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「ホルモン」ではなく、「ホルモー」。
この小説を手に取ったら、たぶん、頭の中で確認してしまうだろう。
この「ホルモー」という響き。何のことだろう?と興味をひかれる。
「ホルモー」とは、「オニ」を使って戦う競技のことだ。
舞台は、京都。
京都大学に入学したばかりの俺、「安倍」が主人公。
いきなり、怪しげなサークルに勧誘され、「オニ」の使い方を伝授されていく。
そして、京都にある大学対抗競技「ホルモー」に参戦することになる。
「ホルモー」は団体競技。大学、サークル、団体競技とくれば、メンバー同士の人間関係、恋愛がミソになる。
「オニ」の使い方を伝授されていく過程は、「オニ」の存在が浮いている感じがして、「マンガみたいだなぁ」という印象が強かった。
しかし、サークルのメンバー同士の人間関係、恋愛模様が色濃く描かれだす後半部分は、「オニ」について、「まあ、こういう存在があってもいいかぁ」と思えてきた。
青春の思い出となるような出会い、出来事。誰にでも似たような経験があるだろう。
そこに「オニ」を使った「ホルモー」を、スパイスに使っている。
大学卒業から時間が経っている人は、読み終わった後に、懐かしく、爽やかな気持ちになれる。