LDは、ミュージカル映画のように聴きたい曲だけを繰り返し聴くのに向いていた。
①オズの魔法使い
この映画は、「風と共に去りぬ」と同じテクニカラーによるカラー映画で、現実の場面をセピア調のモノクロとし、夢の部分をカラーとしている。監督はフレミングで、1939年に公開されている。ジュディ・ガーランドが演じたドロシーが歌う「虹の彼方に」は、ハロルド・アーレンの作曲、E.B.ハーバーグの作詞によるもので、試写会の場では、子供のピアノ練習曲みたいでつまらないという意見もあったそうだが、今では、ポピュラー・ソングにおける代表的な曲の一つになっている。
②巴里のアメリカ人
「巴里のアメリカ人」は1951年の公開で、アカデミー賞作品賞を得ている。監督はヴィンセント・ミネリ。主役のジーンをジーン・ケリーが、リズをレスリー・キャロンがつとめている。映画のタイトルでもある“パリのアメリカ人”という曲は、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュインがパリ旅行で作曲したもので、この曲をバレエ音楽として後半のクライマックスとし、映画の前半を、ガーシュインの様々な曲を伴う、ちょっとした三角関係のストーリーとしている。
③雨に唄えば
ジーン・ケリーとスターリン・ドーネンが共同監督をつとめた1952年の映画で、音楽はナシオ・ハーブ・ブラウン、作詞はアーサー・フリード。ジーン・ケリーのほか、ドナルド・オコーナ、デビー・レイノルズが出演している。雨の中でケリーが「雨に唄えば」を歌い踊るシーンをはじめ楽しめるところが多い。立川談志のお気に入りの映画だったらしい。
④ウエストサイド物語
ミュージカルを映画化したもので公開は1961年、アカデミー賞作品賞を受賞している。映画の監督はロバート・ワイズとジェローム・ロビンス。振付はミュージカルと同じジェローム・ロビンスで、音楽もミュージカルと同じでレナード・バーンスタイン。脚本はアーサー・ロレンツからアーネスト・レーマンに代わっている。映画ではマリアをナタリ・ウッド、トニーをリチャード・ベイマー、ベルナルドをジョージ・チャキリスが演じているが、歌は吹替えであったらしい。バーンスタインはニューヨーク・フィルの指揮者でクラシックの作曲家でもあり、この映画の音楽を演奏会用に編曲している。
⑤マイフェアレディ
ミュージカルを映画化したもので公開は1964年。アカデミー賞作品賞を受賞している。監督はジョージ・キューカー。フレデリック・ロウが音楽、作詞はアラン・ジェイ・ラーナーで、花売り娘からレディへと変身するイライザ・ドゥーリトルをオードリー・ヘップバーンが演じている。“スペインの雨”から“踊り明かそう”へとつながるシーケンスが見事だが、歌は吹替えであったらしい。
⑥サウンドオブミュージック
ミュージカルの映画化で1965年の公開。アカデミー賞作品賞を受賞している。監督はロバート・ワイズ。音楽はリチャード・ロジャース、作詞はオスカー・ハマースタイン二世。マリア役をジュリー・アンドリュース、ゲオルグ役をクリストファー・プラマーが演じている。使われている曲には、「サウンド・オブ・ミュージック」や「すべての山に登れ」、「ドレミの歌」、「エーデルワイス」、そしてCMに使われた「私のお気に入り」など良く知られた曲がある。