ケントのマクミラン版ジュリエットは
マラーホフと踊ったのを見たのですが
そのときはいまいちだったので
今回見ようか迷ったのですが
彼女の全幕を見る機会は限りなく最後かも
と思って行ったのですが、大正解でした!
やったね、私!
ケントのジュリエットはとても瑞々しく、
少女時代は超可愛く、
ティボルトが死んだ後は、大人、でした。
自分の意思で考え決め、自分の足で立ち、進む。
最近のジュリエットは子供から抜け出せない人が多かったのですが
ケントはその過程が実にクリアでした。
情熱的で、短い時間を駆け抜けていく。
スピード感があり、刹那的で、
でもその一瞬は永遠の時間で。
とても素晴らしいジュリエットでした。
私はフェリのジュリエットが大好きなので
マクミラン版を見るとフェリの幻影も見えてしまうのですが
今回、初めて!!フェリの幻影は現れませんでした!!
大感動!!です。
長い手足はすっきり伸び、
リフトされているときも美しかったです。
まー、あれだな。
マラーホフと合わなさすぎたんだな。
当時も思ったけど。
マラーホフがリフトするたび、ドキドキだったもんなあ。
ゴメスのロミオもとても良かったです。
基本、女好きで、ちゃらんぽらんでー。
女性の扱いは慣れているみたいでー。
ロザリンドへの愛はとても情熱的でー。
それが、ジュリエットに対してはマジ顔で。
その差が、いいんです。
どれだけ本気か、とても伝わってきます。
そして、熱い血もたぎっていますので
ティボルトをうっかり刺しちゃったのも自然な流れですね。
二人の演技がとても噛み合って
充実した内容でした。
マキューシオはサルステイン。
細かい踊りがとても的確。
最後までテンションもスタミナも途切れず
お調子者を演じ、踊っていました。
死ぬ場面も冗長にならず
緊張感が保たれました。
ヴェンヴォーリオはシムキンくん。
二人の弟分みたいな。
これぐらいの役の方が似合うね。
パリスのハムーディは
スッキリとしたハンサムさん。
ティボルトはサヴェリエフ。
粗野でちょっぴち鼻つまみ者テイストがあって
でもリーダー格で。
踊りもシャープで良かったです。
ヒゲを生やすか付けてくれれば、なお良かったなー。
以前ティボルトを演じていたバービーは
今回はキャピュレット卿。
ティボルトが死んで驚き悲しむ方に回ったのですね。
感慨深いわー。
相変わらずハンサムです。
妻と父娘役かー。
キャピュレット卿夫人はアブレラ。
今回唯一の残念キャスト。
インパクト皆無。
もっと嘆き悲しんで欲しいなあ。
モブに混じっちゃってる。
コプランドをはじめとする
その他のダンサーも良かったです。
「ドン・キ」より、ずっとずっと
生き生きとした舞台でした。
バルコニーは上手側に設置。
Rに座った私は階段が見えなかったけど
絶対こっちの方が好き!
バルコニー下の空間にロミオがいるのが好きなの。
ロイヤルは真ん中に持って来ちゃったので
ロミオの居場所が無くてテンション下がったっけなー。
【主な配役等】
ロミオ:マルセロ・ゴメス
ジュリエット:ジュリー・ケント
マキューシオ(ロミオの友人):クレイグ・サルステイン
ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥):ゲンナディ・サヴェリエフ
ヴェンヴォーリオ(ロミオの友人):ダニール・シムキン
パリス(ジュリエットの婚約者):アレクサンドル・ハムーディ
キャピュレット卿夫人:ステラ・アブレラ
キャピュレット卿:ヴィクター・バービー
ヴェローナの大公:クリントン・ラケット
ロザライン:ルシアナ・パリス
ジュリエットの乳母:スーザン・ジョーンズ
ローレンス神父:クリントン・ラケット
モンタギュー卿夫人:サラ・スミス
モンタギュー卿:ロマン・ズービン
3人の娼婦:
ミスティ・コプランド、シモーン・メスマー、クリスティー・ブーン
ロザラインの友人:カレン・アップホフ
ジュリエットの友人:
ジェマ・ボンド、カロリーヌ・デュープロー、レナータ・パヴァム、
クリスティーンシェフチェンコ、ジェニファー・ウェイレン、
キャサリン・ウィリアムズ
マンドリンの踊り:
クレイグ・サルステイン、グラント・デロング、ケネス・イースター、
ブレイン・ホーヴェン、アロン・スコット、アイザック・スタッパス
振付 : ケネス・マクミラン
音楽 : セルゲイ・プロコフィエフ
原作 : ウィリアム・シェイクスピア
台本 : セルゲイ・プロコフィエフ/セルゲイ・ラドロフ
装置・衣裳 : ニコラス・ジョージアディス
照明 : トマス・スケルトン
指揮 : オームズビー・ウイルキンズ
管弦楽 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団