今日の新聞に、平成24年産米の放射性物質の全袋検査がおくれている影響で、地元産の酒米を原料にしている県内の酒蔵の内中小規模の酒蔵が新酒の仕込みに入れないでいる記事が載っていた。
例年だと酒蔵の米倉庫に山積みになっているはずの米が空っぽの状況だそうです。
例年、各酒蔵は年末に合わせて新酒を完成させる予定で、早い蔵は9月下旬から、遅くとも11月頃までに日本酒の仕込みを始め、12月には新酒を店頭に並べているそうです。
今年は、新米の放射性物質の全袋検査が義務付けられているので、検査を受けなければ使用することができません。
東京電力福島第一原発事故の影響を受け、福島県は24年産米で放射性物質の全袋検査を実施して出荷することを決めました。日本酒の原料となる「チヨニシキ」「五百万石」などの酒米も「酒造好適米」として一般米や加工米と一緒に全袋検査を受けることが義務付けられています。検査を通過した玄米の多くは全農県本部の精米所で精米され、白米として各蔵元に搬送されるそうです。
今年は全袋検査の影響で、各酒蔵に酒米が届くのが数週間から1カ月程度遅れているようです。酒蔵から注文を受けた4万トンのうち、注文のあった酒蔵に届いたのは21日現在でわずか30トン程度。通常この時期は600トンほどが行き渡っており、今年は例年の5%と大幅に遅れているそうです。
昨年は風評被害で福島県の酒も大被害をこうむりましたが、今年は政府のあまい考えで死活問題に追い込まれています。
福島県の酒蔵でも、例年一番忙しい時期を迎えていますが、原料となる米が入手できないんでは仕事になりませんね。日々の遅れが本当に死活問題に発展してくると思います。
放射性物質を検査する機械も台数が限られているいるだろうからどうしようもありませんが、この状況を予測できなかった政府や県の責任は重大です。これも想定外なんですかね。
福島県の米農家も困っています。
福島県は全袋検査の対象を約1200万袋と見込んでおり、現段階で検査が終了したのは3割程度の400万袋強。残りの7割近くは今後、検査される。 「出荷のピーク時を過ぎれば、検査が滞っている部分も解消できる」としているが、大量の検査待ちのコメを抱え、年内に検査を完了できる可能性は「ほぼない」とする関係団体もあるようです。
新聞やテレビのニュースでも米の全袋検査は年内には終了しないだろうと言われています。新米として販売できるのは年内で、年を超えると新米とは言われないそうです。せっかく苦労して収穫しても新米で販売できないなんてあるんでしょうかね。新米の時期を過ぎると価格にも響いてくるので、米農家にとっても死活問題になってきます。
昨年は風評被害。今年は風評被害と検査遅れのダブルパンチで農家を痛めつけています。
先日、野田総理が福島県を訪れて、「福島の米を国の機関で積極的に使用していく」と言ってましたが、たかが知れた量では何にもなりませんよ。