9月後半に、新スタッフの金子とともに、スマトラ島で活動してきました。
今回は、ブキッ・ティガプル国立公園(TNBT)内の村人10人をともなうスタディツアーと、サダン村での有機肥料作りのデモンストレーションなどが主な目的です。
(テッソ・ニロ国立公園で)
今回は、スタディツアーについて報告します。
以前のブログにも書きましたが、村の人たちは旅に出るお金がなく、他の地域のよい事例を学びに行く機会がありません。ゆいツールは、これから村で「森を守りながら暮らしを発展させていく方法」を村人達と一緒に考えるにあたり、熱心な村人10人をいくつかの場所に連れ出しました。
ひとつめの目的地は「テッソ・ニロ国立公園」。ちょうど私たちが訪れる1週間ほど前に、アメリカの映画俳優ハリソン・フォードが訪れて、インドネシアの森林破壊の現状に激怒したそうです。
(子ゾウに乗るダタイ村村長)
この国立公園は、いまや公園内の森林面積の半分が、すでに住民によって畑に変えられてしまったとのこと・・・。ハリソン・フォードが去って、私たちが訪れる間に、地域住民と、警察やそこで活動するWWFインドネシアとの間で、土地をめぐる衝突が起きたりもしています。
私たちはここで、住民による観光チームと天然はちみつチームの話を聞きました。
これらのグループは、WWFインドネシアがサポートして立ち上げ、今では地元の若者がリーダーとなって活動しています。
ふたつめの目的地は「ルンビオの森」。リアウ州の州都プカンバルからほど近いところにあり、貴重な水源地として村のグループが管理しているところです。ここでは森を散策したあと、整備されたゴム園を見学し、大きな川で行われている魚の養殖を見学したり、300年前から建っている木造のモスクを観光したりしました。
(ゴム園管理について話を聞く参加者たち)
みっつめの 目的地は、場所というより目的の“人”で、6月にも有機肥料作りをデモンストレーションしてくれたサイフルさんです。
サイフルさんが関わっている、有機農業を実践している農園を2箇所見学させてもらいました。
TNBT内の村人は、手をかけて野菜を育てた経験がありません。焼き畑に適当にタネをまいて適当に実った野菜を収穫するだけで、肥料をあげたり支柱を立てたりひもで結んだり…なんてことは未経験です。
ツアー参加者は、とくに「ゴム園」と「野菜づくり」に興味をひかれたようでした。自分たちにも経験があるけど、だいぶやり方が違う、というのが見学した彼らの率直な感想だと思います。
広い面積の森を切り開いて焼き畑(⇒ゴム園)にしなくても、もっと効率よくゴム や野菜を育てられるのではないか。そのヒントが得られた旅になりました。
次回は、スタディツアー終了後に行ったプログラム体験と旅のふりかえりの様子をお伝えします。(山)
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