雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

想定の範囲内

2006-12-05 06:40:03 | 発想$感想
若い頃、広報を担当した時期があり、広報についていろいろなことを学んだ。

広報とか、広告の発想は、その後の仕事に実用として大いに役立ったと思っている。
本などでは難しくいろいろ言っているが、「広報的な発想」とは私なりに次のように思っている。


広報とか広告は、「他人がどう思うか」、或いは「どう思ったか」、「その結果どのように行動するだろうか」、或いは「どう行動したか」を確かめてまた次の行動を考える。
確かめるのが、所謂「調査」である。

とにかく、「相手側から物事を考え」、相手側の行動をみて、また次を考える。
同時に、自分の打つ手に相手がどう反応するか、「事前に想定しておくこと」は鉄則である。

市場調査は、自分の「想定の範囲内」であったかどうかのチェックを行うレベルであれば合格で、調査の結果を見ないと想像も出来ないというのでは、行き当たりばったりもいいところである。

ところが、世の中は殆どの場合、自分の側からの発想で動き、広報とは自分の側の発想を「広く報じる」ことぐらいにしか思っていない。
Public Relationを「広報」と訳したところが、間違いの元のような気がする。

「想定の範囲内」はホリエモンがTV会見で連発し一躍有名になった。
もともと、マーケテングの基本的な考え方の一つで、常に「想定の範囲内」であったということは、ホリエモンも普通一般のレベルは間違いなく超えていたのだが。
その後に続く場面までの想定は出来なかったのだろう。


コンセプトの「実現」のための手段として広告、広報はある。

実行と実現は全然違う。
然し世の中は、実行が主で、実現を目指すことは意外に少ない。

目標に向かって努力する、いろんな施策を実行する、そのために予算も組みそれも使う。
これらは全て「実行した」ことには違いないが、コンセプトで目指したことが「実現した」かとは、又別の話である。
あれだけ努力したのだからと弁解するのは敗北を認めることである。

「実行力」などとよく言うが実行するぐらいは、権限と予算さえあれば、そんなに難しいことではない。
役所などでは、期末にきっちり予算の実行をおやりになる。

役所に限らず、コンセプトは明確ではないがとにかく実行だけはある、というのが民間でも一般的過ぎると思っている。


「相手の立場で考え」「動向を常に想定し」「実現を図る」事は、簡単なようで本当に難しいことだと思う。
然し、常にこのように発想し続けると体質になり、何事も実現し易くなるものである。

一番大事なのは、「コンセプト」と「その実現」なのである。

コメント
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