庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

ハスにはトゲがあった

2024年07月13日 | 庭の花たち
ハスの立ち葉(水面から立ち上がっている葉)が4枚になりました。
大きな葉の中央に白い部分があります。ここでハスは呼吸しています。ここが水没してしまうと、ハスが窒息してしまうことは、前回ブログ「ハスは水に溺れることがある」で記しました。
拡大して見ました。鮮明ではないのでよくわからないのですが蓋をしているように見えます。
この画像では10時の方向からの葉脈に薄緑色の丸いものがついているように見えます。
もう一つの葉も拡大して見ました。何か同じように蓋をしているようです。こちらの葉では1時の方向からの葉脈に薄緑色のものがついているようです。もしかして今は呼吸していないのかな?
それとも、蓋の隙間から空気を噴き出している最中なのかな。もしかして空気を吸い込むときは蓋を開くのかな?
 この気孔のことが気になって、葉を引き寄せようとして、葉柄を持った時に、あれッ。葉柄がざらついている。というわけで、今回は気孔を詳細に見てみたかったのですが、気孔のことは後回しにして、その前に葉柄のざらつきを確認することにしました。
葉の裏側のざらつく葉柄を見ましたが、肉眼の視力が弱った雑草には、手に伝わるざらつきが何によるかわかりません。そこで、カメラで接写して初めてわかりました。モニター画面で拡大して見たら、下向きのトゲ状突起が見えました。
さらに下のほうをを接写すると、同じように下向きのトゲ状突起がありました。
ハスにトゲがあるなんて初めて知りました。
でも手で触れて痛いほどではないです。もしかしてまだ硬くなっていない葉柄なので、トゲも硬くはないので、痛く感じないのかもしれません。
このトゲは何のためにあるのでしょうか?
 ひとつ思いついたことは、万一にも葉が水中に沈みこまないためにあるのかもしれません。もし風雨が強い日があったとして、葉が倒れそうになった時に、葉柄が他の物に触れたときに、その物に引っ掛かって沈まないためにトゲが下向きにあるのかも。 単なる推測にすぎませんが、いかがなものでしょうか。あるいはもっと別の目的のためにトゲがあるのでしょうか。
今後の成長を観察しながら突き止めてみたい宿題です。


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ハスは水に溺れることがある

2024年07月09日 | 庭の花たち
昨年2023年10月初めハス発芽
ハスを発芽させたのは昨年10月初めでした。ハスの固い殻に穴をあけてガラスのコップ(高さは通常のコップの半分)の水中に置くと2日目には発芽しました。
発芽5日目には葉が水面に達しました
発芽11日目には葉が開き始めました
ハスは葉の中央に気孔があって、この気孔で呼吸しています。水中にあるときは種の中に含まれた空気で成長してきたのですが、今日からは葉から空気を呼吸できます。
発芽11日めに栽培用水槽に移植
栽培用水槽には、畑の土を入れ、土の表面はハスの種が動かないように、赤玉土を約1センチ入れて、水深はコップの水深と同じ約5センチにしました。
ハスは水面に葉を出した状態です。
発芽19日目 葉が2枚ずつ開いています。秋も深まり、すでに10月19日です。近所で屋外で花を咲かせたハスはすでに葉が枯れていました。ハスは熱帯植物で、気温が低くなると、ほかの植物はまだ葉が枯れないのに、ハスはいち早く地上部が枯れてしまいます。
発芽20日目 水槽をガラス板で密閉
夜間は水槽にガラス板で蓋をして、密閉してハスの葉が枯れないようにしました。
発芽31日目 順調に成長中
順調に成長中ですが、明日から11月です。まもなく成長が止まることでしょう。
 通常はハスの種を播くのは春の3月から4月ころです。夏の間成長したハスの地下茎は鉛筆くらいの太さですが、秋口に地下茎の先端部の3節くらいが太ってきます。それでいわゆるレンコンとして、地下茎の中にある穴も太くなります。
 ところが今回発芽させたのは10月初めですから、生長期間がわずか1か月しかないので、地下茎は細いまま冬を迎えることになります。
発芽35日目 成長が鈍化しました
発芽35日目 二重水槽にして保温
ひとまわり大きい水槽の中へ、ハスの水槽を入れて、二重の水槽にして、保温効果を高めて、生長期間をできるだけ長くしようとしました。
右側の緑色の鉢は、左の角型水槽の発芽より17日遅れで発芽させたものです。
11月20日 発芽51日目
ついにわずかな隙間風によって、葉が枯れ始めました。もう、今シーズンは成長はほとんど望めません。わずか51日間しか生長期間がないまま冬を迎えることになりました。
1月12日
12月には葉の色が次々に悪くなり、1月に入ると、葉は急に枯れてしまい、わずかに2枚だけになってしまいました。
2月18日
大寒を過ぎるとすべての葉が枯れてしまいました。
2月18日
それでも二重水槽で保温していたので、水中で伸びが止まった蓮の葉芽は緑色をしていました。
4月23日 水槽のなかで育ったアカバナルリハコベが咲きだしました。いよいよ春です。
4月24日 水中にあった葉芽が動き出しました
4月29日 樽へ移植4月29日 樽へ移植
無事に冬を越した発芽苗を樽に移植しました。傷めないように掘り出した苗は地下茎が3節ほどになっていました。でも地下茎はごく細いものです。
4月29日 樽へ移植
直径約30センチ、深さも約30センチの漬物樽に移植しました・
4月29日 樽へ移植
ハスの葉芽がかろうじて水面に顔をだすようにしました。
4月29日 キジバト飲水
早速キジバトのつがいが来て、餌を食べた後で樽の水を飲みました。
こうして、ハスの葉が伸びてくるのを待っていました。
ところが、水中の葉芽の茎は緑色なのですが、いっこうにハスの葉が水面に現れません。水芽に顔を出させていた葉柄が水中に沈んでしまいました。
5月中は様子を見ていたのですが、ついに葉が出ることはなく、掘り出してみたら、水中で緑色をしていた葉柄はすでに根茎と離れていました。根茎も枯れてしまったようです。

何故枯れてしまったのか。
 昨年発芽したハスは冬を越して、春先までは生きていました。なぜ、新しい葉を出さないで枯れてしまったのか。
 ハスの文献を参照してみたところ、大きくなって花を咲かせるハスであっても、すべての葉を水中で切ってしまうと、弱ってしまうばかりか、枯れてしまうことがあるということです。
 そこで考えたことは、冬を越して、春になり、いざ葉を水面に出そうとすると、大量の空気が必要となるはずです。
 通常は、春に発芽して、夏の長い期間成長して、地下茎の太い部分が3~4節できます。この太い地下茎の中には太い穴がいくつもあります。
 ところが秋終わりの10月に発芽した地下茎はごく細く、当然中の穴は極細です。これでは春先に葉芽を水面まで伸ばすには空気が全く足りません。それどころか、葉芽を出す準備の力さえなくて枯れてしまったようです。
 死亡診断書は窒息死です。蓮は沼などの水中で元気に育つものですから、水には強い植物と思いがちですが、水に溺れてしまうという意外な弱点があるのでした。
 
という悲しい結果で終わらせたくありません。6月に改めて種を播きました。3月終わり位に播くのが理想でしょうが、まだ間に合うとのことでした。
 今度こそ冬越しで失敗しないようにしたいと早速種をもう一度いただいて発芽させました。
7月8日 再チャレンジのハス
6月初めに発芽した、再チャレンジのハスは、昨年10月に発芽したハスの数倍の勢いで成長しています。

水没して弱ってしまったハスの例 ネットよりの情報です。
 宮城県伊豆沼・内沼はハスの花が沼一面に咲く名所です。ところが、伊豆沼・内沼のハスは2022年の大雨で水位が2mも上昇してかなり被害が大きかったそうです。いまようやく復活しつつあるのですが、まだ以前の姿ではないようです。
 蓮は葉が水没してしまった結果、窒息して枯れたり、弱ったりした結果のようですね。







コメント (7)
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なぜホシザキユキノシタの葉の模様の色は赤色だけなのかを考えてみたら

2024年05月27日 | 庭の花たち

ホシザキユキノシタ
世界で一ヵ所しか自生地がないホシザキユキノシタの花。
 ふつうのユキノシタの花弁は下側の花弁が幅広く長いのであるが、まるで雄しべのように細くなっていて、花の形が輝く星のようです。
 普通のユキノシタをネットなどでみると、葉の模様が赤色の葉と、緑色の葉で、白色が目立つ葉とがあるのですが、ホシザキユキノシタの葉の模様は赤色のみです。なぜ、模様の色が緑色で白が目立つ葉のホシザキユキノシタは存在しないのでしょうか。
 それは自生地が一ヵ所しかないからです。と言ってしまえばなるほどと納得してしまいます。
 たまたま庭に、葉の模様が緑色で白が目立つユキノシタがあるので、ホシザキユキノシタの葉と比較してみました。
 庭のホシザキユキノシタの葉の模様は赤色です。これを赤い葉とします。
 庭のユキノシタの葉の模様は赤色部分が緑色で、白色が目立ちます。これを白い葉とします。
 ネットでユキノシタの葉を見ると、やはり赤い葉と白い葉があります。
それなのに、ホシザキユキノシタには赤い葉しかありません。少なくともまだ出会っていないし、ネット上でもみあたりません。
 それはホシザキユキノシタの自生地が一ヵ所だけだから。ということに落ち着くのだが、ホシザキユキノシタと白い葉の花と見比べていて、ふと気づきました。
 庭の白い葉のユキノシタ1
 庭の白い葉のユキノシタ2
 庭のホシザキユキノシタの花と違うのは下側2枚の花弁の形の違いだけではないことです。
 上側3枚の花弁の模様の形は似ていても、模様の色が 1黄色味を帯びていて赤色が薄いか、 2赤色が全くなくて黄色である。
 庭には赤い葉のユキノシタが無いので、ネットで確認してみたら、やはり、赤い葉の上側花弁は赤色が濃く、ホシザキユキノシタの色と同じでした。また白い葉の上側花弁は同じく赤色が薄いか、黄色のようです。
 何故、白い葉の上側花弁3枚の色合いが赤が薄かったり、赤色が全くなくて黄色なのでしょうか。ヒントになったのはこの花です。
 ハルユキノシタ(ベニバナハルユキノシタ)
 7年前の植木市で入手したが、枯死してしまったハルユキノシタ。花弁が赤いのでベニバナハルユキノシタと思われる花です。
 ユキノシタより少し花期が早いので、ハルユキノシタと言われるものです。この上側3枚の花弁は模様が黄色です。
 もしかして、赤い葉のユキノシタとこのハルユキノシタが交雑することにより、花弁の模様の赤色が少なくなり、模様の部分が黄色くなるのではと考えました。
 ハルユキノシタの葉
 ハルユキノシタの葉は緑一色です。赤い葉のユキノシタのように葉脈付近の白模様が無いようです。
 この緑一色の葉に、赤い葉ユキノシタの葉脈付近の白模様をつけると、白い葉のユキノシタの緑色の模様がはっきりと見えてくると思います。

 なぜホシザキユキノシタの葉の模様の色は赤色だけなのかを考えてみたら、
 純粋なユキノシタSaxifraga stolonifera Curtis は赤い葉をしていて、花弁3枚の模様の色も赤が基本と思います。その近縁のホシザキユキノシタも赤い葉で、花弁の模様も赤色が基本です。
 ハルユキノシタSaxifraga nipponica Makino およびベニバナハルユキノシタ Saxifraga nipponica Makino f. rosea Togashi et Satomi は葉に模様が無く緑一色で、花弁3枚の模様の色が黄色が基本です。
 このユキノシタとハルユキノシタが交雑した時に、葉にはユキノシタと同じ模様が現れ、赤色は消えて緑色の模様となり、また花弁3枚の模様はユキノシタと同じ形になり、赤色が消えて薄くなり、さらに黄色一色になった花もある。
 このように赤い葉のユキノシタと緑一色の葉のハルユキノシタが交雑することに拠って、白い葉のユキノシタができたと、このように考えられるのではないでしょうか。
 もしも、この通りであるならば、白い葉のユキノシタには交雑種としての名前を付けてもよいのではないでしょうか。
 と思って調べたらアオユキノシタSaxifraga stolonifera Curtis f. viridifolia (Makino) H.Hara  というのがありました。まさしく白い葉のユキノシタはアオユキノシタでした。花弁3枚の模様の色が微妙に違うものがあるので、白い葉のユキノシタをすべてアオユキノシタとしてもよいのか迷うとところもあるが、これからはアオユキノシタと言うことにしようと思います。

 でも花期がずれているのにどうして交雑できたのか疑問の残るところです。三春の桜で有名な三春は梅桃桜が同時期に咲くという意味でして、多くの地方ではありえないことですが、どこか限られた地域では同時に咲くこともないとは言えません。高山植物のように短い期間に多種類の花が同時に咲くようなこともあるりまえるかと思います。梅は野梅系、アンズ系、スモモ系が交雑しているのですが、これも同時に咲く場所は限られていて、多くの地では花期がずれています。

ボケ防止にあることないこといろいろ考えております。
 
 






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小澤の滝の黒松

2024年05月16日 | まち歩き

以前、リハビリ散歩を二人でしていた時に知り合った方と出会いました。挨拶をして互いの近況を話し合いました。聞けば一緒に散歩していた犬が2年前に亡くなったので、歩くことが少なくなったそうです。歩道わきの垣根に常緑ガマズミがあったことから、草木の話になり、庭には金食い松があるとのこと。松は職人により管理が欠かせないとのことで、偕楽園出入りの造園業者の職人に来ていただいているとのことでした。
 
樹齢およそ150年になる立派な黒松です。
その方のお爺さんのお父さんは研ぎ師であったそうです。
明治の初めころ、水戸藩の剣道場東武館の小澤館長から刀を研ぐことを依頼されたそうです。
刀の研ぎ代として、東武館の近くの自宅の庭の斜面にある小澤の滝のちかくにあった黒松をくださったそうです。それが今も庭にあるわけです。ということで推定樹齢は150年にはなるわけです。
何と珍しい記念の黒松でしょうか。枝ぶりもよく、堂々とした大木を管理し続けてこられたそうです。
松くい虫からもまもられ、枝ぶりもよく保ってこられました。 
この黒松をいただいたのは明治の初めころというので、おそらくは初代館長ではないかと考えられます。
東武館初代館長は小澤寅吉政方。北辰一刀流。
明治7年1月1日44歳 自邸内に東部館創設
以下7代を経て現在にいたる。詳しくは水戸東武館の沿革を参照ください。
この黒松は小澤館長の自邸内の斜面にある小澤の滝の近くにあったそうです。
現在東武館からそれほど遠くない位置に「小澤の滝」という場所があります。
以下はGoogle Mapを借用しています。
右下の緑色が水戸東武館で左上の緑色が小澤の滝です。
小澤の滝の位置は、東武館の北西、直線距離で約200mです。
東武館は水戸台地の標高約30mで、小沢の滝は標高約6mですから、約24mも斜面を下った場所です。写真の左上から右下にかけて、茶色と黒の色の濃い部分が斜面です。少なくともこの範囲が自邸としても、かなり大きな屋敷があったことがうかがわれます。
現在の小澤の滝です。湧水の小川が池に流れ込んでいます。現在は滝らしいものがありませんが、当時は水量も現在よりも多かったと思われ、あるいは滝らしい滝があったのでは考えます。
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カザグルマの森の花のゴールデンウィーク

2024年05月12日 | 庭の花たち
 5月2日カザグルマ一番花が開花
在来種のテッセン カザグルマの季節になりました。
 カザグルマの森
木々の緑が急に濃くなって、鬱蒼としてくるときに咲き始めるカザグルマ。
ツツジの白花が終盤になり、オオムラサキツツジが盛んになるころ。
電柱のようなモミの木の切り株にキヅタが絡みついて、キヅタの中を這い上がったカザグルマの蔓に白い花が咲きだす。
 オオムラサキツツジは天辺の開花始まる。
 同じ株でも下部はすでに満開。
庭の季節は、わずかな高低差でもだいぶちがう。

 アヤメが地上で咲かせたのが4月30日
 地上高約1.8mの築山の頂上でアヤメが盛んに咲きだしたのは5月6日で、朝方は霜注意報がでていた。
 寒暖の差が大きいこの季節に、花たちは開花に最適な日時を見極めて花を開いている。
 カザグルマの二番花が一番花開花の翌日5月3日に開き始める。蕾の時に虫に齧られて形がよくない。
 開花3日目の5月4日に3番4番花が開花する。 上から二番花、一番花、三・四番花
 同日オオムラサキツユクサ一番花が開花
 5月6日 五・六番花開花。今シーズンの花が咲きそろう。なお返り咲きもよくあるので、6月以降にも花を期待している。

 同日オオムラサキツツジも満開となる。
 同日ユキノシタの一番花開花

 5月7日 昨夜の強風のためカザグルマ1輪の花茎が折れて花がしおれる。
 オオムラサキツツジは強風にもめげず満開
 同日ホシザキユキノシタ一番花開花

 5月8日ヒメサユリ開花

 5月8日ガマズミが咲きだす
この後もマタタビやサルナシ、ヒオウギアヤメなどの開花が続々とツずくので目が離せない日々が続きます。

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