リリー・フランキーさんと深津絵里ちゃんのTVコマーシャル。
俺は家では野党だ
なんだかんだ言っても政権は与党にある
ってあれ、結構好きなのよ。
(リリーさん本宅じゃなく週末通いの深津ちゃん別宅に見えてしょうがないことは内緒)
夫婦の微妙な力関係のあれ観るとほっこりしたりして。
薬局ご主人とマサチャンママが口げんか始めた。
「いつも置いとくここに絶対あるはずなのに、いっくら探してもないのよ。
このもんが(ご主人ね)きっと捨てたんだわ」
「俺は捨てとらせん」ご主人は憮然とする。
「私はべつに捨てても怒っとるわけじゃないのよ。”捨てた って言うてくれればいいのよ」
そりゃあその通り。
「捨てとらせんものを捨てたって言えるか」
うん、まあそうだ。
って軽いジャブの応酬のみで終わり。もっと打ち合いになることを期待していたのに、残念。
田辺聖子さん 『そのときはそのとき 楽老抄Ⅳ』を読んだ。
中のある章抜粋。ま、いろいろの云々カンヌンの後、結婚したご主人、
「男は女の意見に反対する強さがない。しかも賛成したくない。酔ってしぶしぶ口から出る言葉は、
<そこもあるなあ>とおずおず譲歩せざるを得ぬ。‘そこもあるなあ‘という、一見譲歩に見える同意には、
<満腔の不満があるのやが、まあ一応は>なんて言ったから、お聖さん憤然とする。すると、
<ソコもあるなあ、いうたら話が打ち切りやすい>
と夫は言う。私は笑ってしまった。
しかしいま思い返してみると、これも夫婦という外交関係の調整案として、妙味があるかもしれない。
夫と妻の緊張関係は、二国間の外交と同じで、どうにかして緊張を排除する、ということになるのだろう。
私も夫が何か主張したとき、心底は、どうかと反対しつつ、口では、
<そこもあるわね>と一応譲歩することにした。
とまあこういうことで、お聖さんは、自分がいつもそう言うから我が家はうまくいっていると思っていたそうな。
が、しかし、ご主人いわく25年も続いた秘訣は<忍の一字じゃっ>と言ったというオチが付くから面白い。
そっか、私も人生の達人仙人お聖さんに学んで、いつも心底反対多しの夫主張に、
<そこもあるわね>
とにっこり微笑んで(自信がないけど)譲歩しよう。
妻の外交力を発揮して緊張関係をやわらげよう。