関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

水連問題質問全文

2008年12月06日 | 市政全般

 一般質問の全文を文字に起こしましたので掲載します。
 インターネット録画がその日の内にアップされるようになりましたので、すぐに作業に入れますが、それでも、約30分の質疑・答弁を正確に文字にするには、3,4回は聞かなければなりませんので、3時間くらいの作業になります。

 書き起こしてみると、「ちょっと追及不足だったか」「あれ、当局はこんなことを言っていたのか」「ああ言えばよかった」などなど、足らないところが目に付きますが、それを反省材料にして次に活かすしかありません。
 
 今回も、やりようによっては「とどめ」を刺すまで行けたかとも思いますが、まあ、それでも大事なところは何とか抑えたように思われます。
 まずご覧下さい。
 
 
 通告に従って、最初に市民プールの管理委託及び使用契約の問題について質問します。
 ご承知の通り、鶴岡水泳連盟:以下水連と呼ばせていただきますが、水連で横領疑惑が持ち上がり、会長が逮捕されるという事態が発生しています。
 水連が主催するスイミングクラブ(SC)には1300名を越える小学生を始め、2100名余りの市民の方々が参加しています。会員の中では、怒りの声とともに、「SCが無くなるのではないか」という不安の声も上がっています。
 水連は、愛好者の自主的な組織であり、今回の問題の解明と正常化は、一義的には関係者の方々が自主的に取り組まれる問題です。
 しかし同時に、市民プールを舞台にした事件として、この事件を通して明らかになった市のこれまでの関わり方の問題について今回取り上げるものです。
 市と水連の関係は、
 一つには、市が水連に「プール水質、機械管理、監視及び窓口業務」を委託するという関係です。
 もう一つは、水連が、主催するスイミングクラブ(SC)で市民プールを年間を通して利用するという関係です。
 市は一番目の業務委託については当然委託契約を結んでいますが、二つ目のプールの利用に関しては、契約を結ばず、一般市民の利用と同様に扱ってきたといいます。私はここに問題があったと考えます。
 水連のH19年度の収支報告書を入手して見てみましたが、会計は二つあって、一つは、水連会計。こちらには、市体育協会からの強化費も入っていますが、年間支出額で約137万円ほどの同好会的な組織の会計です。
 もう一つが、SCの会計で、こちらが1億4千万円近い規模、市からの委託収入約1600万円も計上され、プールの管理等委託業務をおこなっている会計です。
 詳細は触れませんが、二つの会計は相互に繋がっていて、SCの方で約900万円が積み立て金として計上されていますが、積み立ての累計額が記載されていません。新聞報道などでは、この積み立てが不正に流用され、ファンド投資にも回されて損失が生じたとも伝えられています。
 SCが市に支払ったプール使用料は、3千万円弱ですが、市は、「市民が個人で利用する時と同じプール利用料規定にもとづいて、人数に応じて受け取ってきた」といいます。「ただ規定の利用料を受け取る」だけの関係にしていた訳ですが、実際には、水連は市民が個人で利用する場合とは異なった、特別の利用をおこなってきました。
 3つ挙げますと、
 第一に、コースを占有利用するという利用形態です。
 今議会に提案された利用料改定案の中で、新たに1コース毎の占有利用の料金が提案されていますが、これは、これまでの水連の利用方法が規定外のものであり、従って料金設定が不適切であったことを認めたということを示しているものと思います。なお、水連が支払った利用料2978万円は、H19年度の市民プールの利用料収入全体の87%を占めているようであります。
 第二に、市民プール屋内・屋外に、アイスクリーム、飲み物などの自動販売機が設置されていますが、これは水連の申し出を市が許可したものだということであります。その売り上げに他の市有施設に設置されているものと同様に市への収益が設定されていることは当然ですが、一部は水連の収入になっているといいます。
 施設内でプール利用以外の収益事業が認められてきたということになります。
 第三に、SCの収支報告書を見ると、売店収入を得ていることが記載されています。
 市民プールで売店事業をおこなうことについて、市はいつ許可を与えたのでしょうか、そのこと自体確認しておきたいと思います。
 いずれにしても、今挙げた三つのことを見ても、水連は、SCのプール使用でも特別の利用をおこなう他に、自動販売機、売店など、市民プール全体を事業の場として使ってきたのであります。
 私は、水連が悪辣な利用をしたなどと言っているのではありません。
 市が、必要な利用契約、ルールの設定を求めてこなかったことが、市民の健康と福祉のための公の施設である市民プールの管理として、問題であったということ、言い換えれば、水連に対して、不公平・不公正な優遇をしたと言うことを指摘しているのであります。
 新しいプールでの市と水連の関係が始まった時の水連の会長は、当時防衛庁長官であった代議士の後援会長であったと言います。事情を知る市民は、「だから特別扱いされてきた」と言っているのであります。
 市の対応が公の施設の管理として、公正で適正なものであったのか、見解を求めます。
 次に、問題の把握のための監査の実施を求めます。なぜそれが必要か。
 第一に、市が管理委託した事業の中で、警察によって違法行為が摘発される事態となっているということ、
 第二に、先に述べたように、規定を逸脱したプールの利用が長年おこなわれていて、その利用を通して、多くの市民から年1億1千万円を越える会費が集められ、その剰余が違法行為に使われたらしいということだからであります。
 市のこれまでの対応を総括する上でも、今後のあり方を検討する上でも、市として事態の全容を把握することが必要です。
 仮に、市が「地方自治法の定めによる監査の対象と認められない」と考えるとしても、委託契約書の第8条には「この契約に定めの無い事項又はこの契約に関し、疑義が生じたときには、甲乙協議の上、決定するものとする」とあります。
 まさに委託した管理に関し重大な「疑義が生じている」訳ですから、水連との協議を通してでも、監査をおこなうべきものと考えます。 
 最後に、今後のSCのあり方についてです。
 冒頭でも触れましたがSCは、本市でおこなわれているスポーツに関する事業で最も大きく活発なもの一つです。「市のSC」と思って参加している方も少なくありません。
 この事業について、市が直接運営することも含めて、事態の正常化と、将来の健全な事業運営に市が責任を持つ必要があるのではないかと考えます。
 剰余の使い道や、そもそも会費から生まれる剰余の適正な規模なども含めて、今後の市の関与についてどうお考えか伺います。

教育長
 最初に市民プールの管理委託、利用契約等のあり方についてお答えを致します。
 まずこのたびの、鶴岡水泳連盟代表者が傘下団体の預金口座を指摘に流用したとする業務上横領事件につきましては、教育委員会と致しましても極めて遺憾であり、また残念に表手いるところであります。
 ご案内の通り市民プールは、水泳が盛んである本市において、たくましいよい子を育てよう、泳げない子のいない町にしよう」という鶴岡水泳連盟の方の強い思いから市がその要望に応えて整備した施設であります。
 以来、市民プールは、健康でたくましい子どもの育成の場、また市民の健康体力づくりの、或いは交流の場として無くてはならない施設となってきておりますし、その中心的役割を果たしてきたのが鶴岡水泳連盟であります。
 しかるに、その場所で家宅捜索などがおこなわれるというあってはならないことがおこったことは、プールに通う多くの子ども達を始め、市民の皆さまに大きな不安を与え、ご心配をかけしたものであり、誠に残念でなりません。
 この事件に際し、市と致しましては、逮捕の報道がなされた11月21日に、鶴岡水泳連盟に対し、組織体制を抜本的に見直し、信頼回復に努めることとあわせて、一刻も早く立て直しを図り、青少年の健全育成や市民の健康、体力づくりのために、これまで以上の役割を果たしてもらえるよう支庁名で強く申し入れたところであります
 ご質問の一点目の自動販売機と売店事業の許可についてでありますが、自動販売機については、行政財産の目的外使用許可により、市民プールには現在6台設置されており、設置者は鶴岡水泳連盟が4台、市体育協会と福祉団体が各1台となっております。
スポーツ課が管理する施設では、全体で33台の自販機が設置されており、設置者である13の団体に目的外使用を許可しておりますので市民プールが特別と言うことではございません。
 また、市民プール内でおこなわれている販売につきましては、2000人を越える鶴岡スイムクラブの会員に対して水着や帽子、ゴーグル、選手のユニフォーム等、プールで必要とするものを会員の注文に応じて販売していると聞いていますが、会員の皆さんを始め、プールの利用者の便宜を図る目的であり、特別な許可は出しておりません。
 次に、市民プールの管理が適正であったかとのご質問でありますが、後に申し上げますが委託業務においては何ら問題はないと判断をしております。
 使用につきましても、一般開放や部活動など、他の団体に大きな支障はこれまでも無かったことでありますし、自販機などの販売行為につきましてもただいま申し上げました通りであり、市民プールの管理に落ち度があったとは認識しておりません
 鶴岡水泳連盟による、水泳教室の実施自体は、市民プールの有効活用はもとより市民の健康、体力づくり等、本市のスポーツ振興に大きく貢献しているものと考えております。
 次に三点目の監査についてでありますが、
 現在市が鶴岡水泳連盟に委託している業務は、プールの水質と機械の管理、及び一般利用における監視と窓口業務であります。
 この関係において市は、契約で定められた内容、時間によって遂行された業務の対価として受託者である鶴岡水泳連盟に対し、業務実績に対し、人件費分の委託料を支払っております
 これまで、委託した業務については何ら問題なく経過をしておりますし、この限りでは、委託契約は適正に執行されていると判断しておりますことから、改めて監査の必要は無いと考えております
 こうした事件があったとしても、利用者に対して市が団体団体固有の会計状況を監査することはなじまないものと判断しております。
 4点目の今後のスイムクラブのあり方をどう考えるかという質問でありますが、この事件は、基本的には民間団体内部の問題であり、当該団体が自ら改革すべきことでありますが、市の施設に家宅捜索が入るという不祥事であること、それから、プールを利用している子ども達始め、多くの市民に多大な不安や心配を抱かせる事案であることに鑑み、組織体制の抜本的な見直しがはかれるよう、教育委員会としても適切に指導して参りたいと考えております。
 冒頭に申し上げました通り、水泳の普及、進行を通して、子どもたちの健全育成や、市民の健康、体力づくりに、長年に渡って、努力してきた鶴岡水泳連盟の果たしている役割は非常に大きいものがあります。
 たくましいよい子を育てよう、泳げない子の町のいない町にしようという崇高な理念を掲げ、選手強化の面でも大きな役割を果たしてきたことも事実でありますが、水泳連盟には、こうした精神、原点に立ち返ってもらうことが何より筆よなこととおもいますので、さまざまな立場の方々から、ご意見を頂戴しながら、改革をすすめていくよう、指導、助言を続けて参る所存であります。
 鶴岡スイムクラブの運営につきましては、そうした改革の道筋で、ありようについて方向が定まっていくものと考えておりますが、総合型地域スポーツ型クラブの育成などにより、民間の力を借りながら
鶴岡スイムクラブは可能な限り、民間の運営を継続していきたいと考えているところであります。

 市民プールの問題でありますけども、「委託契約は適正におこなわれていた」ということであります。
 先ほど申し上げました、SCの収支決算を見ますと、新聞報道の通りですけども、900万円の積み立てをしているけども、その積み立ての累計がどうなっているか書いていない、
 どのように使われているのかご承知なのかどうか。
 繰り返しになるようでありますが、この会計の方に1600万円余りの市の委託料が入っていて、そして市民の皆さんからの1億1千万円を越える会費もここに入っている訳です。人件費も8千万円余り計上されてこの方々が委託業務をやっている訳であります。
 そのお金がどうなっているかわからないという状況になっている訳です。
そして監査報告書には、この決算について、「適正に処理されている」というふうに認定をされています。
 これではやはり、公金を適正に預かって、公金を適正に執行するという能力のある組織とは認められないのではないでしょうか。改めて伺いたい。
 それからもう一点、これから組織の正常化を図っていくと言うことでありますが、ただすべき問題の一つとして、職員の退職の問題もあったということも挙げておきたい。
 平成19年度に一年間に5人の職員の方が解雇され、或いは退職に追い込まれたと言うことで、その内一人の方は、水連を相手取って訴訟をおこされているということです。
 言うまでもありませんけども、SCのつくってきた大きな成果、これは先ほど教育長が述べた通り、鶴岡のスポーツ活動でも取り分けて大きな貢献をしてきたとおもうんですけども、それはやはり、役員と職員の方々が長年に渡って努力して、果たされてきたものである訳です。そういう方々が不当にも解雇に追い込まれる、職場を追われるということが起こされたんだとすれば、これはゆるがせにできない問題ではないかと。
 そしてその経過の中にも必ず今回の不祥事につながる問題、総括すべき問題というものが含まれていると思いますので、市としても、これから「さまざまな方々の意見を聞いて」ただしていくということでありましたから、職員の方々、退職された方々の意見もよく聞いて、この問題も解決を援助し、組織の立て直しを図っていただきたいと思うのですけどもいかがでしょうか。

教育長 
 SCは、水泳連盟が展開している一事業ということですので、委託については問題はないのではないかと考えております。
 ただこのような問題がありますと、今喫緊の課題は、委託するという団体がまさに適正な判断ができ、市民の信頼に応えうる活動ができるように、しっかりとした組織体制をつくり直すということがまず課題となる。
 先ほど積立金のお話あったが、その目的を明らかにして、長期的に選手育成やら合宿やら設備充実設備充足ということで積み立てること自体は、問題はない。
 それでいわゆる積立金の実態を組織内で明確にしていくと、この部分は是非これから是正をしてもらいたい。
 次の職員の問題でありますが、どのような職場であっても、そこで働く方々の意見を聞いて不都合な点が有れば改善をしていくということが当然有るべき姿だろうと思っています。
 そうした点において、水泳連盟内部でこれまで適正を欠くことがあったとすればこれは是正すべきだと考えております。
 しかしながら、職員の採用を含め人事、処遇に関することは、雇用者がその責任をおうべきことであり、市が直接なにかをおこなうことではないと考えております。
 ただ、望ましい方向をめざす点では、我々も努力していかなければならないと思いますので、必要に応じて助言や申し入れをしていきたいとは考えております。

 問題があったということについて、認識がないということ、認識が薄いということ、やはりこれは、市の公の施設のあり方として問題だと思います。
 今回の横領などの事件は、近年水連の実権を握ったとされる、一部の役職員がおこしたもののようではないかと、私も感じておりますけども、その方々が直前に起こしている問題、雇用問題もそうでありますから、やはり自体の解明の中でこのことも見逃せないと思います。
 水連に対して、水連の側の意志はともかくとして、公正を欠く優遇がされてきたのではないかと申し上げました。
 このことは、教育長を始め現市長も関わっていない頃に始まったことですが、しかしそれを「問題でない」とおっしゃる訳ですから、やはりその不公正さというものが、今の市政にも引き継がれているのではないかと、私はこれは見なくてはならないと私は思いました。
 私はこの間、長い間、水連の活動を支えてきた役員・職員の方々にお話を伺うことができましたが、本当に自分たちのこれまでの努力に泥を塗られたという無念の思いがヒシヒシと伝わってきました。
 こういう方々の思いに応えるために、それからクラブに参加している子どもを始めとする多くの市民の方々の思いに応えていくために、これからも、市の関わりのあり方、私は今日の認識では不十分だと思いましたので、これからも正していくということを申し上げまして質問は終わりたい。