ときどき。
一人で畑にいたりすると、
「帰りたくないな~」
なんて思う。
畑は今、発芽ラッシュ
家へ帰ればゴンザとちゃあこが待っていて、確かな幸せがそこにはあるのに、
なぜか『帰りたくないなぁ』と。
その『家』には、何かを口に入れ、悶絶するオトコが一人...
偶然写りこんだ私の手の影が魔女みたいでおどろおどろしい。
彼の口に入っているのは例の北からの小箱の中身。
...あっ、こら!口の中味をべろ~んと出すな~!!(爆)
家へ帰ると何か嫌なことがあるとか、
一人でいたいとか、そんなのではない。
ただ、土を触って、虫や鳥を眺め、ボーっとしているのが幸せなだけなのだ。
こちらはにんにく
畑の作業はひたすら地味だ。
収穫の喜びはほんの一瞬で、他に私が畑にいる間何をしているかといえば、ひたすら雑草と戦い、育てている野菜たちが虫や病気にやられていないか、水は足りているか、肥料は?と、見まわり、対処するといったようなことだ。
しかし、私はそれが好きでたまらないのだ。
葉はほとんど枯れてしまっても、
ゴーヤは小さく実をつけ、生き残りをはかる。
雑草に申し訳ないと思いながらそれを引き抜かねばならない作業も。
小さな虫を潰さないようにそっと逃がす作業も。
みんなみんな。
そこには、季節の移ろいや自然の驚異がすべてつまっている。
来年用のオクラの種も.....
ほら、こんな風に。
雑草と呼ばれる小さな草々の。
ある者は、生き残るために大きく土を抱えるように根を伸ばし、そこから離れることを拒み、
ある者は、まっすぐ太く根を下し、例えば人が引き抜こうとしても、必ず一部は切れてそこに残り、再生をはかる。
鳥たちの羽は生え変わり、近くの川に憩う顔ぶれも一部入れ替わる。
人が畑を掘り返していると、そこから出てくる虫をお目当てに
寄って来るセキレイの仲間。
彼らは本当にすぐ近くまでやってきて、ちょこちょこと人のあとをついて回る。
いきなり振り向いてやると、『だるまさんが転んだ』みたいで面白い(笑)
秋になって。春から夏にかけて多かったハクセキレイに代わり、
キセキレイがやってくるようになった。
このお方は、掘り返し後から大きな虫を見つけてくわえてご満悦。
恋をする者、とどまる者、旅立つ者。
始まって終わって、終わって始まって、また繰り返す。
隣の畑では美しい花々が誇らしげに咲いている
それらを見るともなく眺めながら、
または穴があくほど見つめながら。
『ああ、帰りたくないなぁ』と、ときおり思う。
河川敷は一面のすすきの原
.....しかしそれは、私にちゃんと帰る場所があるからに違いない。
そしてその場所が、確かに幸せだから、そんなことが言えるのだろう。
ぬかに手を突っ込むのがツライ季節になってきた。
冷たい!
こっちはほかほか♪
炊飯器で作った『揚げない大学芋』