夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

2017年 3月 8日(火)「東京日記」

2017年03月08日 22時53分28秒 | 「本・文学」
川上弘美さんの作品に「東京日記」があります。
現在「卵一個ぶんのお祝い。」「ほかに踊りを知らない。」「ナマズの幸運。」「不良になりました。」の4冊が出版され、現在のウェッブ上で書き継がれています。
川上さんはこの「東京日記」について「卵一個ぶんのお祝い。」のあとがきで次のように書いています。
「『東京日記』という題は、(中略)敬愛する内田百閒の同題の作品にも。とはいえ、百閒先生と並んでしまってはおこがましい気がして、表紙には『東京日記』という字は、小さく印刷しました。」
内田百閒の「東京日記」は今も岩波文庫から出ていると思います。
また、川上さんは同じくあとがきで次のように書いています。
「以前『椰子・椰子』という、嘘日記の本をだしたことがありました。本書は、本当日記です。少なくとも、五分の四くらいは、ほんとうです。普通に生活していても、けっこう妙なことがおこるものだなあと、読み返しながら、なつかしく思いだしております。」
また「此処彼処」の後書きには
「具体的な場所の名を示す、ということは、つまり、私個人のことをはっきりと書くことなのだということを、この仕事によって教わった。そしてまた、私個人のことを書いたつもりでも、結局は何も書けていないのだ、ということも。」
百閒にしろ川上さんにしろその作品の舞台は大都市東京です。
人工的なものが広がり、多くの人々がひしめき合う大都市。
その中に自分という人間が人工的なものと多くの人々のはざまで生息している。毎日の生活があります。
幻想的でもあり不思議な妙なことは大都市であるからこそ日常に現れてくるのかもしれません。自然が織りなす不思議なことではなくて、人が織りなす不思議なこと。。。。
日記は個人のことを書くわけですが、その個人は多くの人々の言動の中で流されている。何が個人(自分)だかわからないようにもなりますが、川上さんは時々自分がずれていると感じるそうです。この人々に流されている中で自分がずれていると感じる時、個人が現れるのではないでしょうか。するとそのずれている自分を通して人々の流れの中に奇妙なものが見えるのかもしれません。
ということで、僕も恥ずかしながら東京日記を書いています。
古い物は一時ブログをやめてすべて消えてしまいました。毎日の妙なものは消えてしまいます。
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gooお題「水木しげる作品」

2017年03月08日 10時56分21秒 | 「思うこと」
水木しげるの作品と言えば。。。。。
やはり『ゲゲゲの鬼太郎』と「悪魔くん」ですね。。。。
どちらも人の心の影を感じます。水木さんは戦争で片手を失っていますが、作品にはこの経験が出ているののではないでしょうか?
戦争はもちろん、今の時代のように敵をつくって戦争の準備をすることにより人の心も変わっていくと思います。すでにヘイトや国民間の分断も進んでいます。「反日」という言葉が不通に使われるようになってしまいました。心と心の触れ合いは話し合いから始まりますが、ヘイトや反日あるいはバカで議論をしなくなっています。
ヘイトや反日そしてバカの羅列が言論とされています。
このような社会においては人の心も劣化をしていきます。それは人の心の影を大きく膨らませるでしょう。表面上の「美しい」とか「正義」とかという言葉と裏腹に影が大きくなっていきます。
この心の影が妖怪という形に具現化されているのではないでしょうか?
水木さんの作品は、この妖怪が独り歩きをしてしまってその妖怪が人間に襲いかかってきます。
人が作り出した妖怪に人が苦しめられる。。。。今の社会です。
子供が小さいころ、古本屋さんに連れて行けと言われて付き合ったことがありました。
子供が本を探している間に僕も暇なのでコミック誌を眺めていました。
その中に「墓場の鬼太郎」がありました。
今はテレビで何となくかわいさすらある『ゲゲゲの鬼太郎』ですが、初期の作品はまるで違う世界です。どのように鬼太郎が誕生するか。。。。。母親の墓から鬼太郎が出てくるところは衝撃的です。
先日スカット何とかというテレビ番組を見ていたのですが、笑ってスカットなどしていられない時代になっていると感じます。ゲゲゲの鬼太郎の可愛さは子供の夢を壊さないように何も言いませんが、大人として何を底から見出すのかは忘れてはならないと思います。
日本は昔から八百万の神々(自然神)人を守ってきました。しかしその裏には神々の数ほどの妖怪が出てきてしまっている。下手をすればその妖怪を信仰してしまう勘違いが出るかもしれない。
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