まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

『ミラノの太陽、シチリアの月』

2013-02-08 12:58:34 | 

完全にタイトル買い。
週刊誌の新刊紹介欄見て、速攻でアマゾン、ポチっと。
合わせて日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した『ジーノの家』も。
そのアマゾンさんからメールが来た。感想を述べよって。
なあに、それ。久方ぶりのハードカバー購入だから珍しかったのね。

でもでも、残念ながら私の脳みそでは感想が浮かばない、ああ。
読んだは読んだ、が、一番眠気が襲う時間に開いていたので(言い訳)完全うろ覚え。
いいのか。よくない。決まっている。

『ミラノ』

なんたって私のイタリアデビューの地。
ドイツで働いていた娘の様子見と称してJTBでよくよく相談。
そこの社員おじさんが「ドウモドウモ」のミラノのせよ!とおっしゃる。
一人でも大丈夫だから、と勧める。
私も無鉄砲だったから「そっか」と思って一人旅手続一切やってもらった。

で、娘はドイツから、私は日本からミラノ待ち合わせ(今までも何度も書いている気が)。
心細い異国の地。待ち合わせの当日、ロビーでうろうろ。
中年の渋いいかにもの黒服ホテルフロントに単語並べて、娘と待ち合わせ中と意味なく伝える。

まだまだ時間あるからホテルからミラノ中央駅付近探索。
そこラ変うろうろするも落ち着かなくてホテルに帰ってきたら、電話中の渋いおじさんが「マダム」って手招き。
ああ、そこで娘とようやく連絡取れてミラノマクドナルド前で無事落ち合ったってわけ。
さまざまな偶然が重なってのミラノ観光。忘れられない思い出。
それは一瞬通り過ぎた観光客のミラノ印象であって。

内田さんは、住んでいるミラノは曇天続きの寒くて陰鬱な街と評する。
帯にも『曇天続きのミラノにも晴れ間はあり、太陽に溢れるシチリアにも夜は訪れる』とある。
イタリアに生きる人々の「光と陰」を精緻な筆で描いたあまりにもドラマティックな10話。

もうこれだけで十分。私の四の五のの下手な感想なんて何の足しにもならない。
どの話が好きかだけだ。私は最後の話 *シチリアの月と花嫁 が印象深い。
10話どれも、住んでいる村や町の情景とイタリア人の地に足が付いた地味な暮らしぶりが絵になって浮かぶが、シチリアの、は短編映画を見ているようで特に心に残る。

イタリアを書く、といえば。
ミラノのホテル続き。滞在を終え帰る日、コンシェルジュに聞かれた。
「ベネチアに行ったか」って。
行っていないと答えると、それはそれはという顔をして「ホワアイ?」の一言。
なんで行かないか!ってそんなにいいところなのかベネチアは。
それからというもの、次に行くところはベネチア、とどんどん想いは膨らんで。

その時購入したのが須賀敦子さん『ヴェネツィアの宿』
こちらも完全タイトル買い。旅行本だとばかり思った。
なんの、それから須賀さんの本読みまくりに陥ったきっかけになった1冊だ。

ごめん、比べくもないのだが須賀さんが☆5だとすると内田さん☆4
アマゾンさん、それだけでご勘弁のほどを。

コメント
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