昨日の小3オンライン国語クラスでは、テキストの長文読解の原典であるこちらの本を読みました。
この本は、ゴリラ研究の第一人者である山極寿一さんが、ゴリラの群れの中に入って感じたことや考えたこと、ゴリラの研究をするようになった経緯などが書かれています。
表紙に書かれている言葉が「ゴリラの家にホームステイしてだいじなことを教わりました。」。
この一文で、筆者がどのくらい近い距離感でゴリラと過ごしてきたかが、伝わるのではないでしょうか。
小3のテキストに載っていたのは、本の初めの方に書かれていた「ゴリラの調査の仕方」についての文章ですが、実は本書は「15歳の寺子屋」というシリーズの1冊でもあり、15歳の少年少女向けに書かれたものなのです。そして、恋と友情、家族、戦争、自然などについて考えるきっかけをくれる、実に奥が深い本なのです。
印象深かったエピソードはたくさんあるのですが、私が最も心に残ったのは6歳の子どもゴリラのタイタスについての話です。
アフリカの赤道直下の地域では、突然激しい雨が降ることがよくあるそうです。ある日、突然の豪雨を避けるために、筆者は木の洞に逃げ込みました。すると、タイタスも入ってきたのです。狭い洞の中は、一人と一頭で満員状態。雨が通り過ぎるのを、ただじっと待っていた一人と一頭でしたが…
このエピソードは本当にほほえましく、筆者とゴリラとの関係性が分かります。本の最後の方には、タイタスの今までの経験についても明かされているのですが、人間からひどい仕打ちを受けたタイタスがここまで人間に心を開いてくれるということにも、驚かされます。
また、「だれかのために生きる」という章では、ゴリラの父親の偉大さが書かれています。筆者は、自分が結婚するとか、家族を作るなどということは若いころは全く想像できなかったそうなのですが、カッコいいゴリラの「大人」たちに出会って考えが変わったとのこと。確かに、ここに登場するゴリラの大人(父親)たちは、カッコいい!このゴリラのカッコよさは、若者の皆さん(特に男性陣)に是非知っていただきたい!!守るべき家族を作りたくなるかも。そして、カッコいい父親になりたくなるかも!
この本の文章は、小学生の長文読解問題だけでなく、中学生の長文読解問題でもよく取り上げられています。試験対策として一読しておくというのも、もちろん「あり」ですが、先ほども述べたように、考えるきっかけをたくさんくれる本でもありますので、小中学生の皆さんに是非読んでいただきたい1冊です。
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