まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

路線バスは楽し ⑥

2017-04-09 09:08:21 | くらし

バスは思いのほか空いていて後ろのひとり座席に座ることができて。
ひとつ前の座席にヤマモトサンが。あらあって。双方「お元気?」まあまあです、なんて。
ヤマモトサンはちょこっと年下。
いつも明るく、誰にでもにこやかな笑顔と変わりない態度。とても気持ちのいいひと。



その病については以前ご本人に聞いていたから「その後お変わりない?」と。
「おかげさまで10年経ったけれど今のところは何もないの」それはよかった。

で、席の前後ろで話はそのことで弾む。
私がいちばん知りたいことは、病気を見つけた時の自覚症状。

下腹部が歩いていると下がってくる、痛い。腰まで痛くなる。
ご主人と一緒に歩いていると、先に行ってと言わなくてはならないくらいの痛み。
「これは普通ではないな」と感じて病院巡り。
女性なら当然のこと産婦人科から。いろいろ検査するも異常がないと言われたそうな。
でもヤマモトサン「やっぱりおかしい、納得できない」って。
お友達に勧められて最後に泌尿器科の病院にたどりついた。
診察のとき、Drは?という表情をされてすぐにご自分が勤めていた大きな病院を紹介してくれてたとのこと。
大病院の医師はなぜか背中のある個所をとんと拳で叩いたんですって。
まあ痛いのなんの、飛び上がるくらいで。その反応を見て即入院してくださいと宣告受けたそうな。

ヤマモトサンは、身体が教えてくれる「普通じゃない、病院に行きたくなる」症状をきちんとキャッチし、
医師の「なんでもない」診断にも、でも「納得できない」と思う自分の感覚を信じての結果病名が判明。ステージⅡだったそうな。
そんな経過をたどっての以前と変わりない日常生活。

あなた、病名告げられた時どうだった?と聞くも、
「案外平気だったの、私頭がぬけているから呑気なのね。手術の前に京急でウィッグ買っておいたの、それが
治療しているうちに髪の毛が抜けていくでしょ。だからぶかぶかになっちゃって作り直したわ」
ってけらけら大笑い。

ご主人にも「君は誰にでもペラペラしゃべりすぎる」って言われるそうだが、そのあっけらかんとした底抜けの明るさが
彼女の持ち味。そんな彼女だから「もっと取り乱すか」と思っていたご主人は助かったんだと思う。

バスを降りて信号待ちまでも話し続けた彼女から、
身体が発する「普通じゃない」感覚を見逃すな。
取りこし苦労せず、頭がぬけるくらいのあっけらかんとした態度で明るく物事をとらえること。
15分の路線バスは、経験者のそんな貴重な情報まで教えてくれる。

余談
入院宣告の次の日は娘さんの結納の日。退院後には結婚式。
空き巣に入られたのもこの年。まあとんでもない年だったわけでして。

コメント
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