電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

プロコフィエフ「チェロソナタ」の魅力

2007年12月02日 07時05分38秒 | -室内楽
ここしばらく、通勤の音楽としてプロコフィエフの「チェロ・ソナタ」ハ長調、作品119 を聴いておりました。リューバ・エドリナ(Luba Edlina)のピアノ、ユーリ・トゥロフスキー(Yulo Turovsky)のチェロ、1982年のCHANDOS盤(CHAN8340)(*)です。当初は、併録されているショスタコーヴィチのチェロソナタ目当てで購入し聴いておりましたが、LPで言えばB面にあたるOp.119の魅力に目覚めてしまいました(^o^)/
好きですねぇ、こういう音楽!

第1楽章、アンダンテ・グラーヴェ。チェロの低音が、大柄な老人の昔語りのように始まります。やがて、チェロが高音域で美しい旋律を歌い始めると、ピアノもまた、ともに歌います。広い音域にわたる暖かいチェロとピアノの対話が、なんとも言えず素晴らしい!途中でやや活気づきますが、全体におだやかで表情豊かな音楽です。
第2楽章、モデラート。「ジングルベル」の音楽みたいな、童話的な軽さを持った、ユーモアがあり軽快なスケルツォです。ゆるやかな部分の叙情性も、すてきです。
第3楽章、叙情的な旋律線と、劇的な要素も併せ持った、なんという素晴らしい結尾!

1949年、病のため、作曲の時間が1日に1時間くらいしか許されない条件の中で、ロストロポーヴィチの協力を得ながら進められてようやく完成、1950年3月1日にモスクワで初演されたそうです。初演者は、チェロがロストロポーヴィチ、ピアノはリヒテルという豪華さです。
リリシズムと優しいユーモアに、チェロのカンティレーナが結び付いた、プロコフィエフの晩年の作品は、くり返し聴き込むほどに味わいのある音楽と感じます。

ピアノのリューバ・エドリナさんは、ボロディン・トリオのピアニストとして有名なのだそうで、私としては初めて。チェロのトゥロフスキーさんは同じくボロディン・トリオのメンバーで、指揮をしたCDなどもあるようです。シャンドス・レーベルのCDはナクソスのミュージック・ライブラリで試聴できるようですので、会員の方はたっぷり聴けるかもしれません。

(*):Chandos CHAN8340~ 現在、ナクソス・ミュージック・ライブラリで試聴できる?
コメント