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ファストファッション < スローファッション・ローカルファッション

2023年04月01日 | 12. コラム:環境ワード

△▼△▼ 環境ワードコラム △▼△▼

最近、「ファストファッション クローゼットの中の憂鬱」(著者 エリザベス・L・クライン)という本を読みました。

みなさんはファストファッションという言葉を知っていますか?

ファストフードの洋服バージョンです。

くるくると変わる流行のファッション製品が、安価で売られています。

(若者のファッションの中心地 渋谷の街)

以前、ゆいツールブログ「エシカル消費ってなに?」でも書きましたが、洋服が作られる過程で、あるいは破棄された後に環境汚染や人権侵害(児童労働や低賃金問題など)が起こっているかもしれません。

いらなくなった洋服を寄付する、という行為があります。

私が住んでいる区でも指定場所で古着を回収していて、ごみに関するパンフレットに「着なくなった洋服を海外へ運び、リユース・リサイクルしています」と書かれています。

でも、私は知っています。貧しい国でリユース・リサイクルされているはずの洋服の一部が、ごみの山となって環境を汚していることを。

以前、中国がプラスチックごみの輸入をストップして大きな影響が出たときのことを、ゆいツールブログ「プラスチックごみをどうしたらいいだろう?」に書きましたが、プラスチックだけでなく洋服までも行き場を失っているのです。

スローファッションは、商品ではなくムーブメントだ、とエリザベス・L・クラインは言っています。

先進国に住む私たちが、安いから、という理由でファストファッションを選ぶ裏で、工場で長時間労働をさせられたり低賃金で働かされたりして人間らしい暮らしができない人がいるかもしれない。質の低い商品が数回着られただけで捨てられて(あるいは寄付されて)、貧しい国でごみの山になっているかもしれない。繊維や皮を染色する過程で環境を汚しているかもしれない。

スローファッションは、環境(や人権侵害)への配慮を怠っているアパレルメーカーの商品をできるだけ買わず、質のよい洋服を長く着たり、体に合わなくなった服をリメークして着続けたり、自分で洋服を作ったりして、洋服との付き合い方を見直す方法、とも言えます。

一方、ローカルファッションは「地域経済の活性化」に繋がります。巨大資本のグローバルファッションではなく、地域の中小零細企業や小規模なコミュニティを応援することが、地域活性化に繋がるのです。

ただ、ファストフードもそうですが、ファストファッションも、サステイナブルを気にかけるほどの余裕のない所得の低い人たちが多く利用している現実があります。

でも、もし季節毎に安い服を買っているとしたら、買う回数を減らしてローカルファッションなどの質のよいものを選んで、それを長く着るということはできるかもしれません。あるいは、リメイクして(洋服のお直しをしてくれるお店は意外と身近にあります)、長く着続けることも。

ファストファッションは、大量の洋服を発展途上国の工場で長時間労働によって作らせ、消費者には流行に遅れるなと消費を促し、結果、着るものを大切にしない文化を助長させている、と言っても過言ではないと思います。

着るものを作ることは、本来原料調達を含めエネルギーや時間がかかることのはずです。

「ファストファッション クローゼットの中の憂鬱」の著者、エリザベス・L・クラインは調査のために、とても手の届かない商品を販売しているブランドの店を訪れたり、安い服を買いまくって動画にあげているYouTuberと一緒にショッピングをしてみたり、中国やバングラディッシュのアパレル業界(工場を含め)を訪ねたりした挙げ句、自分で裁縫を習って洋服をリメイクすることにしました。

また本書には、洋服の交換会のことが紹介されています。地域や個人が開催するもので、バザーというよりいらなくなったものを持ち寄り、欲しいものをもらう(持ち寄った服の点数によって)、という仕組みのようです。

そう言えば、最近私も東急のcommonというアプリを通して使わなくなったものを他の人に譲渡できる、というのを知ったところでした。

あるいはジモティというサイトでも、不要品の売買や譲渡が行われています。(実際に使ったことはありません)

今回本を読んで、ごみを減らすためにできることのヒントを、またひとつ得た気がしました。

服の交換会、インドネシアでやってみたいな、と思いました。(山)

参考リンク:

エリザベス・L・クラインのホームページ

記事「ファストファッションの死とスローファッションの誕生」(アド・スタディーズ)

NHK 衣服の墓場(着られなくなった洋服の末路とは)(WEB特集)

環境省のページ「サステイナブルファッション」

国民生活センターの記事「衣料廃棄物について考える」

(本文とは関係ありません。2023年4月1日撮影)

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