きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「白鳥の湖」K-バレエ・カンパニー

2005年05月28日 | バレエ・ダンス
 どこぞで見た中村祥子さんの「白鳥」の写真があまりにも美しかったので、彼女の経歴もよく知らない状態で、とりあえず行ってきました。ソナベンドの美術が好きだし。結果的には行って良かった!写真より、動いて、踊っている姿の方が、ずっとずっと美しかったです。純白に輝く、気品溢れるオデットでした。それでいて日本人らしい「情緒」も持ち合わせている人でした。腕は実にたおやかで表現力があり、肩から背筋のラインが美しく、脚はブレないけど、その技術は決して「見せびらかす」系ではない。王子と出会ったときのマイムも的確です。Kは悲劇版を採用で、最後は「人間」に戻ったオデットが王子と共に天上へ上っていくのですが、その姿が光り輝いていました。いや~、実に素晴らしかったです。
 キャシディの王子。オペラグラスでしみじみ見ると、すでに「王様」の貫禄があります。頬とか口元とか。しかし、さすがに英国ロイヤル、演技は的確で細かいマイムがうまくて、遠目ではやっぱり「王子様」。オデット、オディールに対するサポートも安定していました。ロットバルトはペレズ。悪くはないが、キャシディには完全に負けているわい。まず体格的に。仕方がないけどさーーー。オディールは長田佳世さん。小柄ですが、押し出しはある方かな?白鳥とは別の人が踊る黒鳥なので、完全にロットバルトの手下として王子を惑わせる役回り。3幕の段階では、白鳥と黒鳥が別々なのが納得できんな~、と思っていたのですが、4幕でも黒鳥が出て、王子&白鳥、悪魔&黒鳥の対立がくっきりしているのは、なかなか面白い演出かのう。前もそうだっけか?記憶にないわ。
 群舞は、もうちょっとかなあ。前回よりは良くなったと思うけど。3幕の各国の踊りが少なくてちょっと寂しい。団員が増えると、ハンガリーとかが入るようになるのだろうか?パ・ド・トロワは、悪くはないけど、あまり印象に残らない。
 熊川版は変形ブルメイステル版の悲劇オチ。熊川氏がいない分、「白鳥の湖」そのものを観ることができましたが、まあ、なかなかまとまっていますわな。ストーリー主体で登場人物に無駄はない。ベンノ(元気良すぎ)は道化でもいい気がするんだけど、美術的にはまとまりがなくなるから、この方がいいんだろうなあ。あと3年ぐらい躍り込むと、もっと面白くなりそうな気もします。
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「オペレッタ狸御殿」

2005年05月28日 | 映画
私はコレを
狸御殿シリーズとは
絶対に認めない!

狸を出せば「狸御殿」ではない。
歌が入れば「オペレッタ」なのではない。
「荒唐無稽」「無国籍」と、「まとまりがない」は全然意味は違うのだ。

「音楽劇」とか「ショー(ショーアップ)」とは、どういうことか
監督を含め、製作者にはもっともっともっともっと勉強して欲しい。
コレを見ると、植田紳爾氏の偉大さがわかる。

 話がまとまりがなさすぎる。普通に見ていると繋がらない。脳内補完の必要有り。テンポもものすごく悪い。オープニング以外は、映像に見所がない。歌がショボすぎる。歌と踊りに関して、全体的なビジョンがない。単発で、なんとなく、この台詞、この場面に歌(または踊り)を入れる、って決めてから、間に合わせのように挿入しているカンジだ。その歌(または踊り)の見せ方があまりにも下手なので魅力を感じない。監督の、半端なこだわりだけで、観客を楽しませようとは思っていないのではないか?とにかく映画としては、まったくダメだ。2時間がとても長かった。なんどか途中で帰ろうかと思ったよ。

 着物姿のチャン・ツィイーはカワイイ。そこだけがみどころ。役としてはつまんない。甦る時の姿、白い着物にザンバラ髪の時は、彼女の顔が丸いせいでしょうか、一瞬ロンウン様に見えました。ウフフ。それ以外はねぇ・・・・・・。オダジョもどうでしょう。「狸御殿」で主役を張るには華がない。歌も、音程はあっているけど、感情が乗っていないので表現力はない。平幹二朗の怪演以外、役者も生かし切れていなかった。
 とにかく「超娯楽作品 狸御殿シリーズ」からは、あまりに遠い世界に位置している映画です。「狸御殿」を名乗って欲しくないよ。


追記
一部の人向きの専門用語で追加。
オダ・ジョーの歌は一応音程はあっていなくもないけれど、
感情が全く乗っていない「カラオケ」状態。
歌詞・メロディーで「表現する」状態までは行っていない。
そもそもの曲(歌詞・メロディー)が
「その場面」にふさわしいようにできていないせいもあるんだけど。
そういった意味で、彼の歌唱力は、私の中では「タニ以下」。
チャン・ツィイーは、下手ではないけれど、声量が足りない。
ウメとカノチカの中間ぐらいです。
 
 
あ~、とにかく「華やかさ」が全くないよう。
「極彩色の画面」と「華やかさ」は違うのよ~。
チャン・ツィイーの使い方も納得できないわ~。
後ろを向いて座る場面で右足だけ足の裏を出しているんだけど
そーゆーのを「エロティシズム」だと思っているんだろうなあ。
こーゆー↑玄人(あるいはマニア)の考えは理解できんぞよ。
 
 
上映中、いびきをかいて眠る人がいました。
これは許せます。
許せなかったのは15回ぐらい大きなため息をついていた人。
わたしだって我慢してるんだからさーーーーーーっと
怒りたくなりました。
このような感情を客に持たせる映画の方がイケナイだよねえ、本当は。


さらに追記
など、文句たらたらな私でしたが、
どうも、この「オペレッタ狸御殿」が
公開されたおかげで、雷蔵版の「初春狸御殿」が
DVD化されたようです。
5月27日(金)角川エンタテイメントより発売。

初春狸御殿

うっかり注文しちゃったよ。
ああ、「オペレッタ・・・」が面白ければ
こんな散財しなかったのに・・・・・・・・・・・

*「花くらべ狸道中」も同時発売!

花くらべ狸道中

未見なのでこっちも注文。ああ、金欠なのに・・・


さらに、さらに追記
極楽蛙が鳴くところ、「ポピーザぱフォーマー」の最終回を思い出した。
「ケ、ケダモノの顔は・・・」
POPEE the ぱ フォーマー Vol.3
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