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歌麿が手鎖50日の刑に処せられる 日

2007-05-17 | 歴史
1804(文化元)年の今日(5月17日)、 豊臣秀吉の醍醐の花見を題材とした『太閤五女花見之図』が幕府の禁忌に触れるとして、喜多川歌麿が手鎖50日の刑に処せられるれた。
喜多川 歌麿は、葛飾北斎と並び、国際的にもよく知られる江戸時代の浮世絵師で、繊細で優麗な描線を特徴とし、さまざまな姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家であるが出生地・生年等は不明である。、「南総里見八犬伝」の作者・滝沢馬琴の『後の為の記』には、「歌麿には妻もなし子もなし歿後無祀の鬼となりたるべし」とあるようだが、浮世絵師の経歴をまとめた「浮世絵類考」という史料には、二代目喜多川歌麿が初代歌麿の妻をめとったという記述があるそうだ。江戸時代、身分の賤(いや)しまれていた浮世絵師の伝記は、あの謎の多い「写楽」ほどではないにしても、ほとんど手がかりはないようだ。1806(文化3)年9月20日(グレゴリオ暦1806年10月31日)、54才で世をさったと言われていることから、1753(宝暦3)年頃に生まれと推定されている。彼の作画期は1776(安永5)年から卒年までの約30年間。初期の北川豊章(狩野派の師の鳥山石燕の名、豊房の一字を与えらる。)と称した頃から、その後の狂歌師や戯作者との提携による絵本等々に挿絵していた時期と、浮世絵画家(役者絵はかかず)としての活躍時代の二期に大別されるようである。(以下参考の鳥山石燕参照)。1782(天明2)年以後、歌麿の名を使い錦絵時代に入り、これ以降を後期としているようである。1784(天明4)年頃、新進の版元蔦谷重三郎と出会い、蔦屋の援助を得、1791(寛政3)年頃から描きはじめた「美人大首絵」で人気を博した。代表作品としては、『婦女人相十品(婦人相学十躰)』の1枚『ポッピンを吹く女』が特に有名。それまでの美人全身像とは違って大判錦絵の画面いっぱいに体を省き顔を中心とする構図法は、人物の顔の表情や内面を詳細に描くことが可能となり、ことに白雲母摺(しろきらずり)の技法は、女性の肌の白さや、柔らかさを表現するうえで効果をあげた。歌麿が作品の対象にしたのは、遊女花魁、さらに茶屋(この場合、客に遊興・飲食をさせる店。水茶屋・引き手茶屋・色茶屋・芝居茶屋・相撲茶屋など)の娘など無名の女性たちばかりであった。しかし、歌麿の浮世絵によって、モデルになった者の名前はたちまち江戸中に広まるなど、歌麿の浮世絵はひとつのメディアにもなった。さらには、春画(しゅんが)や肉筆画にも異彩を放つなど、名実ともに浮世絵、艶本(えんぽん。閨房〔けいぼう〕)の秘事・秘戯を描いた書物。春本)の第一人者として活躍した。
彼の特色は忠実な観察と写実に基ずく、理想美の表現にあり、且つ狩野派の筆触もあって、始めは美人画には不調和な点も見られたが、やがて独特な優雅な描線を画くようになり、その美人絵は、全く浮世絵の絶頂と称されるようになった。中でも、彼の春宵(しゅんしょう)秘戯(男女の房事)の画は、また格別のものとされていたようで、川柳にも「歌麿の毛がき彫師の泣きどころ」と詠まれた程だという。私も趣味で、切絵を作っていたことがあるのでわかるが、 武者絵にしても美人画にしても毛がきは難しい。特に春画などの場合は、その描き(彫る)方で随分と違ってくるだろうね~。(好きな人は、ここをクリックしてみたら)
歌麿の代表作が次々と刊行され、美人画の絵師として人気が絶頂に達した寛政期、この時期歌麿にとっては受難の時代となる。老中に就任した松平定信は、寛政の改革を断行し、風紀粛清や出版統制を行ったからである。
文化元年(1804)、豊臣秀吉の醍醐の花見を題材とした3 枚続きの『太閤五女花見之図』(「太閤五妻洛東遊観図」)が幕府の逆鱗に触れ、歌麿は手鎖の処分を受けた。
○本物部分(2枚)→世界遺産醍醐寺展「桜舞う、醍醐寺」  ○復刻版3枚続き→『太閤五女花見之図』
当時、「豊臣秀吉」はタブーであり、また北政所淀殿、そのた側室に囲まれ花見酒にふける秀吉の姿が当時の将軍、徳川家斉を揶揄したものであるとも言われる。
徳川家斉は、特定されるだけで40人の妻妾を持ち、男子26人・女子27人の子をもうけ、まだ、そのほかにも妾がいたとも伝えられており、御落胤は数知れず、それら膨大な子供たちの養育費が、逼迫していた幕府の財政を更に圧迫することとなり、やがて幕府財政は破綻へ向かうことになった。 家斉の時代は、最も大奥が活用された時代であったという。
家斉の行った、「処士横断の禁」は、 幕府に対する政治批判を禁止し、蘭学を公的機関から徹底廃止し、蘭学者を公職から追放した。海防学者の林子平などが処罰された。さらに贅沢品を取り締まる倹約の徹底、公衆浴場での混浴禁止など風紀の粛清、さらには、絵草紙、武者絵等に対する出版取締令が出され、『絵本太閤記』(法橋岡田玉山筆。江戸後期の画家 )を初め、錦絵類も絶版に処される。 そして、洒落本作者の山東京伝、版元の蔦屋重三郎なども処罰されている。
『絵本太閤記』廃版及び、歌麿の手鎖の処分のことは、以下参考に記載の「街談文々集要/古文書を楽しむ」の「第十八 太閤記廃板」にも記されてある。
『街談文々集要』は、文化文政期(1804年-1 829年)の巷の話題を書き記したもので作者は石塚豊芥子. (いしづか ほうかいし )、別名集古堂豊亭とも言ったようっだ。
度々の弾圧や制約にもめげず、果敢に美人画を描き続けていた歌麿も、手錠の刑に処せられ、ショックを受け、遂にその画家生活を閉じると共に2年後に世を去った。
京都・伏見区の真言宗醍醐派総本山・醍醐寺で毎年4月第2 日曜日、豊臣秀吉の「醍醐の花見」に因んだ「豊太閤花見行列」が行われている。
(画像は歌麿の浮世絵。Wikipediaより)
喜多川歌麿 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%9C%E5%A4%9A%E5%B7%9D%E6%AD%8C%E9%BA%BF
鳥山石燕(とりやませきえん)
http://www.kuniomi.gr.jp/togen/iwai/toriyama.html
大御所様/大奥の賑やかな家斉将軍
http://csx.jp/~amizako/mitamuraoogosho.txt
国立国会図書館デジタルアーカイブポータル・曲亭遺稿 滝沢馬琴著
http://www.dap.ndl.go.jp/home/modules/dasearch/dirsearch.php?id=oai%3Akindai.ndl.go.jp%3A50005340-00000&cc=09_01_04&keyword=&and_or=AND
世界遺産醍醐寺展「桜舞う、醍醐寺」
http://www.thekyoto.net/kyoukyou/0703/070326_03/index.html
太閤五妻洛東遊観之図
http://homepage3.nifty.com/itoti/ref31.html
喜多川歌麿
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浮世絵春画ギャラリー:サイトマップ(玄耀堂)
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浮世絵
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浮世絵類考 - Wikipedia
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(展観目録第69号)
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狂歌 - Wikipedia
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戯作 - Wikipedia
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水田美術館-水田コレクション・歌川豊広(?~1829)「南楼名妓」
http://www.jiu.ac.jp/museum/collection/vol13.html
婦女人相十品 ポッピンを吹く女
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文学の館 江戸艶本
http://kanwa.jp/xxbungaku/Classic/ClassicalRoom.htm
醍醐寺 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%86%8D%E9%86%90%E5%AF%BA
醍醐寺 ホームページ
http://www.daigoji.or.jp/index3.html
絵本太閤記(法橋岡田玉山)
http://school.nijl.ac.jp/kindai/KGTU/KGTU-00048.html
絵本太閤記下巻(法橋岡田玉山)
http://school.nijl.ac.jp/kindai/KGTU/KGTU-00049.html
街談文々集要/古文書を楽しむ
http://www.hh.em-net.ne.jp/~harry/BUNBUN0.html
石塚豊芥子
http://www.ndl.go.jp/zoshoin/zousyo/02_isizuka.html
唐土名勝圖會top
http://record.museum.kyushu-u.ac.jp/karameishozu/top.html
.「草津温泉膝栗毛 冗談しっこなし」
http://www.geocities.jp/suiun_an/newpage137.html
山口県立萩美術館・浦上記念館作品検索システム 絵師名一覧
http://www.hum.pref.yamaguchi.jp/seek/cgi-bin/index_n.htm
ponpokoのひとりごと
http://ponpoko-y.blog.drecom.jp/monthly/200501/2
「江戸の判じ絵」
http://www.book-navi.com/book/syoseki/edo.html









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