遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

重陽

2019-09-09 16:04:52 | 日記
令和元年9月9日(月)

重 陽 : 菊の節句、菊酒


今日9月9日は重陽の日、五節句の一つ
正月7日 ; 人日
3月3日 : 桃の節句
5月5日 : 端午の節句
7月7日 : 七夕
9月9日 : 菊の節句

元は中国の行事で、九は陽数、九を重ねるから
「重陽」「重九」という。
菊を特にこの日の花として、菊の節句、菊の日
等という。
古くは、菊の節句は宮中を中心に非常に盛んで
あったが、明治以降急速に廃れ、現在では地方
の一部に名残を留めているに過ぎない。

菊酒

菊の杯

京都嵐山に在る「法輪寺」では、9月9日に
重陽の「菊の節句」が催される。
菊の花に着せ綿を行って、菊の花の雫から霊薬
を得られ、長寿を保つと伝わる「長寿祈願」が
行われる。

嵐山法輪寺、重陽の節句

法要は「菊慈童」の像を祀って営まれ、菊に
ちなんだ謡と舞が奉納され、山腹の寺院に
趣を添える。

台風15号は、昨夜未明に静岡沖より更に
東へ進路を変え、東京湾を直撃、、、、
千葉県に上陸し、速度を速め北へ進み、東北
の沿岸を北進中、、、。
今朝の東京周辺の鉄道、空の便は大混乱し、
通勤の足を奪ったようです。
送電線が倒れ、東京電力管内で、数万個が
停電、灯りは基より、この日は真夏日となり
冷房の儘ならぬこの日、熱中症が心配される。

東海地方への影響は少なく、昨夜はベランダの
置物等を部屋に移動、、今朝、直ちに元へ。


俳人の名句

重陽の改札口にもたもたす    伊規須 富夫


蛍草、菜々の剣

2019-09-08 19:07:52 | 日記
令和元年9月8日(日)

蛍草、菜々の剣

NHKBS時代劇 : 葉室 麟 原作


父が無念の死を遂げ、家断絶、母親の郷で暮らす
16歳の菜々は、身分を隠し風早家に女中奉公する。
主の風早市之進は鏑木藩の上士、妻女と二人の子、
下男との平穏な暮らしの中、妻女の病死と、藩の不正
を暴かんとする市之進は同役等の陰謀で投獄、、、
次々と起きる不運の中、菜々は二人の幼子を連れて
屋敷を出される、、、、。

キャスト

安坂 菜々     : 清原 果耶

風早 市之進    : 町田 啓太

   佐知     : 谷村 美月

   正助     : 山下 心煌
   とよ     : 田中 乃愛

再婚相手 雪江   : 南沢 奈央


轟 平九郎     : 北村 有起哉
日向屋孫右衛門   : 本田 博太郎

壇浦 五兵衛    : 松尾 諭

質屋女主人お舟   : 濱田 マリ
椎上 節斎     : 石橋 蓮司
涌田の権蔵     : 宇梶 剛士
柚木 弥左衛門   : イッセー緒方


鏑木 勝重(前藩主): 中原 丈雄
   勝豊(藩主) : 中山 麻聖

ストーリー

16歳となった、菜々は身分を隠し、百姓の娘
として、風早家へ女中奉公をした。
鏑木藩上士の主、市之進と妻女の佐知、嫡男の
正助(4歳)、妹とよ(3歳)と下男の甚兵衛
の暮らしはとても平穏で、皆それぞれが優しく
失敗続きの菜々を大事に扱ってくれる、、、。

菜々の父親は同役であった、轟平九郎に騙され
在らぬ濡れ衣を哉されて切腹させられ、家断絶
止むなく母の実家で暮らす、その母も病死する
間際に、平九郎への恨みを言い残し、短刀を
菜々に手渡した、、、、。

菜々は月に一度、母の郷へ野菜を貰いに出かけ
その帰り道で、空腹に倒れる浪人者を助け、、
近くの茶店で、ナケナシの金子で団子(60本)
を食べさせてやる。(その後その浪人は藩の剣術
師範として迎えられる事となる。)

或る日、風早家を訪ねて来た武士の顔をみて、
父の仇の轟平九郎と知り、菜々は驚愕する。
市之進は、藩内に於いて、豪商の日向屋が江戸屋
敷へ金子を用立てる不正が在ると、国家老、目付
や轟平九郎の面前で直訴するが、、、退けられる。

そんな頃、病弱な妻女の佐知が寝込み、医師から
労咳であると宣告され、高価な高麗人参をと、、
市之進は家宝の茶碗を菜々に渡し「これを質に入
れ金子を調達して欲しい」と、、
質屋の女主人お舟に交渉し、薬を手にする。
容体が良くなった頃、子等の姿が見えず、雨中を
探索するうち、再発し高熱を出し、帰らぬ人となる。
死の間際に菜々を呼び、「主と子等を頼む、、、」

佐知の残した蛍草の押し花を手に、、、

或る夜、市之進の同輩の4人が轟平九郎を待伏せ
るが、返り討ちに会う。手傷を負わされた一人、
桂木仙之助は、平九郎に脅され「闇討ちは市之進
の指図によるもの
との口書を提出させられ、市之進は投獄される。
数日後、菜々と子供達は家を追い出され、、、
止むなく質屋のお舟を頼り、あばら屋を借り受て
住まう。裏手に住む椎上節斎(死神先生)は子等に
儒学を教えて居り、菜々は昼間、子等を彼に預け、

お舟に大八車を借りて、母の実家から野菜を仕入れ
売り歩く、、、 やっと客が付いた頃、地場の権三
親分が子分を引き連れ、「所場代を払え」と脅す。
出て来た幼女のとよが権三に小石をぶつけると、
権三は急に大人しくなる(権三は流行り病で亡く
した、とよと同い年の娘を思い出し、とよに重ね)
明くる日権三は、大工、左官を連れて来て荒家の
修理をし、「昨日は済まなかった」と謝った。

菜々は母の家から遺品を取寄せ、父の荷の中から
平九郎の悪だくみの証を見つける。
聞きつけた、平九郎が訪い、証を出せと脅し、、
目の前でその書面を焼いた。(実はその写しを
死神先生に書いて貰い、保管してあった)


捕獲された市之進は、江戸送りをされる、、
途中、囚人等が城下に判れを告げる為「一本松の
ある場所」で、菜々は市之進の籠が止まるのを
待ち、佐知の好んだ「月草の和歌」を大声で詠い
市之進がそれに気つき、目線で別れを告げた。

そんな頃、市之進の再婚相手であった雪江が訪れ
嫌がる子供達を「私が育てます」と無理やりに
連れ出していった。


「市之進自ら罪を認めれば、死罪を免ぜよう」と
雪江を騙し、菜々を説得させ、菜々は動揺するが、

市之進の命が助かると信じ、涙ながらに了承した。

後日、師範の壇浦五兵衛が菜々を訪れ、「市之進
は出獄出来ない」と告げられる、、悲嘆にくれる
菜々は、雪江に自己談判するが、雪江は騙された
と悟るが、、、 帰路、新藩主のお国入りの際に
御前試合が催される事を知り、五兵衛に「御前
試合の後、私の仇討ちの許可をお願いして下さい」
と頼む。藩主らは反対するが、日向屋と前藩主が

「帰り討ちにすれば何もかも消える」と賛意
を示す。

菜々の周りの善意の仲間達は心配するが、決死
の覚悟の菜々は五兵衛に真剣での指導を願う。

五兵衛は「真剣は命を捨てる覚悟、技よりも気
の充実を、、」と指導が始まる、、、。

仲間が心配する中、御前試合の当日が来た、、


仇討ちが始まり、菜々は2度3度と打ち込むが

軽くあしらわれ、平九郎は「遊びはもう終わり
だ」と、菜々の剣を弾き飛ばし、、、ひるむ
菜々の頭上に真剣が、、この時、必死の菜々は
形見の短刀を取り、剣を受け止める、、、


懸命に押し返し、一瞬のスキを見て菜々は懐の
父の証書を手に、新藩主に走る、、、

直ぐに取り押さえられるが、国家老の柚木弥左
衛門が証書を取り、新藩主鏑木勝豊に手渡す。
「殿、何卒御目通りを、、、、、」

前藩主の勝重は「無礼者」と、 然し勝豊は
「藩主は私で在る」とこれを一喝、、、、

菜々に「必ず吟味いたす、、」と約束した。

一か月後、轟平九郎は切腹となった。
何故か一言も弁明しなかった。 幼い頃に
孤児だった自分を育ててくれた日向屋への
恩義を胸に秘めたまま、、、、。




菜々は、お舟等の慰留を断り、家を出る事に
お舟は「いつでも戻っておいで、、、」

太鼓橋を渡ると、後方から子供等の声が、、、
正助ととよが走って来る、、、、、。
その後ろから市之進が現れ、 「長い間苦労
かけた、、亦、一緒に暮らそう、妻として」
戸惑いつつも、菜々は笑顔がこぼれる、、、、

不幸が続く菜々の周りは、不思議と善意在る
仲間が次々現れ、助けてくれる、庶民の温もり
今の世の中、何かが足りませんネ、、、

今日の1句

蛍草群るる小径の温もりて    ヤギ爺





つゆ草

2019-09-07 16:33:16 | 日記
令和元年9月7日(土)

露 草 : 蛍草、月草

ツユクサ科ツユクサ属の一年草、青い小さな
一年花で、日本各地の道端、川端、荒地等
何処にでも咲いている。
鮮やかな青の他、ピンク、紫、白色がある。
茎は地を横に這い、節から斜上して白い根
を出す。倒れ伏す様に露をしとどにに受け
咲いている。

昔から愛され、「万葉集」の中にも何首も
詠まれている。
古きには、この「月草」(露草の古名)で
着物を染めていたようである。
色が水に流れるのを利用して、友禅の下絵
描きに使用されている。
そう言えば小学校の頃に花を使って「色水」
を作ったのを思いだしたが、青い色の水は
露草を使って出来たものである、、、。

露草は、早朝に露を浮かべる頃に一番綺麗に
咲き昼頃には萎れてしまうが、
じっと眺めているだけで幸せな気分となる。

露草には色々な種類がある様だ。

① オオボウシバナ(青花茶):園芸品種


② ムラサキツユクサ : 紫色の大きな
  花を咲かせ、草丈も1m程の物もある。


③ 常盤ツユクサ : 白色、南アメリカ産


昨日(9月6日)NHK,BS時代劇で
「蛍草、菜々の剣」が放映され、最終回を
迎えた。


葉室麟さんの時代小説が原作の7話連続、
その名の通り、「蛍草」(露草)に親しむ
主人公(奈々)が女中奉公する主人、奥方
とその二人の子(男児、女児)等の優しさ
に触れ、次第に馴染み、心を開いて行く。
或る日、町中で父の仇に出会う、、、
その仇が、奉公先の主人を落とし入れ、
投獄されてしまう、そんな最中、その奥方
が病で倒れ亡くなる、、、
残された幼子二人の面倒を見ながら、密に
仇を、、、
奈々の周りには、不思議と、次々に援助す
る人達が現れ、、、、、。
随所に描かれる「蛍草」、心温まる物語
である。

次回に「蛍草、菜々の剣」を紹介したい。


今日の1句

蛍草濡るる朝佳し風の良し    ヤギ爺



貝割菜

2019-09-06 16:11:30 | 日記
令和元年9月6日(金)

貝割菜 : 貝割れ大根

蕪や大根等、アブラナ科の蔬菜類の芽が
出て間もない二葉。

二枚貝が開いた様な形からこの名がある。
芽が出て直ぐに食べられる野菜
大量に生産され、サラダや付き合わせ等で
食卓に並ぶ。


色々な種類があるが、代表的なものは大根
で「貝割れ大根」とよばれる。
大根の種子から、発芽したばかりの新芽。
天候等の影響で野菜が不作、乏しい時に
比較的簡単に手に入る事やピリッとした
辛味がある香辛野菜として人気がある。
土を使わずに短期間で栽培する事が出来る
ため、種子を買って来て家庭で栽培して
食べる方も多い様である。

栄養素は、「イソチオシアナート」という
辛味成分は胃液の分泌を促し、食べ物の
消化を助ける。
貝割れ大根には、睡眠を助けるメラトニン
の材料となる「トリプトファン」という
成分が含まれ、睡眠を促す作用がある。
一般的な栄養成分は、ビタミンC,出血を
止める作用をする、ビタミンKが多く含ま
れている。

家庭で貝割れ大根を育てる

① 容器を準備:苺パックの空容器、
  スポンジ、スプラウト専用の種子
② 容器にスポンジを入れ水を浸す
  その上に重ならぬ様に種子を蒔く
③ 暗い場所に安置し、霧吹きで水を
  かける。根が張ったら調節、容器
  に水を入れ、毎日水を替える。
④ 芽が5~6cmに伸びたら、日当
  りの良いば場所に置き、日に当て
  緑化させる。
⑤ 1週間~10日程で食べられる。
※ 種子は必ずスプラウトを使用すること。
  (花屋、種苗センター等で手に入る)

我が家の食べ方は、

冷し中華の具に、

ピリ辛サラダ、煮浸し、卵焼き、冷麺の具
等、簡単な物が多い、
手軽なおつまみには、貝割れのハム巻き、

マヨネーズを付けて食べるだけで、
後は枝豆が在れば、ビールが進む、、、


今日の1句

貝割れ菜野菜不足の我が亭主   ヤギ爺





拝み太郎

2019-09-05 16:08:15 | 日記
令和元年9月5日(木)

蟷螂 : 拝み太郎、かまきり、いぼむしり

カマキリ目カマキリ科の昆虫の総称
蟷螂はカマキリの漢名である
頭は小さく逆三角形で目は大きく、頭は自由
に動き餌を探すのに適している。

身体は細長く、翅は腹背に畳まれてをり、相手
を威嚇する時に拡げる。
普段は明るい緑色、緑褐色だが、生まれつき
灰褐色の種も在る。前肢は種々の昆虫を捕食
し易い様に鎌状になって居り、その形から
「鎌切」「釜虫」とも呼ばれる。
亦、長い後肢は跳躍に適している。
時に翅を広げ飛ぶことも出来る。

民家の灯りに飛んで来る事もあり、昔からの
俗説に「この虫で疣(いぼ)を撫でると疣が
取れる」と言われ「いぼむしり」の名がある。

カマキリは目の前の物を食べる習性があり、
交尾中の雄を雌が食べてしまう事もある。
また害虫を食べてくれる益虫でもある。

日本産のものは「卵嚢状態」で草や木の枝に
付着して、越冬する。

丁度今頃の季節、萩寺で有名な「円光寺」へ
吟行に出かけた折り、門前に在る萩の生垣
に子を孕んだ蟷螂を見つけた、、、。

門前の両側に萩が植えられて居り、参拝者等
が萩の花を楽しんで居た。
円光寺へは、名古屋から名鉄岐阜行きに乗り
裸祭りで有名な国府宮駅で下車、バスで10
分ほどの所に「矢合観音が在り、そこを巡り
裏手の方向へ10分程で円光寺に、、、。

参道には名物の草もち、田楽等を供する店も
あり、秋風の中を散策されては、、、、

矢合観音


門前屋、草もち、田楽等


拝み太郎

蟷螂すなわちカマキリの別称
俳人夏井いつき先生の「絶滅寸前季語辞典」
に「拝み太郎」の記述があった。
「カマキリの様子を思い浮かべれば、その
形態からきたネーミングであることは直ぐ
に判るが、それにしても昔の人、はよくも
まあ次から次へ無責任な名前を付けたもの
である、、、、」

俳人の名句

拝み太郎拝みつかれて石の上   夏井いつき


(夏井いつき著、絶滅寸前季語辞典 より)