1月にある女性にお会いしてお話をし、しなやかさに魅かれその方のブログを時々読んでいますが、そこで取り上げられていた本です。
著者は開発途上国で事業を起こす現地の方々に投資をする非営利組織のアキュメン・ファンドのCEOです。
途上国のインフラ建設に対する経済援助はそのインフラを維持するお金や技術がないから、無駄になっている事例が多いというのは聞いたことがありました。
そのため現地で事業をする人たちに投資する方が多くなっているという話も聞いていました。
しかし、それもうまくいっていない事例が多いということが書かれています。
各国それぞれの生活習慣やお金・労働に対する価値観があり、先進国と同じ発想で援助をしても活かされないし、場合によって不正や犯罪の温床になるようです。
援助をしたことで事態が深刻になる事例もあるとも書かれています。
地域が貧困から抜け出すために発展するには、現地で現地の人が事業を立ち上げていくのが正解なのですが、支援をする場合は、お金を渡すだけでなくその地域にあった方法で事業の立ち上げを見守ることが必要のようです。
そのためには経験ある方が現地に張り付いて事業がある程度安定するまで指導をすることが大切で、お金もさることながら、現地に腰を落ち着けてくれる熱意をもった人材が必要です。
それは、先進国なら相当なお金を稼げる人が、生活環境が悪い途上国に住んで辛抱強く現地の人を指導することであり、人材を見つけることが非常に困難だと思われます。
グローバル化が進んで自国だけうまくいっていればいい時代は終わりました。
途上国の問題は先進国にも重大な影響を及ぼしますから、もっと当事者意識を持たなければいけないでしょう。
しかし、この本を読んでも自分の周りを見るのに精いっぱいでまだまだ遠い世界のように感じてしまいます。
ところでこの本の中で私が日頃感じていることが語られていました。
良いことではないのですが、自分がまさに今感じていたことですので、そのまま引用してみます。
著者がアメリカにもどってロックフェラー財団の方とフィランソロピスト(篤志家)について話をしているところです。
『「中流階級、労働者階級が社会にどう解けこんでいるかを考えることだ。社会を動かす知的エリート・・・アナリストや数値データを扱う人間、それに記号や技術を操る人間たち・・・は、持たざる人々への共感を持っていないことが多い。持っていたとしても、最貧層に焦点をあて、下層中流層にはあてない。でも社会変革には、この層こそ決定的に重要だ」
今日の世界では、エリート層は、ますます国境を越えて互いの関係を歓迎するようになる一方、自国の低所得層とはあまり関係を持とうとしない。どうすれば、地元とも、また真にグローバルにも連携する共同体同士の結びつきを創り出せるかが、この世代の重大な課題の一つだ。』
指導者がいて、その方が優秀であることがまずは重要ですが、そういう資質を持った方は多くありません。
社会を動かそうと思ったら、多数派である中下流の人たちに理解され、そこを動かさないと駄目だと思っています。
いまの日本でもこのままではいけないと行動する方がかなり出てきていますが、中下流、いわゆる普通に生活している人を動かせていない(はなから相手にしていない)のではないでしょうか。
著者は開発途上国で事業を起こす現地の方々に投資をする非営利組織のアキュメン・ファンドのCEOです。
途上国のインフラ建設に対する経済援助はそのインフラを維持するお金や技術がないから、無駄になっている事例が多いというのは聞いたことがありました。
そのため現地で事業をする人たちに投資する方が多くなっているという話も聞いていました。
しかし、それもうまくいっていない事例が多いということが書かれています。
各国それぞれの生活習慣やお金・労働に対する価値観があり、先進国と同じ発想で援助をしても活かされないし、場合によって不正や犯罪の温床になるようです。
援助をしたことで事態が深刻になる事例もあるとも書かれています。
地域が貧困から抜け出すために発展するには、現地で現地の人が事業を立ち上げていくのが正解なのですが、支援をする場合は、お金を渡すだけでなくその地域にあった方法で事業の立ち上げを見守ることが必要のようです。
そのためには経験ある方が現地に張り付いて事業がある程度安定するまで指導をすることが大切で、お金もさることながら、現地に腰を落ち着けてくれる熱意をもった人材が必要です。
それは、先進国なら相当なお金を稼げる人が、生活環境が悪い途上国に住んで辛抱強く現地の人を指導することであり、人材を見つけることが非常に困難だと思われます。
グローバル化が進んで自国だけうまくいっていればいい時代は終わりました。
途上国の問題は先進国にも重大な影響を及ぼしますから、もっと当事者意識を持たなければいけないでしょう。
しかし、この本を読んでも自分の周りを見るのに精いっぱいでまだまだ遠い世界のように感じてしまいます。
ところでこの本の中で私が日頃感じていることが語られていました。
良いことではないのですが、自分がまさに今感じていたことですので、そのまま引用してみます。
著者がアメリカにもどってロックフェラー財団の方とフィランソロピスト(篤志家)について話をしているところです。
『「中流階級、労働者階級が社会にどう解けこんでいるかを考えることだ。社会を動かす知的エリート・・・アナリストや数値データを扱う人間、それに記号や技術を操る人間たち・・・は、持たざる人々への共感を持っていないことが多い。持っていたとしても、最貧層に焦点をあて、下層中流層にはあてない。でも社会変革には、この層こそ決定的に重要だ」
今日の世界では、エリート層は、ますます国境を越えて互いの関係を歓迎するようになる一方、自国の低所得層とはあまり関係を持とうとしない。どうすれば、地元とも、また真にグローバルにも連携する共同体同士の結びつきを創り出せるかが、この世代の重大な課題の一つだ。』
指導者がいて、その方が優秀であることがまずは重要ですが、そういう資質を持った方は多くありません。
社会を動かそうと思ったら、多数派である中下流の人たちに理解され、そこを動かさないと駄目だと思っています。
いまの日本でもこのままではいけないと行動する方がかなり出てきていますが、中下流、いわゆる普通に生活している人を動かせていない(はなから相手にしていない)のではないでしょうか。