燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

静脈圧の低下

2017-11-28 | 勉強会

 

静脈圧の低下は通常、内頸静脈圧を測定することによってなされます。
 
 
中心静脈圧は、右心房から内頸静脈の「拍動の頂点」までの垂直距離で推定します。
 
 
 
 
内頸静脈は皮下を走行しており、直視できないため、皮膚の拍動を確認することによってその拍動をみていきます。
 
 
 
 
内頸静脈の拍動は2峰性の波形をなします。
 
 
右心房の位置を体表から確認することは困難です。
 
 
そのため、胸骨角(ルイ角)から内頸静脈の「拍動の頂点」までの垂直距離をまず測定します。  
 
 
 
 
体位(座位の角度)にかかわらず、胸骨角から右心房までの垂直距離は約5 cmですので、胸骨角から内頸静脈の「拍動の頂点」までの垂直距離を測定したあと5 cm加算し、中心静脈圧とします。
 
 
 
 
例えば、胸骨角から内頸静脈の「拍動の頂点」までの垂直距離が2 cmであれば、中心静脈圧は2+5=7 cmH2Oです
 
 
中心静脈圧の正常値は3~9 cmH2Oです。  
 
 
 
 
静脈圧が上昇しているかどうかを診る場合には、まず立位(坐位)で右の鎖骨上を観察して、静脈拍動を確認することから始めてもよい。
 
 
 
 
しかし、静脈圧が低下している場合には、立位(坐位)では拍動を確認できないので、静脈圧は測定できません。 
 
 
 
 
写真   台北市の風景

 

 

 

医師・看護師の英語論文スタイルブック (「ジェネラリスト・マスターズ」シリーズ 12)
 
カイ書林

 

好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2017パート2」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。

 

徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。

 

臨床推論の総論とピットフォールをマンガでサクッと1時間以内に習得できます。エキスパート診断医への一歩を踏み出すことができます。「マンガ臨床推論~めざせスーパージェネラリスト~」こちらも合わせていかがでしょうか。

 

科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。2016年のメルマガまぐまぐ大賞「健康」部門5位に選ばれました。

 

こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。

 

一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 起立性低血圧 | トップ | 外頸静脈と手背静脈を用いた... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

勉強会」カテゴリの最新記事