
突然の火事で両親を失った三姉弟妹。後見人となったオラフ伯爵は、彼らの両親が残した遺産を奪おうと、あの手この手で子供達を殺そうとする。幾度もの危機を、発明家のヴァイオレット、両親の蔵書を全て読み尽くした博識のクラウス、なんでも囓るサニー(乳児)は、力を合わせて乗り越えていく・・・。
↑だけ見ると、子供達が明るく未来を切り開いて行く話のように思われるかもしれませんが、ちょっとドロドロした雰囲気で、「幸せに暮らしました。おしまい。」に行き着く寸前に次の不幸が降り注ぐという構成で、なかなかに面白かったです。人生は、特に両親を亡くしたこの子達の将来は、全ては薔薇色ではないけれど、みんなで力を合わせて乗り切って(←この言葉が一番合うと思う。「克服」ではないの。対症療法。でも、人生ってそんなもんよね、みたいな暗示)いくんだろうなあ、と思わさせるラストも悪くない。スッキリしないけど。全体的にティム・バートン廉価版みたいなカンジだったわ。
オラフ伯爵を演じるのはジム・キャリー。「オラフ伯爵の変装」という設定で七変化。いつもは濃すぎてたりすぎてイヤだわ~、と思うことの方が多いのですが、今回はそれが良い方向に作用したと思います。メリル・ストリープも出演。オスカー女優なのに、こういうイロモノもうまいんだよねえぇ。子役達も芸達者。でも誰に似ているか思い出せない。長女はソフィー・マルソー?長男はお笑いの蘊蓄垂れに似ている??
ゴシック調のファンタジー要素満載の画面はとても好きですし、前半のテンポも良かったのですが、両親が「どうやって」殺されたかはわかったけど「なんで」殺されたのかはわからなかったし、望遠鏡の意味とも解けきれなくて、最後はちょっとムムム。でした。
エンディング・ロールがとっても凝っているので、最後まで席を立たずに見てくださいね。影絵っぽいの。これが原作の挿絵なのかな?そうならちょっと読んでみたいかも。