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記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

「虚子忌、椿寿忌」俳人・小説家の高濱虚子の忌日

2006-04-08 | 人物
今日(4月8日)は、「虚子忌、椿寿忌」。俳人・小説家の高濱虚子の1959(昭和34)年の忌日。
柳原極堂から俳誌『ホトトギス』を継承し、客観写生、花鳥諷詠を提唱した。
椿を愛し、法名を虚子庵高吟椿寿居士ということから、椿寿忌とも呼ばれる。
高濱虚子(たかはま きょし)1874(明治7)年、2月22日愛媛県松山市に松山藩士・池内政忠の4男として生まれた。本名清。
1882(明治15)年祖母の家を継いで高浜姓となる。伊予尋常中学(現在の愛媛県立松山東高校)にて河東碧梧桐を介して郷里の先輩・正岡子規に兄事し俳句を教わるようになる。明治24年(1891年)子規より虚子の号を受ける。俳号虚子は本名の清に因んで付けられたもの。俳句を始めた頃、俳号は高清、放子などという名前を使っていた。
1892(明治25)年京都第3高等中学入学後、碧梧桐とともに仙台第2高校に編入。文学を志して、碧梧桐とともに仙台の仙台第2高校を中退し、上京して東京・根岸にあった子規庵に転がり込む。1897年(明治30)年虚子らとともに柳原極堂が松山で創刊した俳誌「ほとゝぎす」に参加。翌明治31年10月、虚子が柳原極堂から「ほとゝぎす」を継承。発行も東京へ移ってからは和歌や新体詩が入り、幅広い文芸誌となる。1902(明治35)年9月子規死去。
「子規逝くや十七日の月明に」(虚子)
子規の亡くなった夜、宿直として子規庵に詰めていた虚子は、子規の逝去を同じく根岸に住む碧梧桐に知らせに行く途中、空を見上げると陰暦八月十七日の月が、白々と射しているのに心奪われた。この月の光の中に、虚子は子規の魂が昇天していくさまを見出したのであろう。
明治20年代の後半、短歌と俳句を『『写生(自分の見たものをそのまま客観描写すること) 』と言う言葉で括ったのは正岡子規である。子規の死を境に碧梧桐は子規の「写生」を離れ、新傾向の道を探り五七五調の定型や季題にとらわれない自由律の句をつくるようになる(後に、これは、朱燐洞や山頭火へと展開していく)。そして、虚子の古典的情感主義と碧梧桐との間に、 すこしづつ対立ががはじまる。 一方の虚子は、このころより俳句の創作を辞め、写生文に惹かれ各種文章を「ほとゝぎす」に掲載している。1902(明治35)年12月、「ほとゝぎす」はカタカナ表記の「ホトトギス」となる。1905(明治38)年からは夏目漱石の小説「吾輩は猫である」を掲載。これが大人気となり続く「坊ちゃん」などの掲載で「ホトトギス」の誌名を高めた。「ホトトギス」は、1913(大正2)年には、文芸誌から再び俳句雑誌に帰り、虚子も碧梧桐に対抗するため俳壇に復帰し、”俳句は伝統的な五七五調で詠まれるべきであると唱え、また、季語を重んじ平明で余韻があるべきだとし、客観写生を旨とすることを主張」。自らを「守旧派」と称し、「平明にして余韻ある俳句」を実践していく。前年に復活した「雑詠」が全国俳人の檜舞台となり、昭和初期の虚子による「花鳥諷詠」論の展開により俳壇の主流となった。虚子の文学活動は、「ホトトギス」とともにあり、山口誓子、中村草田男、中村汀女ら幾多の俳人を育てた。同誌の歴史は、明治、大正、昭和の俳句史でもある。虚子の俳句は定型と季語の伝統を重視する守旧派の立場を貫いた。そうした、頑強さは健康管理にもあらわれ、47歳で軽い脳溢血を病むと好きだった酒をぴたりとやめたところにも見られるという。
「去年今年貫く棒の如きもの」(虚子)
虚子は、去年が今年となっていく時を「棒の如きもの」と観ている。この太い棒のような時は、虚子の一貫した主張・信念とも捉えられる。                     
1954(昭和29)文化勲章を受章。主な作品に「稿本虚子句集」などがある。1959(昭和34)年4月8日85歳で没する。
平成12年(2000年)4月、兵庫県芦屋市に、虚子の直孫で俳誌「ホトトギス」主宰者である稲畑氏の住居に隣接して「虚子記念文学館」が開館。高浜虚子に関する資料の保存と公開を行っている。
右の→高浜虚子の声では高濱虚子の俳句朗読が聞けるよ・・。
(画像は高濱虚子。鎌倉の自宅で、1958年。朝日クロニクル・週間20世紀より)
参考:
高浜虚子 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%B5%9C%E8%99%9A%E5%AD%90
高浜虚子の世界
http://www.haiku.jp/takahama/index.html
ホトトギス百年史
http://www.hototogisu.co.jp/kiseki/nenpu/100nensi/1001-top.htm
高浜虚子の声
http://www.haiku.jp/takahama/voices.htm
句碑めぐり 俳句の里-松山
http://www.lib.ehime-u.ac.jp/KUHI/JAP/index.html
虚子記念文学館
http://www.kyoshi.or.jp/j-index.html