まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

桜木町駅前の花壇

2022-08-31 08:26:57 | 街・風景

5時半ころ起きて、雨戸を開けてびっくり。
通りを挟んで前の家の並びしか見えない。ちょっと遠くの林や下の家は見えない。
靄なのか霧なのかがあたり一面を覆っている。
おおーっ、このくらい見えなければいっそ気持ちがいいじゃないの、ってなくらい。
洗濯物干し終わった今はすっかり晴れ上がった。すーっと音もなく去っていくんだ。

で、また何の関係もなく*メラレウカの剪定のことを考える。
つんつんと伸びた枝が2階にまで達しているからね、邪魔にはならないからいいかと思ったり、
いやいやここで切っておかないとこの先どこまで伸びていくのかと心配になったり。
グダグダ考える前に働けってことなのは分かっているけれど、気持ちも体も動かないのよ。
ほんと、困ったもんだ。

話はまたもやグランモール公園行きに戻って。
JR桜木町駅前の広場に出ると、そこここにある小さな花壇が目を楽しませてくれる。
まだまだ夏真っ盛りの時期なのに萎れている花なんかない。
この日も3、4人のスタッフが丁寧に雑草取りをしていて、地道なお仕事が陰にあるんだと。
我が身を振り返ったことは言うまでもないわ。

 

 

グランモール公園へはエスカレーターに乗って

 

 

 

 

 

 

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横浜美術館 仮囲いの絵 村上早(むらかみさき)

2022-08-30 08:19:32 | 街・風景

ここ2、3日涼しい。さびしいくらいに涼しい。
今朝だってそのとおり。おまけに少しだけ雨が降ったりして、なおのこと涼しい。
こんな繰り返しで秋が訪れてくるのね。
起きた時は、*メラレウカの剪定をもう少しやるかと思ったけれど、雨が降った時点ですぐ却下。
やらなくてもいい言い訳ができてやれやれ、もう止んでいるがやる気も止まったわ。

先週、映画「サバカン」の上映映画館探索しての帰り道、改修中の横浜美術館仮囲いの絵を
近くに寄って見る。白、黒、赤で描かれた世界。うーん、と唸ってそそくさと通り過ぎた。

公式HPの紹介文

将来活躍が期待される若手アーティストを紹介する小企画展「New Artist Picks」。
大規模改修工事による休館中は、「Wall Project」として、横浜美術館正面のグランモール公園
「美術の広場」に面した仮囲いで、2回にわたり若手アーティストの創作を紹介します。

第1回は、銅版画を主な表現手法とする村上早(むらかみ・さき/1992年生まれ)を紹介します。
本プロジェクトでは、2015年から2021年までに制作された作品16点と、新作2点、計18点を紹介します。
コロナ禍を経験し、新しい生き方を模索するいま、村上の作品に見られる「死と再生」「人間と動物との関係」は、
弱さを認め合い、謙虚に世界をとらえることの大切さを気づかせてくれます。ぜひご覧ください。

 

 

 

 

 

村上早 「Stray Child」

 

 

 

 

 

 

 

みなとみらいへ来てもほとんど汽車道コースを歩いていたから、久しぶりの美術館前の道は
やっぱりいいなあと。
秋になれば紅葉の並木道になることだろう。その気になったらまた来よう。

 

 

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「またね」 映画『サバカン』

2022-08-29 08:50:41 | くらし

朝一の回で観るというヤマナカサンに、その夜、ラインで感想を強要した。
夏休みの読書感想文を書く宿題のようで、我ながらおかしくなって。めんどくさいだろうな
とはは思いつつ、ね、そこは図々しく。

 

観た方がいいか、そうでもないか。
泣いたか、泣かなかったか。
剛君の出番は多いか、少ないか。

まずお勧めします。
昭和の最後の方のお話、笑って笑って泣けました。映画は剛君の子どもの頃の回想録で
剛君は始めと終わりに登場します。
長崎に行きたくなりました。監督の故郷だそうです。期待しないで見に行ってください。
映画館ガラガラ

1986年の長崎が舞台の本作。イルカを見るため冒険に出る少年2人とそれぞれの家族のひと夏が描かれる。
との紹介文に、ほんとにその通りでそれ以上でもそれ以下でもなくのストーリー。

予想がつくストーリー展開はさておき、画面がきれいで映し出される風景が本当に美しい。
長崎の海も島も山もどの場面もしっかり絵になって見惚れてしまう。
小学5年生の久田君とクラスメートの竹中君の、とくに主人公の久田少年、そういえばこんな
子供っていたよな、というくらい平々凡々、どこにでもいるようなそれでいて真っすぐな昭和
の子供が懐かしく応援したくなるのよ。
久田君が穿いている半ズボンが股ぎりぎりの短さで白のハイソックスなんか穿いていて。
ふんふん我が息子もそういう格好させてたよな、なんて。

サバカン SABAKAN 場面写真4(写真はすべてwebからお借りしました)

平凡なお話をぐっと盛り立てて深味を出しているのが、少年を取り巻く家族や近所の人たちを演じた役者さんたち。
これまたぴったりの配役、個性的でこの人たち以外はないというくらい。

サバカン SABAKAN 場面写真3

久田少年の両親は尾野真千子さんと竹原ピストルさん。いいわあ、このお二人の夫婦役。
粗野に見えての愛情たっぷりのお父さんお母さんなの、泣ける。
このお二人が演じる夫婦だったら、どんな映画でもいけるんじゃないかしら。きっと観るな。
一方竹本少年のお母さんは貫地谷しほりさん、もともと好きな女優さんだったけれど優しい
お母さん役がぴったりで、ああこんな役もやるようになったのねと。
他にも担任教師役の篠原篤さんや農園の妙なオジサンの岩松了さんなどがとても印象的で。
そりゃあ、草彅さんももちろんね。

サバカン SABAKAN 場面写真2

冒険から家に帰ったときと最後の別れのときの二回、二人の少年がいつまでも交わす、
ほんとにいつまでも何回も交わす「
またね」「またね」のことばがとても印象的で
素敵な言葉だなと心に残ったわ。「さよなら」じゃなくて「またね」。
ヤマナカサンに背中をおされて観た「サバカン」。しみじみしました。

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みなとみらい グランモール公園の並木道

2022-08-28 09:01:28 | 街・風景

ヤマナカサンから「明日映画に行ってきます」とラインが来た。
「えっ?映画ってサバカン?」電話に切り替えて訊きかえすとそうだって。
あちゃあヤマナカサンに先を越されたか、私がさんざん迷っているうちに彼女は行っちゃう
のか。まああ。
躊躇っているのは少年の映画だということ、苦手なのよねなんとなく。
地元上映館の上映時刻が中途半端なことで、どの時間帯がいいか判断が付きかねていたからなの。
草彅さん出演作品で、
別にファンでもないヤマナカサンが応援してくれてるのに、肝心の
私が観に行かないなんてファンの名折れだ、それじゃもうひとつの上映映画館みなとみらいの
そこを偵察して来ようじゃないのと出かけたわけ。
佐渡から帰ってようやく少し疲れも取れて元気が出て来たからね。

地下鉄桜木町駅で降りてすぐに動く歩道へと。みなとみらいも久しぶりだ。

風が吹いていくぶん涼しいといえど 外は歩きたくない ランドマークプラザを通り抜ける

通り抜けた先には「モクモク ワクワク ヨコハマ ヨーヨー」が

ここもグランモール公園の一部だけれど 左に曲がるとケヤキの並木道が
こちらの並木道 好きなのよ

 

木漏れ日が気持ちよい

 

アブチャンつけた女の子が葉っぱを拾って 見せながらパパとママを追いかけているの

左 休館中の横浜美術館 右 マークイズみなとみらい

 

ベンチがたくさんあって

こちらのベンチも楽しい 映画館はここら辺 TUTAYAの2階だった

場所が分かったから引き返そう

 

 

 

地下鉄朝散歩な日。
結局、こちらの映画館には行かなかった。

 

 

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ご近所デジブラ

2022-08-27 08:51:34 | 街・風景

朝夕幾分かしのぎやすくてやれやれと思っていたら、なんの昨日の蒸し暑いこと。

 (昨夕)


この蒸し暑いが曲者よね、もともと少ないやる気を根こそぎ削いでいってしまう。
あれもやりたくない、それもやりたくない、これも見て見ぬふり。
結果どうなるか目に見えているわ。そうよ、ぐだぐだと何することなく1日が過ぎていくわけ。

そうなるとどうなるか、食事時間がどんどん前倒しで早くなってしまう。
掃除はしなくても食べることだけはせねばいかん、いくら主婦に定年はないのかとわめいても、
自分も食べたいから抜かすわけにはいかない。作る。買い物もする。

朝食が6時半前後、貧しい食卓だからすぐに終わる。
9時半頃から買いものに出かけ、ひと休みするという心の余裕なく、帰ってくるとすぐに
適当なお昼ご飯を作る。以前は11時半ごろ食べていたのだが、それだと遅い気がし始めて。
11時15分頃食べる。これだけは夫の仕事だからと入れてくれたコーヒーを飲んで、はあと
ため息のひとつでもついていると12時近く。やれやれ、午後の部のごろごろ。

ごろごろにも飽きたわ、と時に3時半ごろから夕ご飯の支度し始めて5時15分ごろには飲み
始める。以前はせめて5時半過ぎに始めようと夫に言い聞かせていたのが、なんの、最近は
私が、やる事ないから(ほんとうはある)ごはん支度でもしようかとの結果。
あああ、いいのかこんなんで。無為徒食。絵にかいたようなわが家。

ま、せめてもの買い物道中、お安いコンデジは必需品だから目に付いたあれこれを。

草っぱらになってしまった公園

ススキの穂が出て来た

なぜかクチナシの花ひとつ

ミカン 青い

ハクモクレン

夾竹桃はちと暑苦しい

デュランタ

ルリマツリ

 

今日も暑くなりそうだ。

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ほんとのことかしら 『東京日記6 さよなら、ながいくん。』 川上弘美著

2022-08-26 09:17:57 | 

久しぶりです、川上さん。お久しぶりです『東京日記』
図書館で最新刊の東京日記6を見つけた時は、もう躊躇わずにすぐ。
並んでいた『三度目の恋』はすごく躊躇った後、いちおうお持ち帰りするか、と。

すぐに読み始めて読み終わり、楽しみなあとがきを。

あとがき
始めたばかりのころは「ほんとうのこと」が七割だった「東京日記」ですが、この六巻目に至り、
ほぼすべてが「ほんとうのこと」になりました。

もうこの時点で「ほんとか??ほんとにほんとのことか」と疑いの眼よ。
日記を読んでいるそばから、またまた川上さん、そんなことってないでしょ、とウフフだったり
にやにやしてたりしたんだからね。どこまで信用していいか分からない。虚々実々。

ほら、やっぱり。川上さん、ご自分も続けているじゃないの。

といっても、「ほんとうのこと」とは、いったい何だ、という面もあります。
虚実皮膜、というのではなく、わたしは「ほんとうのこと」として書いているのに、
なぜだか「ほんとうのこと」からはどんどん遠く離れていってしまう・・・というような。

「虚実皮膜」なんて初めての言葉だけれど、それはさておき、そのとおりです、
「ほんとうのこと」からはどんどん離れていってると思います、少なくとも私はそう思って
います。
でもでも。


「ステキ」排斥。この日の日記はほんとうだろうなと確信しています。
いやいやほんとうであってほしいと願っています。ほんと。

川上さん、大した事情ではないけれど、ともかくある日ポットとは袂をわかったのだそうな。
そしてお湯を沸かす時は片口の鍋を使うようになった。

四月某日 雨
鍋の湯でコーヒーをドリップすると、最初に豆を蒸らす時に注ぐ湯の量を調整するのが難しいし、
その後細い流れでゆっくりと湯を注ぐのもむずかしいので、毎回淹れ具合が異なってしまう。
その乱雑さが、とても心地よい。
「ていねいな暮らし」とか「ステキな暮らし」なんて、大嫌いなんだ!!!という、
自分の内心の声を毎回聞きとめながら、このところ毎日コーヒーを淹れている。


大嫌いなんだ、と!マークが3個も。そうだ「ていねいな暮らし」とか「ステキな暮らし」
なんてつまらん、ってなことはないけれど、川上さんが大嫌いだと言ってくれるとなぜか嬉しい。

ちなみに、カップラーメンは、家で酒を飲んだ時の〆に、小型のものを、数種類常備している。
これは果たして、「ていねい」「ステキ」の範疇に入るのだろうか。たぶん違うような気もするけれど、
数種類、というところが、ていねいさをかもしだしているような気も。

台所の棚に並べてある小型カップラーメンの、並び方を微妙にかえてみつつ、
「ていねい」及び
「ステキ」の排斥を、あらためて心に誓う。

ウフフ大げさよ。いやいや並び方を微妙に変えて見てもねえ、違うでしょ、とは思う。
それでも「ていねい」及び「ステキ」の排斥にはぜひぜひがんばっていただきたい。

「オーラの噴出」この日の日記は「ほんとか??」感、大。
1月某日 晴れ
友だちに電話し、「めったにみない名前」に遭遇したことを自慢。
十分以上もそのことについてぺらぺらとまくしたて、誇り、繰り返したのちに、ようやく黙ると、
友だち、しごく冷静に、

「それはよかったわねえ。わたしにとってはどうでもいいことだけど」
と優しい声でいう。
しゅんとして、
「申し訳ない」と謝ると、友だちさらに優しい声で、

「いいのよ、そういう好奇心は大切。がんばってるのねえ」
と。

はい、がんばってるんです、と小さな声で答え、じきに電話を切る。
そののち、過去に自分がしてきた、どうでもいい話を無数に思いだし、身もだえる。

ほんとか、ほんとにそんな友だちがいるのかと私は疑うの。もし仮にいたとしたら私だったら
連絡を絶つ。ん、上品な川上さんのひとりお芝居じゃないかしらとは私の妄想。

なんて、上から目線で勝手に推測しつつ川上さんの日常を楽しむわけ。
ともかくあっという間に読み終える『東京日記』でして。上等な日記です。

ちなみにタイトルの「ながいくん」は長いかさのことです。

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ノウゼンカズラ アサガオ オシロイバナ

2022-08-25 08:54:06 | 植物

新しい風呂ガス給湯器の使い方に戸惑っている。新しいものには慣れない。
まずリモコンのスイッチの並び方が反対なのよ。以前は電源が左で、ま、後は並びにね。
ところが新しいのは電源が右で、左へと自動とか追い焚きとかスイッチが進む。ああ。
「お湯はりします」の音声の後、うるさいと思っていた「栓はしましたか」がない、不安。
追い焚きだって「お風呂が沸きあがりました」の声がしない、いつ沸いたか分からないじゃ
ないかと取説読み直したら、音声が必要だったら追い焚きスイッチを長押ししろだって。
いやだいやだ。この先もこうやってもろもろの新しい機器に取り組まなきゃいけないのかね。

アサガオに癒される時が来るなんて思いもよらなかったわ。
やっぱりいいなあ、アサガオ。漢字の方がもっといいか「朝顔」。
来年は(来ると思って)絶対朝顔を植えよう、と固く誓ったの。ほんと。

昔ながらの朝顔にしよう。わが家の庭にもフェンスがあるからそこに絡みつかせよう。
決めた。ひまわりと朝顔の種まき忘れないようにしよう。

昔からの花だからってさすがにオシロイバナは勘弁してもらう。
朝散歩だから花は閉じている。

ポーチュラカ 昔ながらの松葉ボタンもちょっと遠慮するかな

終わったと思っていたノウゼンカズラ まだあちらこちらのお宅で見られる

 

今朝は涼しい、どうやらこのままいきそうでうれしい。

 

 

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ヘクソカズラ 高砂百合

2022-08-24 08:40:13 | 植物

昨夕

佐渡からの帰り、駅前バスロータリーのこまわりくんバス停へ。
先客がおひとりベンチに座っている。私より年上の女性と見た。
「暑いわねえ」と声をかけられて「ほんとに暑いですよねえ」と。
暑くても私は毎日外出しているよ、今日も出かけた帰りなんだけど仏の花を買い
忘れたからここまで来たんだって。
家まではバス停一つだけど、これがあるからさバスに乗って帰るの、と敬老パス提示。
そうよそうよ、暑いなか歩くことはないわよね。

発車時刻まで10分くらいあったかしら、話を聞く。今73だよというから、あれま。
亭主が死んだ後も70まで働いたからさ、息子と二人暮らしだけど大威張りだよ。
なんかあると「出ていけ!」って言えるもんね、息子に「出ていけ」って言われたら
みじめなもんだ、って。息子は電気技師関係で働いているからねって何気にご自慢。ん。
大学もご主人のお墓もみんな私が出したんだと、自分の頑張りを褒める。
カラッとして明るく話すから自慢気に聞こえない。一緒にバスに乗った。
「涼しいねえ、このままずっと乗ってたいねえ」と言うから、
「終点まで乗って行ってまた帰ってきたら」と言ったら「それじゃばかじゃん」だって。
ほんとだ、笑ったわ。彼女は一つ目のバス停で下りて行った。

で、ついで歩きのあちらこちらでのたくましき植物たち。

*高砂百合 ほんとにいろいろなところに 中にはえらい美人もいる

*エノコログサ そろそろ色あせてきたかしら

*ヘクソカズラ 最盛期のころには撮り忘れ 虚子さんのこんな俳句があるというのに

名をへくそ かずらとぞいふ 花盛り

 

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とにもかくにも『とにもかくにもごはん』小野寺史宜著

2022-08-23 08:10:20 | 

作者の小野寺史宜さん、恥ずかしながら何の情報もなくの作家さん。
初お目見えの作家さんだったから、作家で選んだのではない。
書棚に顔を向けて並べられていたから手に取っただけで、そんなに期待もしていなかった。
あまり好きじゃない分野の小説だったから、ね。パラパラと見て。

それがそれがぐっと一気に引き込まれてしまった次第で。小野寺さんの文体が平易でやさしくて自然体、
それがまた良くてあっという間に読了。

松井波子さん、素敵です。よくぞです、懐が深くてちょっと尊敬してしまいます。
40代にしてはちょっとできすぎているくらいで。一癖あるけれど嫌な人が登場しないのよ。
どの登場人物にも「そうだよね、そういうことだよね、そうなっちゃうよね」と共感するの。

『クロード子ども食堂』は(へんちくりんな店名だけれどそれなりの由来がある)

午後5時開店、午後8時閉店。
亡き夫との思い出をきっかけに松井波子が開いた「クロード子ども食堂」。
スタッフは、夫とうまくいかない近所の主婦や、就活のアピール目的の大学生。
お客さんは、デートに向かうお母さんに置いていかれる小学生や、
娘と絶縁し孤独に暮らすおじいさん。
みんないろいろあるけれど、あたたかいごはんを食べれば、きっと元気になれるはず。

目次

  • 午後四時 こんにちは 松井波子
  • 午後四時半 おつかれさま 木戸凪穂
  • 午後五時 いただきます 森下牧斗
  • 午後五時半 ごちそうさま 岡田千亜
  • 午後五十五分 お元気で 白岩鈴彦
  • 午後六時 さようなら 森下貴紗
  • 午後六時半 ごめんなさい 松井航大
  • 午後七時 ありがとう 石上久恵
  • 午後七時半 また明日 宮本良作 
  • 午後八時 初めまして 松井波子

あいさつ後の名前は、スタッフだったりお客さんだったり息子だったり。
それぞれの抱えている事情が実に優しい視線で淡々と描かれていて。

松井波子さん、四十代、夫の事故急死がきっかけになって子ども食堂を始める。
生前の夫との関係や始めるきっかけは波子さんが「こんにちは」の中で述べている。

わたしが子ども食堂をやろうと思ったのは今年の初め、思ったらすぐにやりたくなった。
実際、すぐに動いた。もう四十代、動けるうちに動かなきゃダメだな、とも思って。
発端は、やはり夫の死。

わたしたちはうまくいっていなかった。最低限必要な会話しかしなかった。
いただきますやごちそうさまだけは言った。

夫は会社帰りに駅前のコンビニで缶ビールを買い、自宅近くの児童公園で飲むようになった。
家で飲むとわたしがいやがるから。
夫が話す裏のアパートに住むエイシン君の話。菓子パン1つを食べる

「一度でもいいから、エイシン君にウチでメシを食わしてやりゃあよかったなあと思ってさ」
「そんなこっちの自己満足で、何の解決にもならないことはわかっている。
だとしても、マイナスにはならないよ」

奥深い言葉を残して夫は5日後に亡くなる。
このときが最後の会話になって、いつまでも波子さんの心に残る。
ご主人の死から立ち直った後の行動が素早かった、素晴らしかった、
目的に向かって一直線。
体当たりでぶつかって奮闘して生まれた「クロード子ども食堂」が舞台。

スタッフやお客さんとの会話の中に、波子さん像が多面的に浮かび上がってくる。

例えば、スタッフ石上久恵さんとの会話では。
「わたしね、子ども食堂を始める前に考えたんですよ。子どもにありがとうを言われたい。
みたいになるのはよそうって。笑顔は見たいけど、ありがとうまでは望むまいって」
「言われたらうれしいです。でも期待はしないです。言われたいって気持ちは、いつのまにか
言わせたいに変わっちゃいそうだから」

石上さんが夫への不満を話すと、
「ありがとうを言えば、ダンナさんの機嫌は悪くならないのですよね?で、
一応は、家事をしてくれるんですよね?少しぐらいは、たすかっていますよね?
だったらありがとうを言ってあげればいいんですよ。ありがとうはね、
言ったほうの負けじゃないですよ。言ったもん勝ちですよ」

こんな会話にも波子さんとの人となりが浮かび上がってくる。

子ども食堂にゴールなんてない。強いて言えば、ゴールを先へ先へと遠ざけて行くことがゴール。
すなわち、続けることそのものがゴール。

まだ始まったばかりの「クロード子ども食堂」これからも紆余曲折いろいろあるだろうけれど、
波子さんならひとつひとつしっかりと乗り越えていくだろうな。

読後は子ども食堂で出されるごはんのように温かでほかほかしてしみじみして。
ああ、気持ちの良い小説だな、と。
最後に待っていたのは思いもかけない波子さんへのプレゼント、ほんとに素敵だ。


この後続けて『ひと』『いえ』も読んだ。やっぱり『とにもかくにもごはん』かな。

小野寺史宜さんインタビュー

 

 

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庭 ギボウシの花

2022-08-22 08:51:53 | 

なかなか疲れが取れないなあと。
でも例年夏はこうだったっけ、えっ夏だけじゃないいつもそうだったっけかと。

そういえば亡くなった母が口癖のように言ってたっけ。
80を過ぎると「80まではよかった、まだ身体がが動いた」
85を過ぎると「85まではよかった、もう少し身体が動いた」
今になると分かるわ、私も言いたくなる。「60代はよかった、まだまだ元気だった」って。
あらま、なんたることだ。今日がいちばん若いんだから少しは気合を入れなくちゃ、ね。

庭、ジャングルのような荒れ地のような。ん?そういうことよ。
*ツリージャーマンダーはもじゃもじゃ、好き勝手に四方八方伸び放題。
お隣との境の*メラレウカも元気そのもので、どんどん天に向かっている。
大事な大事な*アストランティアはお隠れになり、これまた大事な*ティアレアは青息吐息。
佐渡に帰らなくなっているんだから、来年は夏や秋の花も少し取り入れてみようかなって。
アサガオを育てよう、ということだけは決まっているの。

一番遅く咲くギボウシの花。この白は透き通ったような感じがしてなかなか。

後は 健気にも の類

 アスパラガス

 ユーパトリューム

 ジニア

 ヤブラン

 三尺バーベナ

 コエビソウ

 ジニア

 ジュズダマ

 

やっぱり*メラレウカの剪定はせねばいかんなあ。はああ。

 

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