名取里美
青空のすみずみ動く木の芽かな
半紙変型
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名取里美さんの第3句集「家族」所収
今は、ソメイヨシノとともに
ケヤキやコナラの芽吹きが美しい季節です。
多くの人は、満開のソメイヨシノに見とれて
木の芽の美しさに気づきませんが、
この時期の若葉は、ほんとうに美しく
生命力そのものです。
名取さんのこの句は、その生命力を
「青空のすみずみ動く」という独特の感性でうたっています。
世界中に、生命がみちみちて、
それが目に見えなくても
躍動しているさまが、
見事に表現されています。