今日、会社の帰りに友人の自宅のあった場所に立ち寄ってみた。
3月の友人の父親の葬儀の帰りに花を手向けに寄ってからだから7ヶ月ぶりの訪問です。毎日通勤途上に津波から生き残ったモミの木だけは見ているのですが、家の基礎だけが残った小高い丘の上はどうなったのか確認してみました。
家の基礎はきれいに取り除かれて整地されていました。もうあの家の面影はどこにもありません。かろうじて庭の痕跡が残されているだけです。
家の周りの以前畑だった場所が耕されて畑が復活していました。モミの木には今回行われたプロジェクトの案内が取り付けられていました。
「菜の花で みんなの笑顔 みんなの元気をふるさとに!」
俺が秋田に行った10月6日(土)に、地元雫(しどけ)地区の皆さんや相馬農業高校の生徒や先生、ボランティアの皆さん約120人が集まって菜の花の種を蒔いたようです。
俺も参加したかった~!!
この場所は遠くから眺めると海をバックにして小高い丘になっています。そこにはポツンとモミの木が3本とけやきの木が1本だけ立っています。うっそうと茂っていた松の木は全て流されてしまいました。この残ったモミの木がこの地のシンボル的になっています。その周りを菜の花の黄色い花で覆うなんて考えは素晴らしいですね。春にはこの何もなくなってしまったところが一面黄色のじゅうたんに染まることでしょう。
以前ここには2軒の家が建っていました。3.11の大津波により跡形もなく流されてしまいました。そして、4名の尊い命が失われてしまいました。いまだに2名の方が行方不明のままです。亡くなられた皆さんもこの黄色い菜の花に囲まれてうれしく思うことでしょう。
この地に立っていると波の音が「どど~ん」と聞こえてきます。目を閉じると恐怖が押し寄せてきます。この地で生活している方は沈みがちな気持ちのまま生活しています。来年の春、ここが菜の花の黄色いじゅうたんで埋め尽くされ、みんなの「笑顔と元気」が戻ってくることを願いたいです。
もう菜の花は芽を出しています。
多くの方が力を合わせてみんなの笑顔と元気のためにがんばったプロジェクト。
来年の春が楽しみです。