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2019-11-14 15:27:51 | 自然・風景
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忙しいわ。ipadがうまく動かないので、とりあえずの写真です。



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直木賞受賞作『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』大島真寿美

2019-11-14 05:34:03 | 

 

直木賞 大島真寿美さん  

虚構と現実が反転する恐ろしさまで描き切った傑作! ──桐野夏生氏
いくつもの人生が渦を巻き、響き合って、小説宇宙を作り上げている。──髙村薫氏

「妹背山婦女庭訓」や「本朝廿四孝」などを生んだ
人形浄瑠璃作者、近松半二の生涯を描いた比類なき名作!

江戸時代、芝居小屋が立ち並ぶ大坂・道頓堀。
大阪の儒学者・穂積以貫の次男として生まれた成章(のちの半二)。
末楽しみな賢い子供だったが、浄瑠璃好きの父に手をひかれて、竹本座に通い出してから、浄瑠璃の魅力に取り付かれる。
父からもらった近松門左衛門の硯に導かれるように物書きの世界に入ったが、
弟弟子に先を越され、人形遣いからは何度も書き直しをさせられ、それでも書かずにはおられなかった……。
著者の長年のテーマ「物語はどこから生まれてくるのか」が、義太夫の如き「語り」にのって、見事に結晶した奇蹟の芸術小説。

筆の先から墨がしたたる。
やがて、わしが文字になって溶けていく──

直木賞選考概評から

「私は人形浄瑠璃はもとより歌舞伎にも疎い不勉強者なので、最初のうちは敷居が高く、おそるおそるという感じだったのですが、大島さんの筆による近松半二の明るい人柄に惹きつけられ、すぐに読むのが楽しくなりました」-宮部みゆきさん

推せなかった理由は、ほとほと感心して読みながらも、あまりに大衆文学としての普遍性を欠くと考えたからである。」「いったいどれほどの読者の理解を得られるかと思えば、ためらいが先に立った。」ー浅田次郎さん

「文楽に詳しい読者の心を動かしても、私のように無知のまま読んだ人間を動かすだけの普遍性は持ち得ていなかったと思う」
ー北方謙三さん

「扱っている題材が一般の人には馴染みのない世界だという理由と、自分が大阪出身だから読みやすかったのではないかという疑念から、三番手に推した」-東野圭吾さん

人形浄瑠璃も「妹背山婦女庭訓」なる演目も、ましてや近松半二という浄瑠璃作家にたいしてもなんの知識もないままに
読み進めたけれど、わくわくするほど面白かった。
いったい半二は浄瑠璃作家としてものになり大成するのか、早く先が読みたいなと思うほどに。
それにしても、主人公の近松半二が実在の人物だということすら知らなかったし、読み終わった後も
大島さんが生み出した人物だとばかり思っていたのだからお粗末極まりない。

「近松半二(ちかまつ はんじ、享保10年〈1725年〉 - 天明3年2月4日〈1783年3月6日〉)は、浄瑠璃作者」
と知って、あらそうだったのか、という体たらく。実際にいた人物だったのか、なんてほんと無知。

そんなだから、選考作家さんたちの危惧は、私の場合全く当てはまらない。直木賞!うんいいかもと頷くわけ。
宮部みゆきさんの概評が私にもぴったり当てはまる。
半二のものごとにとらわれない、いい加減とも思える生き方がうらやましく思えるほど。

もちろん創作しているときの、のたうつような悶々とした思いは伝わってくるがそれすら楽しんでいるような半二。
ゆるゆると語る全編大阪弁も抵抗なくすーっと入ってきて少しも邪魔にならず、むしろ音楽的な効果を生み出しているよう。
道頓堀の芝居小屋界隈の雰囲気を感じさせて、物語を生き生きとさせるている。

それにしても長い小説で、最終章の妹背山婦女庭訓主人公お三輪の語りは、私にとっては退屈で、素人考えでここは省いてもいいんじゃない、その演目が大好評を博し熱狂させたところで幕を閉じてもいいのじゃないとすら思った。

そうそう、文楽についての何かがないかなと探していたら2019年5月国立劇場の通し狂言『妹背山婦女庭訓』の
公式ホームページが見つかりました。まだ掲載されているのでよろしかったらどうぞ。
人形の写真を見ているだけでも楽しいです。

 こちら

受賞作の『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』をはじめ 、今回の候補作品三作(『美しき愚かものたちのタブロー』『トリニティ』)
がいずれも実在の人物をモデルにした小説であることは単なる偶然かしら、ね。

もし、私が選考委員だったら『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』か『トリニティ』のどちらかを推そうと選考委員会に臨むな、
なんてしょうもないことを妄想するわけでして。(『トリニティ』は「渦」の後に読んでこちらもとても面白かった)

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