたいと思います。
わたしもそうですが、昨年米の作付をしなかったことで農家のモチベーションはかなり下がっています。「もう農業やめようか」「米はもう作りたくないな」なんて言う人たちが多くなっています。兼業農家はさらに深刻です。南相馬市から移転した会社が多く、農家をやる人材も会社と一緒に異動していってしまい、荒れ果てた農地がそのままになっているところも多く見られます。年寄頼みの農業ですが、年寄もたちも農業をやらない状態が続いて体を動かしていないので、急に老け込む人が多くなっています。今年中に除染が終了し、25年産米の作付が決定してもはたしてどれだけ正常に作付に取り掛かれるか不安いっぱいですね。
稲の育苗箱用の土も1年間放置したままで、また一年間そのままで置かなければなりません。機械も動かしていないまま1年が過ぎてしまいました。
「来年に向けて整備をしておかないと」と思うのですが、身体がやろうとしません。
身体がもう米作りをやめたがっているのを実感します。