夢七雑録

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稲荷百社詣その三十四

2008-03-24 22:16:40 | 稲荷百社詣

(95)王子稲荷 (北区岸町1)★★★

 京浜東北線の線路の下を潜って向こう側に出たところで、町内会の役員と思しき連中が、前を歩いているのに気が付いた。祭の下相談にでも行くのだろうか。そのうち、彼らは王子稲荷の横の坂を上がり始めた。王子稲荷の公式な参詣ルートは正面の石段の筈なのだが、今日は閉鎖されてでもいるのだろう。後を追って坂を上がり、上の入り口から中に入ると、彼らはすでに姿を消していた。ところで、この稲荷は関東稲荷総社の格式を持つと称し、江戸稲荷番付では勧進元をつとめる江戸一番の稲荷であった。今でも火防の凧を出す初午の日には、大変な賑わいとなる。落語の中で人間に騙された狐が棲んでいたのも、この稲荷である。せっかくなので、その狐の穴を覗きに行ってから外に出た。すると、何と先程の連中が、付いて来いと言わんばかりに、こちらの前を歩いて居るのに気が付いた。だが、その前に装束稲荷に立ち寄りたかったので、付いて行くのは止めにした。

(96)装束稲荷 (北区王子2)★

 装束稲荷の名は、関東の狐が王子稲荷に集る際に、この辺りで装束を整えたと言うことからきている。そういえば、先程すれ違った、町内会の役員らしき連中も、この辺りで装束替えをしていったのかも知れない。参拝を終えて外に出ると、猫の集団が、付いて来いと言わんばかりに、こちらの前を歩いている。黙って、あとを付いていくと、角を曲がったところで、すっと姿を消してしまった。こちらの勝手な思い込みというわけだろう。


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