宮沢賢治
「小岩井農場 パート九」より
半紙
雨のなかでひばりが鳴いてゐるのです
あなたがたは赤い瑪瑙(めのう)の棘(とげ)でいっぱいな野はらも
その貝殻のやうに白くひかり
底の平らな巨(おほ)きなすあしにふむのでせう
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賢治の詩は、冗長で分かりにくいと言われていますが
断片的にみると、とても魅力的なイメージやフレーズに溢れています。
この部分などは、「意味」はよく分かりませんが
「雨のなかのひばり」「赤い瑪瑙の棘」「底の平らな巨きなすあし(素足)」など
魅力的です。