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【向田邦子の陽射し】絶対というものは、ない

2015-08-28 08:26:05 | Weblog





「絶対」というものは、ない。

放送作家・小説家の向田邦子さんは、

妹の和子さんとの会話のなかで、

「絶対」という言葉が出てくると、

「絶対というのは、使わないで」と怒ったそうです。

正しいことを言う人が、正しいことをしているわけではないし、

黙って大人しくしている人が、暴力的な感情を抱えていることもある。

乱暴な態度をとる人が、とても感じやすく、傷ついていたり、

家族には冷たいのに、ペットの犬には優しい人もいる。

人は、絶対にこういう人だ、と言い切れる生き物ではなく、

さまざまな感情を抱えて生きている。

矛盾した行動をとることもある。

向田邦子さんは、そうしたものを鋭くとらえて

脚本や小説を書いていたのかもしれません。

「絶対に、幸せ」はないし、
「絶対に、不幸」もない。

「絶対」というのは、ない。

物事は変化するし、
物事には、自分がまだ気づいていない側面もある

ということだと思います。

「絶対」はない、と分かっているけれど、

あえて、「絶対に、できる」と

口にしてみるのもよいのかもしれません。

目の前にある事実は、不確かでも、

前へ進もうという意識をもてるなら、

それは、確かなものかもしれません。

今日も頑張ろう。

爆笑問題の大田光さんと、
向田邦子さんの妹・和子さんの対談は
『向田邦子の陽射し』に収められています。

向田邦子の陽射し (文春文庫)

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