静脈圧の低下は通常、内頸静脈圧を測定することによってなされます。
中心静脈圧は、右心房から内頸静脈の「拍動の頂点」までの垂直距離で推定します。
内頸静脈は皮下を走行しており、直視できないため、皮膚の拍動を確認することによってその拍動をみていきます。
内頸静脈の拍動は2峰性の波形をなします。
右心房の位置を体表から確認することは困難です。
そのため、胸骨角(ルイ角)から内頸静脈の「拍動の頂点」までの垂直距離をまず測定します。
体位(座位の角度)にかかわらず、胸骨角から右心房までの垂直距離は約5 cmですので、胸骨角から内頸静脈の「拍動の頂点」までの垂直距離を測定したあと5 cm加算し、中心静脈圧とします。
例えば、胸骨角から内頸静脈の「拍動の頂点」までの垂直距離が2 cmであれば、中心静脈圧は2+5=7 cmH2Oです。
中心静脈圧の正常値は3~9 cmH2Oです。
静脈圧が上昇しているかどうかを診る場合には、まず立位(坐位)で右の鎖骨上を観察して、静脈拍動を確認することから始めてもよい。
しかし、静脈圧が低下している場合には、立位(坐位)では拍動を確認できないので、静脈圧は測定できません。
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