今日が一番素敵

丁寧な暮らしを心がけながら、日々、折々のの心模様を素直に語ります。
今が一番素敵との思いを込めて。

軽井沢の奥の深さ

2012-08-02 12:35:51 | 旅行

 

         

                                       室生犀星の別荘だった旧居

今日も、また旅行記です。

又恐ろしいほどの長文。(笑)

退屈な文章でお読みぐるしいと思います。

どうぞ、スル―なさって下さいね。

 

今回の軽井沢の旅行で、非常に興味深く感じたことがありました。

軽井沢が、避暑地として認められるようになった初期の頃から、文豪達を惹きつけてやまない土地柄であったこと。

森鴎外、正岡子規、尾崎紅葉、田山花袋等々、多くの文学者がこの地にかかわる執筆をしています。

同じく室生犀星、堀辰雄、有島武雄、川端靖成、その他多くの作家たちが、別荘を構え、この地を愛して止みませんでした。

その旧居や跡地、文学碑などが、いたるところに点在するのも、軽井沢の特徴です。

作家に限らず、政財界の多くの著名人が、この地に別荘を構えたことは言うまでもありません。

 

それほどの魅力が、どこにあるのだろうと・・・・・

観光のみならず、それを知りたい、と私の錆びた感性が多少研ぎ澄まされたようにも。(笑)

そして、素直に、それを認める結果となりました。

私の感動が、極まりないものだったからです。

 

過去の一番良き時代に比べると、開発が進み、俗化著しく、変容はすさまじいものだったに違いありません。

そして、この歳になり初めて、この有名な避暑地を訪れた私です。

しかし、今更ながらですが、その奥深い魅力が、幾分なりとも理解できたような、気持ちにも。

昨日は、私なりの感動を、拙い文章で精一杯綴りもしました。

 

旅行二日目に私達は、万平ホテルからほど近い、室生犀星の別荘だった、旧居を訪ねました。

前の林の小径は、「犀星の径」と名付けられています。

葉影がゆれる、密やかな雰囲気漂う小径を歩くうちに、犀星の旧居に到着しました。

純和風の端正な趣の建物で、障子の白さが、緑の林の中、ひときわ清々しく目に映ります。

その凛とし風雅な佇まいに、作家、詩人、室生犀星の人柄と感性を身近に感じる思いがしました。

   

          

犀星の書物を手にしたことは、恐らくない私ですが、日本文学史上では大家のお一人ですね~

芥川龍之介との親交も深く、堀辰雄など、若い文筆家の面倒をよく見た方のようです。

この別荘には、その他、川端靖成、円地文子、志賀直哉、正宗白鳥、大仏次郎、吉川英治等、著名な作家が集い、温かな交流があったとの事。

 

犀星の小径を、このような思いで踏みしめ、その旧居を訪ねると、過去の情景が彷彿されるようで、いっそう感慨深いものがありました。

軽井沢の詩情豊かな自然は、作家、詩人達の心を憩わせ、創作意欲を駆り立てるに十分な環境だったのでしょう。

 

軽井沢が舞台となった堀辰雄の小説、「風立ちぬ」と「美しい村」。

透明感漂う美しい題名のみで、私は若い時、この書物に、とても心惹かれました。

物語のロマンへの想像が、膨らんだものです。

風立ちぬは読みましたが、美しい村は、記憶が全くありませんね~

小説に描かれた結核療養所、サナトリウムの建物は、今はもうなく、その前を通る小径は、サナトリウムレーン(ささやきの小径)と名称が付けられています。

         

                     軽井沢で、よく見かけたのの花。ダイコンソウ

芥川龍之介も「軽井沢日記」を、格調ある名文で綴っているようです。

是非読んでみたいもの、と思いました。

 

昨日は、私達が宿泊した万平ホテルをご紹介しましたが、過去の作家達が一番利用した宿は、中山道の入口に立つ鶴屋旅館です。  

                

今もなお健在で、日本旅館としての格調と趣にあふれた外観を呈しています。

私はその前に佇み入口に目をやると、、この旅館を出入りする文豪達のの姿が、思い浮かぶようでした。

その奥座敷を、芥川龍之介などが、文学的サロンの場として利用したようです。

 

 

このように、軽井沢は、著名な文筆家たちの憩い、交流、活躍の場だったのですね~

しかし、一方では、この場所を死に場所として選んだ有名な小説家もいます。

最近でも、音楽家の加藤和彦さんが、この地で自死し、報道されましたね~

軽井沢を死に場所として選ぶところがいかにも彼らしい、という記事が目に留まりました。

彼らしいとは、どういう事なのかしら、と軽井沢への私の関心が、深まったものでしたが・・・・・・

 

過去で有名なのは、有島武郎の情死です。

有島武郎の書物で忘れられないのは、「ある女」でしょうか。

奔放な女性、葉子の生き方に、私は若いころ、鮮烈な印象を受けました。

鳩山由紀夫氏初め政財界の別荘が多い、三笠通りを少し外れた林の中に、有島武郎終焉の地碑の小さな道標と別荘の跡地があるようです。

 

三笠通りと言えば、忘れてならない軽井沢の観光スポットがあります。

有島家ともゆかりの深い、旧三笠ホテルです。

          

期待通りの、品格漂う麗しい西洋建築でした。

このホテルの創業者の実業家、山本直良は、有島武郎の妹と結婚しています。

一風変わった強い個性で、私達を楽しませてくれた音楽家、故山本直純氏は、この人の孫に当たるそうです。。

 

この旧ホテルは、明治39年に開業されたました。

木造洋風建築に、ゴシック風の重厚さを加えれれた建物で、建てられた当時は、軽井沢の鹿鳴館と言われたとのこと。

上流階級の人々が集うパーティーが、度々催されたました。

その空間に身を置くと、往時の華やぎが、さざめきとなって聞こえてくるようです。

このホテルを、有島武郎等、白樺派の作家たちが、文学的サロンとしても、利用していました。

 

 

軽井沢の観光スポットとして、一見の価値十分ありです。

まだお訪ねになっていない方は、ぜひ訪れ、その周りの散策道も、散歩されては如何でしょう。

私達は、野鳥観測後、帰途に就く前の、タクシーに寄る慌ただしい観光でしたので、のんびりすることができなくて、少々残念でした。

 

ざっと、作家と軽井沢にまつわる題材に焦点を絞り、私が心惹かれたことを、かいつまんで綴ってみました。

もちろん、これまで語ってきたことは、私の知識ではありません。

ホテルに到着した日に、館内の売店で目に留まり、買い求めた書物が、私の軽井沢の旅を一層有意義なものにしてくれました。

下の写真が、その本です。

 

私は、ガイドブックは余り好きではありませんから、いつも斜め読みばかり。

但し、観光する際に、その土地の印象を綴ったエッセー等の良書に出合えると、それは大変幸運なことに思います。

今回は奇しくも、その幸いに巡り合うことができた私です。

 

とてつもなく長い文章に、またなってしまいました。

最後までお読み下さった皆様には、大切なお時間を割いてまで目を通して頂き、誠に恐縮です。

本当に有難うございました。

あともう1~2回で、旅行記は終わりたいものと・・・・・・・。

少々飽きてしまいました。(笑)

 

長女は、昨日から家族で五泊六日の九州旅行に出かけています。

台風の影響でお天気が心配でしたから、電話をかけたところ、よいお天気に恵まれているとのこと。

まずは一安心です。

普段共稼ぎでは、子供達とも密度の濃い触れ合いができませんものね~

良いかかわりを意識的に持って、子供達が一段と成長するように心がけてね、と老婆心から助言しておきました。

お天気に恵まれ、楽しい旅行になりますように、心から祈っています。

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