韋応物
七言絶句
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酬柳郎中春日帰揚州南国見別之作(柳郎中の春日揚州に帰らんとし、南国にて別れらるるの作に酬ゆ)
広陵三月花正開(広陵三月花正に開くとき)
花裏逢君酔一廻(花裏君に逢うて酔うこと一廻せん)
南北相過殊不遠(南北相過ぐること殊に遠からず)
暮潮帰去早潮来(暮潮帰りて去って早潮来る)
揚州は三月、花まさに開くとき、
花のもとで君とまた逢い、一度、一緒に酔いたいものだ。
江を隔てて南と北、といっても、お互いに行ったり来たりするには、少しも遠くない。
暮れの潮が引いてゆけば、明朝はまた潮が押し寄せてくるように。