グループZAZA

「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

文科省にもいた“水野靖久復興庁参事官”

2013-08-28 21:49:14 | 渡部通信

今回の渡部通信は、シリーズ「2013年全国学習交流会」の最終第26版です。

 
前回の<文科省交渉>に関して、大阪の辻谷さんから以下のようなメールが来ました。文科省の体質がここにもよく表れています。ここに出てくるのは黒沼一郎という文部官僚です。復興庁といい文科省といい、政府の役人がいかに傲慢で腐りきっているかということがわかります。
 

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文科省にもいた“水野靖久復興庁参事官”

 

2013.8.28

 

辻谷博子

 

「日の丸・君が代」問題等全国学習交流集会の文科省交渉に参加して3年目になる。いわゆるキャリア組と呼ばれる若い官僚たちと現場で直接生徒とかかわっている私たちの「交渉」はなかなかかみ合わない。しかし、中央教育行政にかかわる彼らに少しでもわかってほしいと、これまでも問題提起をして来たつもりだ。

 

ところが、昨年の交渉を終えた翌日、信じられないようなことが起こった。私は「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪全国集会実行委員会公式ツイッターを担当している一人である。

 

前日の交渉について、誰か発信していないか検索したところ、驚くべきツイートを発見した。ツイッターと言うのは、140文字以内の「ツイート」と称される短文を投稿できる情報サービスで、いわゆるソーシャル・ネットワーキング・サービスと呼ばれるものの一つだ。不特定多数の人に発信できるという点では社会運動には有効なツールだ。しかし、140字と極めて短い発信になるため、ややもすると感情的になりがちな面は否めない。

 

2カ月ほど前、水野靖久復興庁参事官(当時)が、ツイッターで「左翼のクソども」などと市民団体への中傷を行なっていた事件が報道され全国的に批判の対象となった。根本匠復興相はすぐさま621日記者会見を開き、国家公務員法に基づき水野氏を停職30日の懲戒処分にすると発表した。根本復興相自身も1カ月の大臣給与の自主返納を表明した。

 

この報道に接して思い出した。昨年の屈辱的な文科省の若い官僚のツイートのことがありありとよみがえってきた。そのツイートは、今でも、だれでも閲覧できる状態として黒沼一郎氏のツイッターにある。当時、こちらのツイッターに「リツイート」(引用)したので、まず、それを見てもらおう。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                                  

20120811()

 

 

Ichiro Kuronuma@kouro16

 

「日の丸・君が代」裁判全国学習・交流集会とかいう集団のようだが、文科省に来て、どこどこの自治体がやっているこれこれは、どういうことなんだ、的な話をしにくるのは、来る場所を間違えている。その自治体に聞いてくれ。……まぁ、紹介する議員の問題でもあるが。

 

Ichiro Kuronuma@kouro16

昨年は私も出席したが、今年は部下に行ってもらった。どうやら、他の課も同じ判断をしたようだな。……大体、こっちの説明を聞く気もなく、何を説明しても自分の意見で怒鳴るだけの人達には、誰が応対しても(応対しなくても)一緒なんだが。まぁ、部下には悪いことをした。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

                                        

黒沼一郎氏はフェイスブックやっている。ツイッターも実名で、しかも文科省の役人であることを明らかにしている。その上でこのツイートである。文部官僚にとって、交渉は言う前でもなく公務である。ところが、交渉に来た私たちを見下すばかりではなく、紹介議員まで愚弄している。他のツイートも見たが、どうやら彼は公務の愚痴をかなり、この私的なツイッターでつぶやいているようだ。そのとき、久しぶりにあった教え子にこの一件を伝えると、「国家公務員法に抵触するおそれがありますね」と、やはり信じられない顔つきであった。

 

本来なら謝罪を求めてしかるべきところであるが、全国からの交渉参加者にとっては、時間はいくらあっても足りない状況であり交渉時間を削るわけにはいかず、冒頭、若い官僚たちに注意喚起をするに留めた。ところが、である。応答した若い文科省役人は「私は、フェイスブックもツイッターもしないので…」を何度も繰り返すありさまだ。またしても、あなた方は公僕なのですよと諭したくなった。

 

本年の、いや本年も、極めて貴重な文科省交渉が、すれ違いの徒労に終わったことは言うまでもない。どうすれば、若くて「優秀な」彼らに、いま、現実に起こっている教育ファシズムとも言える状況を伝えることができるのだろうか。

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8月26日、「文科省交渉」(午前中)の後、「最高裁要請」(午後)でした。ここでは9月初旬の最高裁判決を前に、以下の要請が行われました。

 

1、都障労組(3人人)の『公正な審理と判決を求める要請書』

  (1人は減給処分の河原井純子さん)

 

2、東京小中(10人)の『大法廷にて公正な審理と判断を求める要請書』

 

3、累積加重処分取り消し(近藤順一さん)の『最高裁に公正な判決を求める要請』

 

4、米山良江さんの『判決を前に改めて訴えます』

 

ちなみに、最高裁判決は以下のような日程です。

 
・9月5日(木) 14:00~ 第1小法廷  東京小中「君が代」裁判(10人)  
・   〃    15:30~ 第1小法廷  累積加重処分取り消し裁判(近藤順一さん)

・9月6日(金) 14:00~ 第2小法廷  東京「君が代」第二次裁判(62人。減給21名・停職1名あり)  

・   〃    15:30~ 第2小法廷  米山さん(戒告処分・非常勤講師合格取り消し)裁判 

・9月10日(火)14:00~ 第3小法廷  都障労組3人(1人は減給の河原井さん)裁判

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最後の「報告集会」では、

「文科省交渉」と「最高裁要請」の報告・感想などが出されましたが、省略します。


以上、2日間にわたる集会・行動を通して基本的には以下のようなことが明らかになったと思います。

 

1、安倍政権の下で、改悪教育基本法の具体化があらゆる面で進行していること。しかもそれは改憲の動きとセットになって急速ピッチで進行していること。しかし、それに反対する既存の野党・組合などの力は弱まっていること。

 

2、そうした中、今回の「全国学習交流会」では、これまでの「『日の丸・君が代』問題」に「等」を加え、 「日の丸・君が代」強制反対闘争を軸に、教育戦線での闘いを進めるための「全国ネットワーク」形成の提起が多くの参加者に受け入れられたこと。そして、それに向けての情報交換や人的交流を進めていくことが、参加者全体の共通認識となったこと。

 

このことは今後、各地での具体的な闘いと相互交流を通じて、一歩一歩進んで行くであろうと思います。(当面、<東京>と<大阪>が車の両輪の役目を果たし、運動をけん引することになると思います。)

 

最後に、今回の集会に来られた北村小夜さんが、「季刊ピープルズ・プラン」61号(2013年5月)に書かれた『安倍政権の「教育再生」計画』という論文から、その一節を紹介したいと思います。
 

 (教育再生実行会議は)「4月4日に第四回会合を開き提言を出し続けている。その危険な野望は、全面的な教育の国家管理であり、憲法改悪につながることである。それにどう対決するかが与えられたテーマである。自分の教員生活を顧みて忸怩たるものがある。戦後一貫して、なかでも臨時教育審議会以降、巧みな教育委員会・教師・制度批判のレトリックによって改革の必要性を訴え不都合な政治主導の改革が行われてきた。私たちはその都度たたかってきたつもりであるが、 実態は後退りの連続で『戦わない』憲法を持ちながら軍隊を持っているように、安倍の『教育再生』のかなりの部分で実体化させてしまっている ことを認識するところから考えなければなるまい。すなわち戦後をやり直すことである。」

 

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(追) 

 

8月30日(金)、秋の闘い第一弾!

田中聡史さんへの再発防止研修が板橋特別支援学校で行われます。

抗議行動は以下の予定。どの時間帯でも結構です。

多数お集まり下さい。

 

7:30~ 板橋特別支援学校前で職員にチラシまき。

 

8:30~ 校長に申し入れ

 

10:00~ 校門前で監視・抗議行動

 

**************************************************************************
「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
http://houinet.blogspot.jp/

「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
http://homepage3.nifty.com/hinokimi
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8.30田中聡史さんへの再発防止研修抗議行動

2013-08-28 20:27:13 | 東京の根津公子さんからのメール

8月30日、田中聡史さんへの再発防止研修が行われます。どうか多くの方々が抗議行動に参加されることを願っています。グループZAZAは残念ながら当地に出向いて抗議することは叶いませんが、大阪の地より精一杯の支援と連帯のエールを送ります。

以下に、根津公子さんのメールを掲載します。


 「君が代」不起立を続けている板橋特別支援学校の教員・田中聡史さんのたたかいについて、この間何度かお知らせと支援のお願いをさせていただいてきました。

 きょうは、30日に都教委が田中さんに対して行なう再発防止研修に抗議する行動への参加を呼びかけます。

 8月30日(金)は都教委が板橋特別支援学校に押しかけての「再発防止研修」の4回目です。

 河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会では、校門前で次の行動を行います。どの時間帯でも結構ですので、どうぞご参加ください。

◆7:30~8:30 
出勤する職員に向けてチラシ配り

◆8:40  
中止を求めて校長に申し入れ

◆10:00~11:00 
「再発防止研修」抗議

*板橋特別支援学校は三田線の高島平駅東口の北側から徒歩5分です。
 
 都教委は「君が代」不起立で処分をした教員に対し、「再発防止研修」を行い、思想の転向を迫っています。

 「君が代」不起立処分の撤回を求めた裁判で、昨年1月の最高裁判決が、「過去の処分歴」のほかに「不起立前後の態度等」が悪ければ「戒告を超えるより重い処分」をしてもいい、と判じたことを使い、都教委は昨年からの「再発防止研修」の質と回数を非常に悪質化させました。これだけの回数「再発防止研修」を設定し、反省の機会を与えてやったのに反省がなく、不起立をやめない。そのような教員には重い処分をするということです。

 都教委は最高裁判決から1年後のこの春の田中さんの不起立に対し、最高裁判決が原則禁じた「戒告を超えるより重い処分」である、減給1ヶ月処分を出しました。連続不起立をしているから反省がない、「不起立前後の態度」がよくないというのでしょう。

 その田中さんに対し、都教委は4月5日から9月17日まで実に半年にわたり、19回の「再発防止研修」を強行しています。都教育センターに呼び出してが3回、都教委が学校に押しかけてが4回、校長によるものが12回の、計19回です。

 30日(金)は、都教委が板橋特別支援学校に押しかけての「再発防止研修」の4回目です。

 今後、田中さんが不起立を続ければ、都教委はより重い処分を仕掛けてくるでしょう。私たちは、大阪の条例にあるような、「教員として不適格」だとして分限免職処分(=クビ)を都教委が考えるのではないかととても心配しています。分限免職を阻止するために、行動をしていきます。

 皆さま、一緒に声をあげて下さい。

◇30日の行動に参加できない方、遠方の方は、「君が代不起立処分をするな」「再発防止研修をするな」と、あなたの声を都教委や校長に届けてくださいますよう、お願いします。

 《抗議・要請先》
東京都教育庁(=東京都教育委員会)〒163-8001
東京都新宿区西新宿2-8-1

総務部教育情報課(都民の声を聞く担当):電話 03-5320-6733 
FAX 03-5388-1726

板橋特別支援学校 
〒175-0082
東京都 板橋区 高島平9-23-22
電話 03-5398-1221 
FAX 03- 5398-1224

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あまりにも露骨な政治介入- 実教日本史を巡って大阪維新府議ら、府教委を恫喝

2013-08-27 16:00:28 | 教科書排斥問題

今朝の朝日新聞を見て驚愕しました。

高校「日本史」教科書を巡って、東京都、神奈川県でも、実教出版の教科書が排除されています。それらはもちろんゆゆしき問題です。

しかし、この記事の伝えるところでは、大阪では、紛れもない大阪府議会の一会派である維新の会府議団が大阪府教育委員会と意見交換会を持ち、挙句の果てには恫喝まがいの発言を行い、さらには、使用について「不適切」だと申し入れると言うのです。

これほどまでに露骨な政治介入があるでしょうか。まるで安倍自民党が画策しているところの教科書への政治介入を先取りし地ならしをするかのようです。ことの真偽を維新の会ならびに府教委に確認する必要があります。

先ほど、大阪府教育委員会事務局高等学校課に電話で問い合わせをしたところ、事実関係を調査中ということで、記事を事実とは認めませんでしたが、かりに新聞報道通りのことであれば、確かにこれは問題であると府教委さえも認めていました。その電話でのやり取りを掲載します。

○今朝の朝日新聞記事を見て驚いた。これは、教科書採択へのあまりにも露骨な政治介入ではないか?

●新聞記事の通りだとすれば、そのように受け取られてもしょうがない。わたくしどもも驚いている。現在事実を調べている最中である。

○8月8日の維新府議らと中原教育長との意見交換会で「維新側は実教出版を選定した校名のメモを見ており」とあるが、教科書採択前に実教出版を採択すべきでないと言っている維新府議団に、校名を情報提供するのは法的に問題があるのではないか?

●確かにそのようなことがあれば問題であると考えている。これも事実かどうか調べている。

○維新側からは、「その8校にみなで大挙してその学校に行こうか」との趣旨の発言があったと報道されているが、事実なら、暴力的な恫喝による政治介入を府教委が黙認することになるが、問題ではないのか?

●これも、新聞報道とおりだとすれば、問題であるが、そのような事実があったかどうかわからない。

○8月8日の意見交換会の会議録を見ればわかるのではないか。

●わかると思う。

○本日、維新府議団は実教出版「日本史」教科書の使用は不適切だと申し入れるとあるが、府教委は政治的圧力に屈するのか?

●現在、8校については、実教出版の教科書を使用するとき、どのような補助的な教材で教えるのか、問い合わせている最中であって、その回答を見て採択することになる。

○記事のなか、中原教育長の談話として、「これまでの事務局の説明自体が誤り。」とあるが、これは5月21日教育委員会会議において、当の中原教育長が述べていたことが誤りだということか?

※参考5月21日中原教育長の発言…「教育委員会が行う採択とは、教科書の中身の話ではなく、ルールが守られているかをチェックする最小限の仕事とした。」「採択は確認作業に近く、学校で責任を持ってやっていただくこととなる。」

●そのことも含め誤りがあった。採択は教育委員会にあるということだ。

○教科書採択をめぐって維新の会の介入がこうやって報道された以上、多くの市民は疑義を感じることとなった。8月30日の教育委員会会議で経過も含め採択についてきちんと説明するべきである。

なお、大阪維新の会府議団にも電話で確認しましたところ、記事にあるように大橋政調会長が取材に応じたものだとの回答でした。

 

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「日の丸・君が代」問題等全国学習交流会:文科省交渉報告

2013-08-27 09:41:04 | 渡部通信
「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会が行った文科省交渉の様子が、渡部秀清さんからメールで送られて来ました。
 
教育行政に携わるからには、憲法遵守こそが最も大きな判断軸であるはずです。全国で起こっている地域教育行政のあり方について、地域教育行政を重んじるような言い方をしながら、その実、文科省も目指すところは国家や強いものにおもねる公教育体制であることは明瞭です。 
 
以下、渡部さんのメールを転載します。
 
 
昨日(8月26日)に行われた「文科省交渉」の素晴らしい報告を<根津公子さん>が書いてくれました。少し長くなりますが、内容は明瞭・簡潔・正確で、これを読めば文科省の体質(一言で言えば「無知で無責任」)が、いかにひどいものであるかがかがよくわかります。
 
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「日の丸・が代」問題等全国学習交流集会文科省交渉の簡単な報告です。

 

文科省側は8名、一人を除いては20代だろう、若い職員ばかり。官僚としての研修なのかと思ってしまう。こちらの参加者は42名。

 

1)「日の丸・君が代」 

2)国際人権 

3)大阪府・市条例及び教育施策 

4)教科書採択 

 

に関して予め質問書を提出し、それに対する回答を受けてやりとりをした。

 

(⇒の回答・発言は文科省)

 

 1)「日の丸・君が代」について。

 

①学習指導要領は国旗国歌法制定のはるか以前から「日の丸」を「国旗」、「君が代」を「国歌」と表記してきたことは、国会の立法権の侵害ではないか。何を根拠に「国旗」「国歌」としたのか

長年の慣習による。立法権の侵害ではない。

 

②国旗国歌の「適正な取り扱い」とはどのような取り扱いを指すか。

⇒校長の判断によること。

 

③日本のように「卒業式・入学式での国旗掲揚・国歌斉唱の義務付け」をしている国が世界中にどれだけあると文科省は把握しているか

⇒韓国、中国は国旗法で義務づけている。アメリカは卒業式で義務づけている。独・仏・英では卒業式がない。

 

④「日の丸・君が代」についての文科省の教育委員会への指導・助言・援助について

⇒地方教育行政法48条1項に基づき、行なう。

 適切に行われるよう、文科省は通知をしている。

 通知・指導に強制力はない。学習指導要領に基づき適切に教育委員会がやっている。

 

中身のない回答に対し、参加者から再質問や意見、そして間違いの指摘が続いた。

 ・「日の丸・君が代」は東京では慣習ではない。

 ・韓国では、国歌とは言わない。愛国歌というのだ。

⇒改めて確認する。

 ・アメリカのバーネット判決を知っているか

⇒知らない。

 ・中国では義務づけていない。学校の判断で行っているのだ。

⇒知らなかった。 

 ・日本のように処分している国が他にあるか

⇒知らない。

 

 2)国際人権について

 

①朝鮮学校の無償化からの排除は無差別・平等原則を掲げた規定や

   「無償教育の漸進的導入」が「すべての者に対して機会を与えられるものとすること」

    の規定(社会権規約13条2b)に違反しないか。

⇒排除は人種による差別ではない。

 

②従軍慰安婦問題について「公衆を教育する」「あらゆる歴史教科書にこれらの事件を含めること」と、日本政府に示された勧告に対し、どう対応していくか。

⇒教科書への記述については、発行者、執筆者の判断。解説で、アジアの人への加害を書いている(から事足りるという意か?)

 

 参加者から、「国際規約では、敬意を強制して自由を侵害してはいけない、 と書いているが、知っているか。」と聞かれ、文科省側は、「知らない。確認する」

 

 3)大阪府・市条例及び教育施策

 

①大阪府・市職員基本条例の免職規定、累積加重処分規定は、2012年1・16最高裁判決に反するか否か、文科省の見解を明らかにされたい。

⇒直接コメントする立場にない。司法の判断だ。

 

②中原教育長は9月までに、「起立と斉唱を確認する客観基準」を作成すると発表している。このような強制について文科省の見解を明らかにされたい。

⇒任命権者の責任と権限としてすべき。教員は職務命令に基づき、起立斉唱する責を負う。

 

③大阪市教委は、全国学力テストの学校別結果の報告を各学校に義務付け、校長が学校協議会の意見を聞いて公表・非公表を決め、各校のHP等で公表するよう指示した。これに対する文科省の見解を明らかにされたい。

⇒過度な競争にならぬよう注意すべきだが、説明責任を果たすために、市教委は指示して問題ない。公表は各学校の判断によるべき。

 

 さらに参加者からの質問と発言。

・2条例は憲法19条違反、さらに98条に抵触すると思うがどうか。

⇒コメントする立場にない。

  1・16最高裁判決の、「不起立前後の態度等」を使い、3回で免職。これを適正と考えるか

⇒司法の判断を尊重する。文科省は判断する立場にない。ただし、処分が不適切ならば、文科省は検討する。

  1・16最高裁判決に基づき、府教委を指導してほしい。これは要望です。

 

 4)教科書採択について

 

①教科書の選定に当たっては、調査・選定の委員会が地教委や学校に置かれているが、それらの調査・選定の作業をどこまで把握しているか。

⇒教育委員会の権限がある。適切に作業がされている。

 採択権限は、地方教育行政法23条

(=教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。…6 教科書その他の教材の取扱に関すること)により、教育委員会にある。

 

②都教委の教科書採択介入に関して。

 実教出版社教科書の「一部の自治体で公務員への強制がある」

 という記述は事実か、事実に反しているか。

⇒検定では、事実として許容された。

 

③「見解」に反するという理由で採択を禁止することは許されるのか。また、それは「検閲」に当たるのではないか。

⇒検定を否定したとは考えない。「検閲」に当たらない。

 

 参加者からの質問が続いた。

・神奈川県教委は「採択した学校には街宣車が来る」と脅した。知っているか。

⇒学校を脅したことは知っている。住民が質せばいい。自治事務の問題。住民と県との間の問題だ。

・「生徒の実態に即し」た採択と言えるか

⇒専門的な教員の判断と教育委員会の権限の問題だ。文科省が言うべきことではない。

・大阪府教委は「一面的」な教科書を事実上採用すべきでないとして、教育委員会にかけることなく、「専決事項」と言った。それが許されるのか。

⇒自治事務だ。

 

ざっと追うと、このようなものだった。地方教育行政法を盾に、

「コメントする立場にない」を繰り返す。

 

そもそも、「日の丸・君が代」の強制徹底は

文部省による通知と悉皆調査によって始めたことなのに、

そんなことはどこ吹く風。

 

東京、大阪、神奈川の実教出版社「高校日本史A」「高校日本史B」不採択は、文科省にとっては、検定制度を否定され、侮辱されたこと。ここでこそ、教育委員会を指導すべきなのに、「教育委員会の権限」と言う。

 

事実を示す教科書を子どもたちに使わせたくないのは文科省も一緒、3教委にやってもらおうじゃないかという文科省の本音が見え隠れする。

 

「来年からの文科省交渉は、偏った法令の読み方を教えられた若い官僚たちに、 私たちがレクチャーする機会としたらいいのではないか」という声が、2日間の最後のまとめの集会で参加者から上がった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
全国の皆さん!
どんどん転送・転載して多くの方々に知らせてください。
 
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「日の丸・君が代」問題等全国学習交流集会:資料一覧

2013-08-27 08:18:52 | 大阪ネット

第4回「日の丸・君が代」問題等2013全国学習・交流会に、グループZAZA11名のうち5名が参加しました。他大阪からは4名、合わせて9名が参加しました。

教育とは、それぞれ異なる一人ひとりが自己表現を通して他者と出会い、反発し格闘しながら関係性を結び、他者に対する共感を育みながら自己実現を可能にする社会を創り出す力を引き出すことではないでしょうか。国家や力を持つものが、それを阻害するならば、私たちは、それに対してNOと言わざるを得ません。

そういう大きな時代の勢力に対する異議申立を通して私たちがもう一つの教育を創出していくとき、やはりそこには同じ営みがあります。すなわち、それぞれの個人の思いや考えや生き方を大切にしながら対話を模索しつながっていくことの喜びや励みを実感しながら運動を創っていくことが必要です。「壁」を打ち立て、届かない主張に終わってしまえば、絶望感ばかりが募ります。人と人とがつながる喜びを通して私たちは運動を創っていこうと思います。

時代の大きな渦のなかで流されないためには、「切らない」こと、「つながる」こと。そのことを胸に刻んで、教育ファシズムといってもよい公教育の状況に不服従を示すみなさんとともに運動を創っていこうと思います。

まずは、本学習交流集会で配布された資料一覧をご覧いただきましょう。

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