大阪「君が代」減給取消訴訟原告奥野泰孝さんが受けたパワーハラスメントの訴えです。
私は管理職にどう苦しめられたか。(パワハラについて)
奥野泰孝
2012年4月入学式
私は新入生の担任に決まりました。からだに障害を持った生徒の担当です。
入学式座席は4月4日の職会で確定しました。生徒の隣です。しかし、3月の卒業式の時、不起立だった私に管理職が毎日「立ちますか」と確認をとって来ていました。(3月27日には「不起立」に対し「戒告処分」を受けています。」私は「迷ってます」と答えていました。
入学式前日の5日、
「立つと言わなければ、式場外の受付業務を命じます。」と迫られました。私は抗議しました。「迷っている。入学学年でないなら、式場外の業務を受け入れるだろう。しかし、歌の時に立たないからといって、どうして(式当日の)担任業務から外されるのか。どうして、今の私の心の中を知ろうとするのか(翌日立つのか立たないのかと)。起立斉唱の職務命令は出したんだからもうそれでいいじゃないですか。どこまで人の心の内面を踏みにじるのか。」と管理職に言いました(乱暴な言い方は後で謝りました)。
しかし、しばらくたって13時30分頃、管理職の所へ戻りました。その時は教務式場係を部屋に呼んで変更の相談をしているところでしたが、係りの人には部屋の外に出てもらい、管理職と話になりました。「立つか座るか分からないが、式場の業務に着けることは出来ないか」もう一度頼みました。私が「立たない」と言えばすぐに仕事分担の変更ができるように、教務の式係の教員を待たせておいてです。教頭は部屋の中で状況をメモっています。精神的に疲れてきました。「明日立つと言っても、気が変わって、座ってもいいんだ」と心の中で思い、結局、「立ちます」と言いました。式の前、生徒本人、保護者と会ったうえで、その人たちを大切に考えて、どうするか考える必要があるので、本当に迷っていた(立つとも座るとも単純に言えない)。
その夜、悩みました。当日その時、どうするか。
「従順に起立」はあり得ないが、3つの選択肢がありました。
①そのまま座っている。 (ギリギリまで立つ気でいたがやはり立てなかったと言っても、管理職に対し嘘をつくことになり、心苦しい)
②いったん立って途中で座る。
③明日の朝、全職員がいる連絡会の場で、前日の管理職との状況を短く報告し 「やはり立てない」と言う。 管理職もその場で聞いていますから 私を式場業務から外し約1時間後の式までに代りの体制を作らせると思うのです。 現場には迷惑がかかります。
・・・・・・・・睡眠は午前2時から5時半。
入学式当日
4月6日(金)朝、通勤電車の中でどうするか決めました。「大人のチエ」は使わない、「面従腹背」はしない、です。「立ちます」と言って、式場に入り、そして不起立という「狡いやり方」は、筋が通らない。筋を通して行こう、と決めました。
8時25分出勤。式の受付は、9時15分から開始(式は10時から)。
8時45分からの全教職員の「朝の連絡会」で、まず前日の管理職との状況を短く報告しました。
「昨日、新しいルールが分かりました。『立ちそうにない教員』に確認し『立ちます』と言わない限り、
式場には入れない、というものです。それで昨日は立つと言った。悩んだが、いまの気持ちはやはり立てません。面従腹背は教育的でない。大人の知恵もそうだ。嘘をつくこともそうだ。私はまた戒告処分を受けてもいいから、式場に入るつもりです。新入生の担任が『起立』しないだけで式場外に出されるのはおかしい。しかし、この後管理職の判断で、急きょ、配置換えがあったら職員に迷惑かけるでしょう。申し訳ない。管理職の先生、嘘をつきそうになっていてすみません。」
すぐに管理職の部屋に行き、確認をとられました。教頭がメモを取っている。
9時から受付業務を命じられ、式場に入らないように言われました。交渉の末、式の終わりの方にある担任紹介の時から式場に入っていいことになりました。管理職は、私を式が終わるまで、式場後ろの教員席の最も後ろで保護者から見えない席に座らせておくつもりだったらしいのです。式前の控室に生徒の様子を見、保護者に挨拶しようと行くが、教頭にしつこく引き戻される。受付の業務が終わりしばらくしてから、式場入り口の外に立ち、中での校長のスピーチに耳を傾ける。PTA会長の話が終わり、体育館後ろの戸が開けられる。教頭が入っていいと言う。一般教員席は開場の横から中央を向いているので、私が一人入場するのは目立ったようだ。新入生とその担任は会場前方にいて、保護者や一般教員らに背を向けて座っている。クラス名が呼ばれる。私はあわてて席を立ち前方の他の担任たちの近くまで進み、ふりかえり保護者席に向かって頭を下げました。終わったらまた最後方の席に戻ったのですが、後で聞くとこれが管理職には気に入らなかったらしい。
司会が閉式を述べ、新入生退場の時、受け持ち生徒のところへ行こうとすると教頭にとめられた。退場も式のうちらしい。私の代替教員が拍手の中、生徒と退場する。卒業アルバムに使われる入学式写真に私は残らないのです。そして私は受け持ちクラスが会場を出る時後ろに着いて出た。それも管理職には気に入らないらしい。皆が退場し終わるまで、後ろの席で目立たなく座っていてほしかったらしい。しかし、それでは、教室で待つことは出来ない。私が後から教室に行くことになる。管理職の指示は矛盾しています。とにかく保護者や来賓に、「不起立」するはずの教員が排除されている様子を気づかせたくないということでしょう。また、府教委から来賓としている職員に、ちゃんと「不起立教員を入学式のはじめから終わりまで排除している」ことを認めさせたかったのではないでしょうか。
式後、管理職から「あなたは命令に従わなかったのですよ」と叱責されました。本当にばかばかしいと思いました。しかし息苦しい。奴隷になれと言うのでしょうか。おそろしいと思いました。
その後、この件に関する管理職からの「指導」や「アドバイス」はありません。2012年3月27日に出た戒告処分に関する「指導」や「アドバイス」、「話し合い」もありません。
2013年3月卒業式
私は、「国歌斉唱」に対しどういう態度をとるかということで、これまで管理職にしつこく質問されてきました。特に2013年2月から3月にかけては、度を越していました。私は、何回も准校長室に呼ばれ、また生徒を前にして教育活動をしている最中でも、声をかけられ問い質されました。2013年3月、高等部のい卒業式前1週間の事を述べます。
3月1日(金)1・2限目に卒業式予行のあった日の昼、HR教室で生徒と共に給食準備中、K准校長がやってきて「式場外の職務を命ずる場合について」説明し、今年の卒業式はどうするのかと質問。「わかりません、迷ってます」と答えました。どうして給食指導中にそんなことを言いに来るのですかと私が訴えるので会話のやりとりが数分ありました。肢体不自由の生徒のクラスで、大人が配膳をしながら、生徒には配膳で出来る事を時間がかかってもさせるという「給食」という授業の最中です。また、まだ複数のクラス担任で生徒のトイレ介助などで戻ってきていない人もいて、手薄です。児童生徒の支援のため職員の仕事が順調にいく様に環境を整えるべき管理職が業務妨害のようなことをするのです。
3月5日(火)朝9時5分、スクールバスで登校してきた生徒の移動の介助で。廊下途中で車いすから歩行器へ移動しようと立つ生徒の介助をしていた時、背後から「おはよう!○○君」とK准校長が生徒にあいさつの声。そして、私に対し、「どう?卒業式でどうする?考えた?」というように話しかけられる。生徒の介助中なので、焦りました。生徒から気をそらしてはいけない、そして立ち話で出来るような会話でないのに、迷惑だと思い、こんな状態だから後にしてほしいというと「11時に准校長室に来るように」と言われる。私は生徒が学校にいる間は行けないかもしれないと答えました。
3月5日(火)4時間目、教室の外の廊下でH教頭が立っていました。私を見張っているような気配でした。11時に准校長室へ行かなかったからだと思います。呼びかけず外で待っているのは、授業中や教育活動中は困ると私が言っていたことに配慮されてと思います。授業終わった後も「給食準備があるから無理です」と教頭に返事。給食が終わるころ(12時50分頃)も廊下に教頭が来ていて、私が午後の授業の準備に廊下に出ると「1時に准校長室に来るのは無理か」と聞かれるので、放課後なら行けますと答えました。13時5分、准校長がHR教室まで来る。生徒がいるので後にしてほしいと言いながらも「少しだけなら聞きます」と応じる。廊下で話。准校長「立たないなら、入学式の時のように式場外の職務命令を出します。」、奥野「脅しですか。パワハラですよ。裁判に訴えるかもしれませんよ。」と。「准校長は任務としてやっているのでしょうが、おかしいと思いませんか」等とも言いました。5分ほどのやりとり。准校長は「言いましたよ」と自分が「仕事をした」ことに念を押すようなことを言って立ち去ったと記憶します。このやりとりは教員や生徒にある程度聞こえていたはず。不安そうに見ている生徒もいました。私は職場の同僚の目にどう映ってるかも気になってきました。私を厄介な教員だとみる同僚もいるだろうなと。
3月6日(水)16時15分~16時50分。准校長室で、T校長、K准校長、H教頭と面談。意向確認されました。教頭は記録係のようです、一言も話をしません。「迷っている」と答えました。
3月7日卒業式当日。立てないと伝えたので受付業務を命じられる。受付業務終了後式場に入る。国歌斉唱時、不起立。
3月8日、小中学部卒業式予行。奥野は照明係。体育館2階ギャラリーからスポットで児童生徒を照らす係。「国歌斉唱」時、2階ギャラリーでスポットライト機材の横で座っていたのを校長は現認していたということで、式後呼び出され注意される。そして、式場外の業務を命じられる。
3月27日、処分伝達の日
処分伝達後、別室ですぐに研修がありました。受講者は2人。大きな部屋で7人くらいの府教委職員に囲まれての研修だったと思います。異常な中で人数は覚えていません。少なくとも5人はいたと思います。私語を禁止され、質問も受け付けない。研修の講師に質問をすると脇に居た職員が「黙りなさい!早くこの部屋から出なさい!なんでここに呼ばれているのかわかってるのか!」みたいに大きな声で追い立てました。
2013年入学式 4月5日
私が担任をする生徒は2年生なので入学式には来ません。それで、駐車場係ということに何の不自然もありません。式が始まる直前に遅れて車で来た保護者と新入生が自家用乗り場の出入り口から校舎内に入ろうとするとカギが掛っていました。慌てましたが、事務所側の入り口に遠回りして式場に入れたようです。駐車場係の仕事がなくなったので、私はその一か所だけ校舎に入れる事務室前から式場の方に行くと、春に転勤してきた事務の主査が鍵束を持って廊下を走っています。「国歌斉唱」が終わったから開錠しているということでした。後で、同僚の山口さんが事務室でそのことを言うと事務長が「奥野対策だ」と言っていたと聞きました。この年度、A教頭だけが残留で、T校長、K准校長、H教頭は転勤しました。「奥野対策」とやらは管理職から引き継ぎ事項としてあったのでしょうか。
これほどの排除の仕方、教育理念がなく、教育現場とは思えない人権侵害に、私は心身共に疲れます。