初夏に植えつけた落花生が、いよいよ収穫のときを迎えました。
この秋はなかなか寒くならず、『落花生は下葉が黄色くなってきたら獲りごろ』と言われているのにも関わらず、肝心の下葉は一向に黄色くならず。
しかし、ここへもってきて急に朝晩冷え込む畑は霜でも降りるのか、その葉が上のほうから変色して枯れこんで、「こりゃあもう待ってられない」と、収穫に踏み切った次第。
花がついた先が地中に潜り、実を結ぶから『落花生』
小さな苗は、大して構いもしてあげていないのに、夏中旺盛に育ち.....
文字通り花を落として地中に潜り、たくさんの実を結んでくれました。
我々がお店で買う落花生は、
これを畑でしばらく干して煎ったもの。
もちろん中には虫に食べられてしまったものもあったけれど。
無農薬で、ほとんど手入れもしていない畑の二株から、これだけ獲れれば上等ってもんです(笑)
落花生の葉の陰、及び地中には、
たくさんの虫が隠れていました。
あんたたち、起こしてごめんね~。
早く新しい棲み家、見つけなさい。
「あっ、ここ掘り返したんですか?私、虫食べたいんですけど...」
ハクセキレイは人をほとんど恐れません。
我々は収穫した落花生をブチブチと茎からはずすと、大切に家に持ち帰りました。
ほんと、掘り返したときから、まんま『落花生』
(あたりまえだけど・笑)
なんでも、聞くところによると、落花生は煎ったのも美味しいけれど、獲れたてを塩茹でにしても美味しいとのこと。
そうなりゃ、我々もやってみないわけにはいきません。
これが今年の全収穫量
インターネットで調べてみれば、茹で時間は30分~1時間もかかると書いてあるけれど。
美味いものを食うのに時間がどーだ、手間がどーだとは言ってられません。
私は泥だらけの落花生をしつこくしつこく何度も洗っては、大きなずんどう鍋に放り込み、グツグツと45分間。
殻ごと茹でたのでした。
茹であがり!
正直言って、茹でている際の湯気はあまり心地のいい香りではないけれど、茹で上がった落花生は、甘くて食感も良くって、おつまみなんかにちょうどいい。
もともとこの『塩茹で落花生』は、農家の方が、売り物にならない未熟果をこうして自宅で食べていたことから広まったということだけれど、
我々が今回落花生を育ててわかったのは、「塩茹で落花生が美味しい」ということ以上に、「農家の方は大変だ」ということでした。
薄皮をむくとこんな感じ。
甘いよ~♪
苗を植えるところから始まって、掘り返して収穫し、あの小さな莢を茎からはずす。
我々など、たった二株でも大変だったのに、これを数え切れないほど育て、収穫する労力といったらどれだけのことでしょう。
どの作物でもそうだけれど、楽して育つものなど何もない。
この、元気に実ってくれた落花生を見つめながら、私の中では.....。
「いいものを安く買いたい」と思う消費者の心と、
「こりゃあ安く買い叩かれたんじゃ、農家の方もやってられないだろうなぁ」という、二つの心が、はからずも交錯したのでした。
「えっ?なんですって!?」
ゴンザの足越しにカメラを向ける私のほうを見つめるハクセキレイ。
e「いっ、いえいえ、失礼しました」