王勃
「送杜少府之任蜀州」より
海内存知己
天涯若比隣
半切四分の一 × 2
●
初唐時代の王勃(おうぼつ)の五言律詩の一節で、
中国では非常に愛されている詩句のようです。
全文は以下のとおり。
送杜少府之任蜀州
城闕輔三秦 風烟望五津
與君離別意 同是宦遊人
海内存知己 天涯若比隣
無為在岐路 兒女共沾巾
【書き下し文】
杜少府(としょうふ)任に蜀州に之(ゆ)く
城闕(じょうけつ)三秦(さんしん)を輔(ほ)とし 風烟(ふうえん)五津(ごしん)を望む
君と離別の意 同じく是れ宦遊(かんゆう)の人
海内(かいだい)知己(ちき)存す。 天涯比隣の若(ごと)し。
岐路に在(あ)りて、兒女(じじょ)と共に巾(きん)を沾(うるほ)すを為す無(な)けん。
【口語訳】
君はこの長安城を去って、これより風烟はるかな蜀の地に赴任してゆかれる。
君と別れる悲しさも、互いに士官の身であれば、会うては離れるのもやむを得ぬさだめであろう。
四海の内に、君という知己があると思えば、たとえ身は各々天の一方に離れても、隣にいるも同然だ。
分かれ路に望んで、女子供のように、涙で巾をうるおすようなことはすまい。
《新釈漢文大系 唐詩選 目加田誠著》による